「会社員×個人事業主って最強」は本当?6つの理由と兼業するコツ

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「会社員×個人事業主は最強」って本当?6つの理由と兼業するコツ

更新日更新日:2023.10.2

公開日投稿日:2023.3.7

「給料がもっと増えないかな」は、多くの会社員が持つ思いでしょう。しかし現実は期待通りにはいきません。

給与が増えるどころか「昇給なし」「賞与カット」などの世知がらい話ばかりだという人も多いのではないでしょうか。

給与が上がりにくい現代、手っ取り早く収入を増やせる方法が副業です。しかもおすすめは「会社員×個人事業主」です。

会社員が個人事業主になると、会社員・個人事業主それぞれのメリットを受けられるようになります。収入を増やしつつ節税効果も得られる、一石二鳥の働き方です。

会社員と個人事業主を両立する働きかたとは、実際どのようなものなのでしょうか。 この記事では「会社員×個人事業主」が最強ともいわれる理由や、始める前の注意点を解説します。またかならずしもすべての会社員にとって、個人事業主との掛け持ちが最強にはならない点もまとめました。

独立・起業、そしてビジネスのプロであるDokTech編集部ならではの切り口でわかりやすく解説します。 収入を増やす方法の1つとして、自分らしい働きかたを実現するヒントとして記事を活用してください。

目次

「会社員をしながら個人事業主」の両立は可能

「会社員をしながら個人事業主」の両立は可能

会社員と個人事業主は「別世界の人」「同時に両方をこなすのは無理では」とイメージする人も多いかもしれません。

たしかに働きかたは異なります。しかし「同時に両者になってはいけない」との決まりはありません。

はじめに、会社員と個人事業主の違いを簡潔に解説します。また両立したい人が確認しておくべきポイントもまとめました。

会社員と個人事業主の違い

会社員と個人事業主を「働きかた」「仕事の得かた」「メリット」の3点から整理してみましょう。

下の表にまとめましたので、ご覧ください。

会社員個人事業主
働きかた会社に雇用されている自分で事業を営む
仕事を得る方法会社に指示された業務を担う自分で営業活動し、得る
メリット社会保険に加入できる雇用が保証されている得意を生かせる定年がない

会社員は会社と雇用関係があり、仕事も給与も会社から与えられます。一方、個人事業主は自分の力で事業を営み、お客様から報酬として収入を得ます。

働きかたが異なるだけで、優劣はありません。どちらも社会を支える大切な力です。また会社員をしながら、就業時間以外に個人事業主として活動しても構いません。

関連記事:フリーランスと自営業、個人事業主の違いは?メリット・デメリット徹底比較

副業規定の確認を忘れずに

基本的に会社員は、就業規則で定められた勤務時間以外はどのように過ごしても自由です。会社員のかたわら個人事業主として副業に取り組み、空き時間をつかって収入を得る人も大勢います。

ただし、実際に副業を始める前には会社の副業規定を確認しておきましょう。

世間的に副業は解禁・推奨の流れにあるとはいえ、副業禁止を明文化している会社や暗黙の了解で副業を疎んじる会社は少なくありません。

副業禁止の会社に勤めながら副業に取り組み、万一バレた場合はなんらかの懲戒処分を受けるおそれがあります。

副業が会社にバレるルートは、記事の後半で解説しています。あわせてご覧ください。

個人事業主になったら「開業届」を提出しよう

個人事業主として事業収入を得る活動をする場合は「開業届」を出しておきましょう。

開業届とは、税務署に自分が事業を始めたことを申告する書類です。提出しなくてもペナルティはありませんが、開業届を提出するメリットが大きいため提出をおすすめします。

開業届を出すと、最大65万円の青色申告特別控除を受けられるようになります。事業収入から最大で65万円を控除し申告できるため、高い節税効果が得られます。

また開業届提出後は、事業専用の銀行口座を作成できるようになります。事業専用口座があると資金管理が容易になり、帳簿つけにかかる時間を節約できます。

開業届に関して詳しく知りたい人は、関連記事をご覧ください。

関連記事:開業届を提出するデメリット・メリットを徹底解説!未提出の罰則はあるの?

