これから伸びる10業界!今後縮小する業界と将来性のある資格も紹介
更新日:2023.10.6
投稿日:2023.3.31
コロナに翻弄されたここ数年、企業の業績も激しく浮き沈みしました。またリモートワークや自社の業績悪化をきっかけに、自分のキャリアを再考した人も多いのではないでしょうか。
収入・キャリアのアップ、将来性に対する不安の払拭などを理由に転職を考える人が気になるのは、「いったいどの業界が伸びるのか」「どの業界なら安心できるのか」の点に尽きるはずです。
本記事ではビジネスの最前線で独立や起業・開業を支援し続けるDokTech編集部が、独自の切り口でこれから伸びる10業界を紹介します。
あわせて「廃れる業界」「伸びる人の共通点」「身につけるべきスキルや資格」もまとめました。これから伸びる業界を知りたい、チャレンジしたい人は必見です。
目次
これから伸びる業界の特徴3つ
これから伸びる業界を調査すると、今後ビジネストレンドに乗る可能性のある業界には、3つの共通点が見られました。
- アフターコロナの時代に儲けられる
- テクノロジー・ITトレンドにマッチしている
- 消費トレンドを捉えてる
具体的な業界名を紹介する前に、これらの共通する要素を解説します。
アフターコロナの時代に儲けられる業界
コロナ後の時代でも売上を見込めることが、これから儲かる業界の条件です。
2020年から始まったパンデミックは、私たちの生活を急激に一変させました。非対面型コミュニケーションやオンラインでの消費行動は、変化の代表例です。
一方で、パンデミックは“コロナ特需”も生み出しました。
マスク・消毒薬をはじめとする感染予防商品を扱うドラッグストアやホームセンター、食料品を主とする在宅関連消費を扱うスーパーマーケットが業績を伸ばした事実もあります。
3年もの間続いたコロナ禍もいよいよ終わり、アフターコロナの時代が始まろうとしています。すでにコロナ特需の反動は始まっており、スーパーマーケット業界では業績の悪化や倒産が相次いでいます。
いつまでもコロナ禍で生じた追い風に乗り続けることは困難です。
縮小しつつあるマーケットに頼り続ける業界は、これから伸びません。新しい時代にいち早く順応し、先取りできる業界こそ伸びが期待できます。
テクノロジー・ITトレンドにマッチした業界
ロボットやAIの普及が進んでいます。
農林水産省によると、世界中のあらゆる産業で産業用ロボットの利用が伸びているとわかっています。日本も例外ではなく、2011年~2020年の9年間で普及率が1.5倍に上昇しました。
学習機能を備えたAI搭載型ロボットの市場も、2026年まで年38.6%の勢いで成長すると見る調査会社もあります。
(参考:第3章 ロボット普及状況|農林水産省)
ロボットやAIの普及をはじめとする、テクノロジー・ITトレンドにマッチしているかどうかも、これから伸びる業界を見極めるヒントになります。
テクノロジーに代替できない「ヒトならではの業界・仕事」も期待できるでしょう。あるいはテクノロジーの普及やDX化を推進する業界もおすすめです。動画やSNS、ECなどWebを基盤にしたサービスも伸びると考えられます。
今までのやり方に固執せず、潮流を捉えた業界がこれから伸びていきます。
消費トレンドを捉えた業界
消費者の行動や嗜好は変わり続けます。これから伸びるのは常にトレンドをキャッチアップし、変化を続けられる業界です。
成功例を2つ紹介します。
ドラッグストア
1つ目は、スーパーマーケットおよびコンビニと競合するまでになったドラッグストアです。
ドラッグストアは「利便性の良い場所で」「豊富な品物を」「低価格で買いたい」との消費行動を捉えたビジネスモデルです。
その結果、利便性は良くても価格が高いコンビニの特徴を敬遠した消費者がドラッグストアに流れました。
また食料品以外にもさまざまな買い物が1店舗で済む手軽さで、スーパーマーケットからも顧客が移行しています。
百貨店(OMO型店舗・ショールーミングストア)
成功例の2つ目は、実店舗をショールームと割り切った百貨店です。
「OMO型店舗」「ショールーミングストア」とも呼ばれます。店頭ではサンプルのみが展示され、ネットでの購入に誘導するビジネスモデルです。
店頭でAIカメラや接客スタッフの情報からマーケティングデータを収集、ネット販売の改善に生かし収益を上げる構造です。
2つの例のように消費トレンドを先取りし、売れるビジネスモデルを自ら生み出せる業界がこれからも伸びていくでしょう。
これから伸びる業界10選
いよいよ、これからの伸びる業界を具体的に紹介します。
- IT業界
- インターネット広告業界
- 電子部品・半導体製造業界
- ロボット・AI業界
- EC業界
- 倉庫・物流業界
- エンタメ業界
- 医療・介護業界
- 宇宙開発業界
- メンタルヘルス業界
これらの紹介する業界はいずれも、前述した共通点を満たしたものばかりです。希望する業界や興味のある業界を探しながら、じっくり読んでみてください。
関連記事:これから儲かる仕事ランキング|未経験でも副業・起業で稼げる職業とは
IT業界
