フランチャイズの居酒屋の開業方法を直伝!資金や資格・本部選びのコツ
更新日:2023.6.6
投稿日:2022.9.2
「居酒屋を経営してみたいけれど知識も経験もないから無理」と諦めていませんか?
居酒屋ビジネスで成功する夢を実現するなら、フランチャイズ加盟店として開業することが近道です。フランチャイズに加盟することで、低資金で開業ができ、居酒屋に必要なノウハウも身に付けられるからです。しかし、フランチャイズは自由度が低いため、オリジナルの料理やお酒のラインナップ、空間づくりはできません。デメリットに感じる一面もあります。
ここでは未経験からでも安定的に運営しやすいフランチャイズの居酒屋経営について、メリット・デメリット、開業資金など詳しく解説します。
「個人経営の居酒屋よりもフランチャイズはなにが優れている?」
「フランチャイズなら最短でどれくらいの期間でオープンできる?」
「居酒屋のフランチャイズオーナーはどれくらい年収が稼げる?」
といった疑問にお応えします。フランチャイズの居酒屋で独立開業を考えている方はぜひ参考にしてください。
目次
フランチャイズで開業する居酒屋とは
居酒屋を開業する方法には2種類あります。個人で開業する方法とフランチャイズに加盟して開業する方法です。
フランチャイズビジネスとして開業する居酒屋では、フランチャイズ本部と加盟契約を結び、店舗を経営します。フランチャイズの加盟契約に基づき、加盟金や月々のロイヤリティなどを加盟店がフランチャイズ本部に支払います。
その代わりに商標の使用ができ、開業のために必要な研修や、開業のための準備、経営支援などのサポートが受けられるビジネスモデルです。
- 料理初心者でもできる仕込みや調理方法
∟簡単に調理できるレシピが多い
∟セントラルキッチン・外注で仕込みを行い、現場では仕込みが不要なケースもあり
- 回転率やリピート率を上げる店舗運営
- 人件費などの経費を抑えたオペレーション
- 新メニュー(料理・ドリンク)の開発
などに関する、居酒屋経営を成功させるために必須のノウハウを、本部から提供されます。顧客単価や原価率などがあらかじめ設定されているため、売上の見込みが立てやすく、かつ安定して利益を残しやすくなります。
これが居酒屋のフランチャイズビジネスの特長です。居酒屋のフランチャイズオーナーへのインタビュー記事を、本メディアで掲載しておりますので参考にしてみてください。
フランチャイズで居酒屋経営をするメリット・デメリット
フランチャイズに加盟して居酒屋を開業するには、個人経営と比べると、どんなメリット・デメリットがあるのでしょうか。それぞれ3つずつ紹介します。
フランチャイズの居酒屋経営のメリット3選
①知名度があるため集客しやすい
出店エリアによりますが、飲食業界の中でも居酒屋は競合が多く、集客が難しい業態です。個人経営の場合は、プレオープンをして友人・知人を招待し、口コミなどで徐々に集客を伸ばしていく方法が一般的です。
安定して集客できるまでには時間がかかり、味や接客、お店の雰囲気など、何か特筆することがないと口コミでの人気獲得も難しいでしょう。
フランチャイズとしてチェーン展開している居酒屋であれば、最初からある程度の認知度があり、オープンの事前にはPR活動も実施されるため、開業初日から集客が期待できます。
②開業までの時間が短縮できる
居酒屋を開業するまでには、準備しなければならないことが山積みです。フランチャイズに加盟すれば、調理の仕方から仕入れ方法などお店の運営に必要なノウハウを教えてもらえます。研修は既存店舗で行われることが多く、じかに居酒屋の運営ノウハウが見られるので、実践的なスキルを学べます。
また、フランチャイズ本部からは店舗の取得や資格取得など開業に必要な手続きや仕入れ先の情報も教えてもらえるため、開業までの流れがスムーズです。開業までの時間が短縮されることで、借りている店舗の家賃が無駄にならず、初期投資の回収も早くなる可能性があります。
③安定的に店舗運営できる