「会社員×個人事業主」が最強といわれる6つの理由

「会社員×個人事業主」が最強といわれる6つの理由

れぞれを手にできるためです。

「会社員×個人事業主」が最強といわれる6つの理由
・収入源が複数になり、収入を増やせる
・負担が少ない社会保険に加入し続けられる
・使ったお金を経費にできる
・控除額を増やし税負担を軽減できる
・事業で赤字が出ても本業収入と損益通算できる
・独立・起業の準備や練習ができる

「会社員×個人事業主」が得られるメリットを6つの観点から解説します。

収入源が複数になり、収入を増やせる

会社員は、給与額の決定権は持っていません。会社が給与を上げてくれるのを待つばかりで、なかなか上がらない現実に意気消沈する会社員も多いのではないでしょうか。

実際、あるアンケート調査では「正社員の8割以上は給与に不満を持っている」との結果も出ています。

会社員でありながら個人事業主として事業を始めれば、給与のほかに事業収入を得られるようになります。

「会社員×個人事業主」は収入源を複数確保できるようになり、給与だけでは見込めなかった額を手にできる可能性がある点が最強といわれる理由の一つです。

関連記事:【厳選】地味に儲かる副業10選!本業並みの収入がコツコツやれば得られる

負担が少ない社会保険に加入し続けられる

日本では、すべての国民が医療保険制度・公的年金制度へ加入します。社会保険と総称される医療保険・公的年金制度の面でも、会社員×個人事業主はメリットがあります。

まず、本業として個人事業主を営む人を考えてみましょう。個人事業主は国民健康保険(ほか、介護保険)と国民年金に加入します。

加入にかかる保険料・年金は、全額自己負担です。保険料は収入に連動するため、収入が増えると保険料も増額されます。

一方、会社員は健康保険と厚生年金(ほか、介護保険・雇用保険)に加入します。

健康保険料と厚生年金の費用は労使折半、被保険者と会社とが半額ずつ負担するルールです。労使折半がある会社員は、社会保険料の負担が個人事業主より少なくて済みます。

さらに社会保険料率の算定では、副業収入は基準額に組み込まれません。

会社員×個人事業主は個人事業主として収入を得ながら、負担の少ない会社員の社会保険に加入し続けられる点がメリットです。

関連記事:サラリーマンにおすすめの副業7選|メリット・デメリットや節税対策も解説

使ったお金を経費にできる

使ったお金を経費にできる

使ったお金を経費にできる点では、個人事業主に軍配が上がります。

会社員も使ったお金を経費として計上できますが、計上できるのは仕事に必要な書籍、スーツ、資格取得のための研修費用など仕事に直結する費用のみです。

一方、個人事業主は自宅の家賃・光熱費、飲食費、消耗品の購入代などを経費として計上することが認められています(ただし条件あり)。仕事を手伝った家族に報酬を支払えば、その給与も経費にできます。

経費計上額が増えると課税対象である所得(収入-経費)を抑えられ、節税効果が得られます。

会社員として社会保険料を合法的に節約しつつ、個人事業主として多くの経費を計上できる点も「会社員×個人事業主」が最強といわれるゆえんです。

控除額を増やし税負担を軽減できる

会社員の副業収入は、収入から必要経費を除いた所得が年間で20万円以上になると確定申告が必要です。

確定申告時に個人事業主として青色申告を選択すると、最大で113万円分の控除が受けられます。

控除を受けると所得が少なくなるため、翌年支払うべき税金を抑えられます。

◎控除113万円の内訳
  • 基礎控除額 48万円
  • 青色申告特別控除額 55万円
※ e-Tax による申告(電子申告)または電子帳簿保存で青色申告特別控除額が+10万円

青色申告ではない確定申告は「白色申告」と呼ばれ、受けられる控除は基礎控除の48万円だけです。

控除額の大きな青色申告をするには開業届の提出が必要で、開業届を出すと個人事業主とみなされます。

会社員は個人事業主にもなっておくことで、確定申告時のメリットが大きくなります。

事業で赤字が出ても本業収入と損益通算できる

確定申告では本業と副業の損益通算ができます。損益通算とは、異なる収入源の利益と損失を相殺することです。

たとえば個人事業主として手掛ける事業が赤字になった場合を考えてみましょう。

会社員としての給与と損益通算して確定申告すると、事業の赤字分を本業の収入と相殺できます。損益通算によって会社から得た所得額が減る(課税対象となる所得が減る)ため、節税効果につながります。