フランチャイズ本部には経営ノウハウが蓄積されており、過去の成功事例や失敗体験から学び改善につなげた方法が集約されています。その経営ノウハウは加盟店にも共有されるために、リスクを回避しながら成功する確率の高い店舗運営が行えます。
また、地域性や規模の似ている店舗の売上情報を元に、集客や収益の予測が立てられるため、開店したにも関わらず期待したほどの来客数が見込めないという状況を避けられるでしょう。
フランチャイズの居酒屋経営のデメリット3選
①自由度が低い
どのフランチャイズに加盟するかによっても程度は異なりますが、メニューの追加や営業時間の変更などを加盟店が任意で行うことができないため、店舗運営における自由度は低いと言えるでしょう。
フランチャイズの強みは「どこで飲食をしても同じ味、同じサービスを提供できる」という安定性です。店舗ごとに違うメニューやサービスの提供はできないことがほとんどです。
提供する値段が決まっていることも多いため、その地域の客層に合わせた価格設定がしにくいこともあるでしょう。
②ロイヤリティの支払いがある
毎月のランニングコストに加え、フランチャイズ本部にロイヤリティを加盟店は支払わなければなりません。そのため利益が少ないと思われることもあるかもしれません。
飲食業界におけるロイヤリティの目安は売上に対して、5%前後が相場です。例えば、月間の売上高が500万円の店舗であれば、ロイヤリティ25万円を支払わなければなりません。売上高が高くても人件費や賃料、材料費などの負担が増えると、ロイヤリティの比重が高くなり、フランチャイズオーナーにとっては痛手となりえます。
③他店舗の影響を受けやすい
飲食店では、食中毒の発生やSNSでの炎上など、さまざまな問題が起こります。とくに食肉や魚介類などを扱う店舗では、対策を徹底していても食中毒リスクを伴います。
こういった問題が同じフランチャイズの系列店で起きた際、他多店舗でおきたことであっても、社会的な信用やブランドイメージを下げることになり、お客様が離れることがあるかもしれません。
お客様が離れてしまい売り上げが下がる可能性があります。お客様が戻ってくるまでには時間を要するため、数ヶ月分の運営資金は余裕をもって用意しておくと安心です。
フランチャイズで始める居酒屋の開業資金、相場はいくら?
飲食店の開業には、比較的多額の資金が必要と言われています。個人経営であれば、こだわった店舗を手がけるとなると1,000万円~2,000万円ほどかかることも珍しくありません。居抜き物件であれば、安価に抑えることもできます。
フランチャイズ加盟店として居酒屋を開業する場合、フランチャイズ本部や店舗の規模(席数・規模)、出店エリアにもよりますが、必要な資金は以下のとおりです。
- 加盟金:数十万円~300万円程度
- 研修費:数十万円~50万円程度
- 物件契約・賃貸料:300万円程度
- 厨房設備費:100万円~300万円程度
- 運転資金:3ヶ月~6か月分
合計すると開業資金の相場は900万円~2,500万円程度です。なお、物件契約・賃貸料には敷金・礼金・保証金・仲介手数料・保証金などが含まれています。
とくに保証金は、商用で使用する場合、賃料の6~12ヶ月分がかかります。実際はフランチャイズ本部によって大きく異なるので、詳細は加盟店の募集要項などをご確認ください。
個人経営とフランチャイズでは、開業資金に大差があるわけではありません。どちらかというと、開業資金の中身に差があります。フランチャイズの利点は本部のブランド力やサポートなど、開店から運営までをスムーズに進められる仕組みがあることです。
こういった恩恵を受けるために必要な対価が、開業資金に盛り込まれています。
ただし、中には200万円~300万円ほどの自己資金で、居酒屋の開業を支援しているフランチャイズ本部もあります。総合計でも1,000万円以下で始められる居酒屋のフランチャイズビジネスもあるので、度々ではありますが、本部によって開業資金は違いがあります。
フランチャイズで開業する居酒屋オーナーの年収は?