独立・起業の準備や練習ができる

将来的に独立や起業を考えている人は「会社員×個人事業主」の期間で、本格的な独立・起業の予行演習ができます。

独立・起業すると、会社員時代とは異なるスキルが必要になります。

◎ 独立・起業で必要になるスキルの例

  • 事業主としての自覚・責任感
  • ビジネスを立ち上げノウハウ
  • 失敗を挽回するスキル
  • 財務・経理知識
  • 人間関係構築力 など

会社員×個人事業主は、会社員としての安定収入を確保しつつ実際のビジネス経験を積んでいける点でも安心感があります。

関連記事:副業から起業を目指すメリット3選!未経験者の起業アイディアの見つけ方

会社員×個人事業主を始める前に知っておきたい4つのこと

会社員×個人事業主を始める前に知っておきたい4つのこと

「会社員×個人事業主が最強なら、すぐにでも始めたい」と意気込む人もいるかもしれません。しかし、始める前に押さえておきたい注意点が4つあります。

現実的な面も理解した上で二足のわらじを始めれば、開始してから「こんなはずじゃなかった」と後悔する場面も少なくて済むはずです。

会社員×個人事業主を始める前に知っておきたい4つのことを解説します。

個人事業主は「確定申告」をしなければならない

働く人は、所得税納付額を確定するために所定の申告手続きが必要です。

会社員は、「年末調整」がこれに該当します。会社員が年末調整の用紙を提出すると、総務部や経理部が必要な処理を済ませ申告を進めます。

会社員は用紙を提出するだけで、あとは会社が申告を代行してくれます。

一方、個人事業主は毎年自分で確定申告する必要があります。申告時期は毎年2月15日~3月16日で、前年分の所得を申告します。

申告には「確定申告書(全2ページ)」の作成が必要です。控除額の大きな青色申告をするなら「複式簿記による記帳」「貸借対照表・損益計算書の作成」もしなければなりません。

個人事業主は自分で書類を作成し、確定申告する点を押さえておきましょう。

個人事業主は失業保険が受けられない

会社員は、何かの都合で会社での仕事を失ったときに失業保険の給付を受けられます。

しかし開業届を提出した個人事業主には、失業保険がありません。理由は2つあります。

  • 理由1. 失業保険を給付する雇用保険は、被雇用者をサポートするのが目的。個人事業主は事業主として人を雇う側であるため、そもそも雇用保険に加入できない。
    → 失業保険の適用外
  • 理由2. 開業届を出していると「事業がある=失業状態ではない」と見なされる。

個人事業主としての収入を確立しないうちに失業すると、本業収入も失業保険も得られない状況に陥ります。たちまち生活に困るリスクがある点を理解しておいてください。

副業が会社にバレる可能性も考慮しておく

会社に副業がバレる原因は、年末調整と確定申告にあります。

会社員は、年末調整で確定した税金を給与天引きで徴収されます。一方、副業収入は確定申告により、翌年に納付する税金額が決定します。

確定申告をすると副業収入に対する税金も給与天引きで一括徴収するよう、自治体から会社に連絡がいきます。会社が年末調整で把握した税額との差があり、副業が会社にバレる仕組みです。

副業をしている事実を隠したい場合は、確定申告時に住民税を自分で納付する「普通徴収」を選択してください。確定申告分の税金納付用紙が自宅に届くようになり、会社に知られる可能性が低くなります。

仕事時間が増え、自由時間が減る

個人事業主としての仕事は本業の就業時間以外に行います。帰宅後や休日を仕事に充てるようになり、自由時間が減る点は覚悟しておきましょう。

また個人事業主としてのビジネスに面白みを感じはじめると、休息・睡眠時間を削ってまで取り組んでしまいオーバーワークになる危険性も把握しておいてください。

会社員としての仕事と個人事業主としてのビジネスを客観的に熟考し、無理のないペースで始められるような準備が大切です。

会社員と個人事業主の兼業を最強にするコツ

会社員と個人事業主を両立するコツ

大変な場面もあるかもしれませんが、会社員と個人事業主の二足のわらじはやりがいがあり、チャレンジする価値がある働きかたです。

ただし両立するまでには越えなければならない壁やクリアすべき課題も待っています。ここでは会社員と個人事業主を両立していくために、兼業を最強にするコツを3つ解説します。

本業と副業とのペース配分を考えておく

会社員としての本業がありながら、空いた時間で個人事業主としてビジネスを進める場合、時間的な負担は無視できない問題です。

年間を通した本業の就業時間を書き出し、副業に割ける時間・ペースを冷静に考えておきましょう。残業の多い時期、繁忙期も考慮します。

本業のペースを可視化すると、「繁忙期は副業で大きな仕事を手掛けないようにしよう」「残業のない閑散期に仕事を得られるよう、計画的に営業活動をしよう」と副業のペースも考えやすくなります。

副業に関するSNSは控えめにする

SNSは、どこで誰が見ているかわからないツールです。また思っている以上に簡単に個人が特定できます。実際、人物の瞳に写り込んだ風景から撮影場所を特定し事件となったこともありました。