フランチャイズの飲食店オーナーの平均年収は、500万円~600万円が相場です。
日本人の平均年収が433万円程度(給与所得者)なので、高給の部類に入るかもしれませんが、業態や店舗数によっても変わります。
参照:令和2年分民間給与実態統計調査結果について|国税庁企画課
年収1,000万円以上を目指す、もしくは安定した収入を獲得するのであれば多店舗展開することをおすすめします。
ただし経営者になると、年間の休日が少なくなったり、労働時間が増えたりする可能性があります。ワークライフバランスを重視して働くのか、それとも収入アップを図るのかで働き方は変わるでしょう。
関連記事:多店舗展開のメリット・デメリットと注意点|成功に導く運営のコツ
居酒屋を開業するために必要な資格や免許
居酒屋に限らず、飲食店を経営するには必要な免許や資格があります。詳しく見ていきましょう。
食品衛生責任者
食品衛生責任者は、飲食店経営には必須の資格です。
一つの店舗に必ず一人は置かなければならない職務で、食品衛生面を統括する責任者です。また、食品を扱う店舗の開業するにあたって、保健所への営業許可申請を行う際に必要な資格でもあります。資格取得の難易度は高くありません。各地域で開催される講習会に一日参加し修了することで取得できます。
<東京都の場合>
講習時間(試験込)
・衛生法規:2時間
・公衆衛生学:1時間
・食品衛生学:3時間受講料 10,000円
参照:食品衛生責任者養成講習会|一般社団法人東京都食品衛生協会
防火管理者
防火管理者は、建物の火災での被害を防ぐために、消防計画を作成して防火管理業務を行う責任者です。こちらも資格取得の難易度は高くありません。この資格には甲種乙種と2種類有り、乙種は1日の講習参加で取得できますが、建物の面積が300㎡以内という制限があります。一方甲種は2日間の講習会に参加し修了することで取得できますし、どんな場合でも防火管理者となることができますので甲種の取得をおすすめします。
種類 講習時間 受講料
甲種 10時間(2日間) 7,500円
乙種 5時間 6,500円
居酒屋のフランチャイズ本部選びのコツ
フランチャイズの居酒屋と一口に言っても、和食中心の老舗から若者に人気の創作居酒屋まで、さまざまなフランチャイズ本部があります。数ある中で、どんなフランチャイズ本部を選んだらいいのでしょうか。
健全な居酒屋を経営するための目安があります。売上に対して食材費は30%、人件費が25%、家賃を10%以内に抑えることです。
このなかで、食材費はコントロールがとても難しいのですが、フランチャイズの店舗であればメニューも決まっていて、本部が一括して大量に仕入れているため、食材にかかる費用を安定させられます。
その意味で、仕入れルートをしっかりと確保されているかは、フランチャイズ本部選びで非常に重要なポイントです。
そのほかの重要なポイントを見ていきましょう。
近年のトレンドに乗れているか
いかに来店や予約の導線がはれているかが、集客を左右します。
最近では、スマートフォンで食べたいものを検索して店を選ぶ消費者が多くいます。スマートフォンで予約したくなる情報の掲載や、予約しやすいシステムの整備ができていなければなりません。
また総合居酒屋よりも、「天ぷらとワイン」「焼き鳥とクラフトビール」など、料理とお酒にこだわる専門店の需要が伸びています。その需要をうまく捉え、「立ち飲み」や「サバ料理専門」あど、ある分野に特化したフランチャイズの居酒屋も増えています。
ひと昔前までは、総合居酒屋のシェア増大とともに、居酒屋市場では低価格化が進んでいました。しかし近年は、「良質な料理やお酒を楽しみたい」「雰囲気の良いお店で贅沢な気分を味わいたい」という消費者も多く、単価が高くともお店の高級感や接客サービス、厳選した食材などに力を入れるお店も増えています。
お店のウリや強みだけを打ち出すのではなく、市場の動向や顧客のニーズを把握して、対策しているフランチャイズを選びましょう。
どちらを選ぶ?老舗と新興勢力