SNSで集客したい明確な狙いがある人以外は、副業に関する投稿はあまり載せないほうが無難です。

副業が会社にバレたくない人は、とりわけ注意しましょう。副業に関して投稿すればするほどバレる危険度が高まるためです。

家族やパートナーの理解を得ておく

個人事業主として副業を始めると、本業以外の時間を仕事に割く機会が増えます。これまで一緒に過ごしていた家族やパートナーとの時間減少に直結するため、事前に理解を得ておきましょう。

個人事業主としてのビジネスが成功すれば経済的・時間的豊かさを得られることや、実現したい夢を語り明るい未来を共有するなどすると、理解を得やすくなります。

「家族と過ごす時間をあらかじめ決める」「子どもの学校行事には顔を出す」などルールを決めるのもおすすめです。

会社員×個人事業主が最強になる人・ならない人

会社員×個人事業主が最強にならない場合がある

多くの人にとって、会社員と個人事業主それぞれのメリットを享受できる「会社員×個人事業主」は最強の働きかたです。

しかし、この組み合わせが最強にならない人がいる点も最後に押さえておきましょう。

「会社員×個人事業主」が最強にならないタイプを解説します。

「会社員×個人事業主」がおすすめできない人

「会社員×個人事業主」は、あくまで会社員が本業です。働く時間の大半を費やすのは、本業であり、多くの会社員は平日の日中から夜にかけてが本業の勤務時間です。

つまり個人事業主のビジネスができるのは、夜間や休日になります。

では、以下のビジネスを個人事業主として手掛けたい場合を考えてみましょう。

  1. 店舗ビジネス:自分が店主となり、お店を営みたい
  2. 起業:副業ではなく、本腰を入れて事業を興したい

1のケースは、店頭に立ちたいまさに同じ時間に会社員としての仕事があります。

また本格的な事業は片手間でできるほど軽くはないため、2のケースだと二兎を追ったあげく失敗する可能性も考えられます。

もし店舗ビジネスや本格起業をしたいならば、成功ノウハウを学び一気に始めるのがコツです。

たとえばフランチャイズビジネスなら体系化され再現性の高い成功ノウハウを余さず教えてもらえます。初めての起業・開業でも最短距離で成功に近づける可能性が高いでしょう。

関連記事:フランチャイズのメリット・デメリット│FC業界のプロが解説

会社員でいる間に開業・起業準備を進めよう

会社員のメリットは「安定した収入が約束されている」「社会保険をはじめとした手厚い保障がある」点です。

いずれ独立・起業を考えている場合でも、会社員のメリットを利用しない手はありません。

会社員として生活の心配をせずにいられるうちに、独立・起業に必要な勉強・準備を進めてみてはいかがでしょうか。個人事業主になり、できるビジネスを始めてみるのも独立準備の1つの方法です。

実際に独立・起業する前にやっておきたいことはたくさんあります。まず勉強と準備をすすめ、目途がたったところで一気呵成に独立・起業しても遅くはありません。

関連記事:独立開業におすすめの業種16選!必要な資格・資金・成功のコツを紹介

会社名×個人事業主は最強説のQ&A

会社名と個人事業主の最強ワザに興味のある人がよく抱く質問に回答します。

会社員と個人事業主を両立したら年末調整はどうなる?

年末調整は、今まで通り行われます。会社側が所得税の税額計算を実施します。同時に、副業の収入が20万円を超えた場合には、確定申告をしなければなりません。

会社員と個人事業主を兼業したら社会保険はどうなる?

会社員が個人事業主を兼業しても、社会保険の手続きを変更する必要はありません。

会社を退職すれば、国民健康保険・国民年金保険に加入しなければなりません。しかし、兼業であれば、会社員として健康保険や厚生年金への加入を継続できます。

会社員の副業は個人事業主として確定申告すべき?

個人事業主の収益が赤字の場合、支払う税金がないため、確定申告は不要です。青色申告をすれば、赤字を繰り越すことも可能です。また、最大65万円の特別控除も受けられます。

まとめ

まとめ

会社員と個人事業主、双方のメリットを受けられる「会社員×個人事業主」は、副業でビジネスをしたい人にとっては最強の働きかたです。

生活の基盤は確保しつつ、複数の収入源を確保できるためです。得た収入は確定申告する必要がありますが、損益通算や赤字繰り越しなど確定申告ならではのメリットも利用できます。

一方で「副業ではなく本業並みにビジネスをしたい」「自分の店を構えて開業したい」と思う人は、副業レベルを超えた準備が必要です。会社員として生活の保障があるうちに、独立・開業に向けた勉強を進めましょう。

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DokTech編集部
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