老舗のほうがビジネスモデルや仕入れ先のルート、サポート体制など、実績に基づいた安定感があります。しかし、老舗の居酒屋は大きな看板を持っているゆえ、流行に沿ったメニューやサービスをいち早く取り入れるといった小回りがききづらい難点があります。
お客様の今のニーズをいち早く取り入れられるのは新興勢力だと言えます。ただし、新興勢力はビジネスモデルやサポート体制など未熟な点もありますので吟味が必要です。
老舗フランチャイズ企業が展開する新業態の居酒屋は、母体がしっかりしており、トレンド性があるという意味で、1つの折衷案かもしれません。
お店の特性に適した立地を選ぶ
駅前に出店するのか郊外に出店するのかで来てくれるお客様の層や滞在時間が異なります。業態の特徴によっても向き不向きがあるので、フランチャイズ本部と相談して、他の店舗で自分の出そうとしている店舗条件が似ている店のデータも参考にして選ぶことをおすすめします。
すでに自分で物件を持っている場合は、似たような立地、規模で利益を出している本部を選ぶことも考えられます。
これまで居酒屋をはじめ飲食店の立地は、駅前が有利だと考えていました。しかし、消費者の舌が肥え、情報がすぐに拡散される昨今では、「駅遠でも、わざわざ足を運んで行きたくなるお店」に価値が見出されています。立地の良さよりも、お店の特性に適したエリアを選ぶことがポイントです。
フランチャイズの居酒屋の将来性
フランチャイズの居酒屋は、今後どのように進化していくのでしょうか。2つのポイントに注目して、これからの店舗運営のために力を入れるべき点を取りあげます。
人材を活かせる組織が伸びる
人口減や労働環境が悪いイメージもあり、飲食業は人材不足が深刻な問題となっています。給料を上げれば人材採用ができると思いがちですが、やみくもに人件費を上げればフランチャイズの収支モデルが崩れてしまうので、それでは解決が難しいでしょう。
今後は、人材採用のノウハウや、従業員を定着させる仕組みを持ったフランチャイズ本部が強いかもしれません。働きやすい就業規則の導入、福利厚生の充実などを鑑みてフランチャイズ本部を決めることも重要でしょう。
また、従業員が少なくても運営できる店舗であれば、効率的な居酒屋経営ができ、人件費の削減にもつながるため、少数精鋭で運営できるビジネスモデルをもったフランチャイズがあるかを探してみるのも1つの手です。
エンターテインメント性が求められる
コロナ禍の後押しも有り、他業界と居酒屋のボーダーラインが薄れてきています。コンビニやスーパーマーケットでお惣菜を買って家飲み、ラーメン屋や牛丼屋など安価で少し飲める他業界のちょい飲みなどに注目が集まる中、お店に来てもらう価値を、これからの居酒屋は高めなければなりません。
最近では、セルフ居酒屋やキャンプ型の居酒屋が話題になっています。これらはお客様が、自分で料理を調理して、ドリンクづくりをする形態のお店です。
エンターテインメント性だけでなく、調理やホールを担当する従業員の省力化もかなえています。まさに昨今の消費者のニーズを捉え、かつスマートな経営を実現するビジネスモデルの代表格と言えるでしょう。
このようにフランチャイズ本部を選ぶ際にも今の時代の問題を解決できるような仕組みを持つ本部を選ぶこともフランチャイズの居酒屋で成功する鍵になるかもしれません。
まとめ
自分の居酒屋を持ちたい!という夢をお持ちの方は多くいらっしゃると思います。店舗や厨房などの準備で初期費用はある程度かかりますが、フランチャイズでの開業でしたら手厚いサポートを受けられるので、経営努力を惜しまなければ安定的に運営を続けられます。
フランチャイズの居酒屋は認知度があるため、はじめからお客様も入りやすく、早い時期に初期投資した資金の回収が見込めるでしょう。本部選びや立地などの重要なポイントをおさえて夢を叶えてください。
飲食店の開業をもっと学びたい方はこちらの記事も参考にしてください! フランチャイズで憧れのカフェを開業する方法・経営のコツ クレープ屋のフランチャイズ|移動販売・路面店のメリット・デメリット |
著者情報
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