IT業界はどの業界にもかかわりが深い業界です。ITを必要としない業界はなく、当分のあいだは安定的に伸びると期待できます。
IT業界には次の5つの分野が含まれます。
通信インフラ | インターネット通信サービス、プロバイダ など |
ソフトウェア | OS、アプリ、ゲームソフト など |
ハードウェア | パソコンと周辺機器、スマホ、ゲーム機 など |
情報処理 | システム開発や運営・保守、AI、ビッグデータ解析 など |
インターネット・Web業界 | Webコンテンツ、インターネット広告、EC、SNS、ソーシャルゲーム など) |
とりわけサイバーセキュリティは、世界で年率10%以上の成長予測が立つほど、ニーズが高い分野です。
サイバー攻撃(サイバーテロ)は複雑化の一途をたどっており、常に最新にアップデートされた対応が欠かせません。国・官公庁から企業、個人までニーズがある点でも、伸び続けると考えられます。
インターネット広告業界
デジタルマーケティング(インターネットを利用するすべてのマーケティング)は、成長いちじるしい分野です。
オンラインで提供されるサービスは増え続けており、その動きに伴ってインターネット上のマーケティング活動もますます活発化しています。
なかでもインターネット上に広告を出稿するインターネット広告業界は、これからますます伸びると見られています。
総務省の発表によると、2021年にはマスコミ4媒体(テレビ、新聞、雑誌、ラジオ)の広告料(2兆4,538億円)をインターネット広告料(2兆7,052億円)が初めて上回りました。
(引用:総務省|令和4年版 情報通信白書|広告)
マスコミ4媒体の優先度がまだ高く、「インターネット広告は余った予算で」と考える企業もあります。しかし徐々にインターネット広告のメリットも認知されはじめています。
◎ インターネット広告のメリット
- テレビを見ない層にも訴求できる
- 情報の拡散が期待できる
- 実際の行動につながりやすい
インターネット広告の強みが知られるにつれて出稿する企業も増え、インターネット広告業界の盛況は続くでしょう。
電子部品・半導体製造業界
パソコンやスマホ、家電、電気自動車など、あらゆる機械の一部に電子部品や半導体が使われています。
しかし、現在は世界的な電子部品・半導体不足に陥っています。社会のIT化に伴い需要が爆発的に増える一方で、供給できる量が限られているためです。
とりわけ深刻なのは半導体の不足です。コロナ禍でリモートワークが進み半導体の需要が急激に高まった一方で、工場は増産できない状況に陥っています。
また不運にも異常気象が世界各地の半導体工場を直撃し、被害を与えたことも影響を及ぼしました。
長期の需要が見込める
半導体が不足し続けた結果、工場や港には半導体がないために出荷できない自動車やスマートフォンが山積みになっているといいます。
半導体不足の状況を受け、国内の半導体メーカーは安定供給を目指して増産投資を続けています。海外資本の国内半導体会社への投資も多く、実際に量産を始めたメーカーもあります。
半導体は現代のあらゆる場面で不可欠です。需要がなくなることはなく、今後も伸びていくと期待できます。
ロボット・AI業界
近年、ロボットやAIが急速に普及しています。
各産業では工場での組立や溶接、塗装などを手掛ける「多関節ロボット」が活躍し、物流や警備、医療、農業などの業界では人に代わってサービスを提供するAI搭載ロボットが増えています。
また愛玩ロボットと呼ばれる「ロボット型ペット」も相次いで開発されています。
ファミリーレストランで猫型の配膳ロボットに食事を運んでもらい、「働き者だね」「頑張ってるね」と感じた経験がある人もいるのではないでしょうか。
いまやロボットは、私たちの生活に欠かせない存在です。ドローンも私たちの生活に身近なものとなっています。
労働人口の減少の影響
また、国内の労働人口の減少もロボットの普及を後押しします。足りない人手を補うために、ロボットの手が必要になるためです。
学習機能を備えたAIを搭載したロボットが進化すれば、スキルと習熟が必要な職人の手仕事さえもロボットが担うようになるかもしれません。
ニーズが高まり続けるロボットとAIは、これからますます成長する業界です。
EC業界
コロナ禍でさらに躍進したEC業界(Electronic Commerce・ネット通販、ネット取引)も、引き続き伸びが期待できます。
経済産業省によるとBtoC(消費者向け電子商取引)市場規模は20.7兆円に達しています。グラフを見ても、市場が堅調に拡大していることがわかります。
(引用:電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました (METI/経済産業省))
インターネット上で取引するEC業界は、同じくインターネットサービスの基盤をつくるIT業界と相性が良く、テクノロジーの進化とともに新しいサービスが次々と生まれています。
消費者を飽きさせず、消費意欲を喚起し続ける工夫に満ちたEC業界は今後も成長していくでしょう。
また年々複雑化するEC業界をサポートする仕事も、続々登場しています。
ECショップの売上最大化を支援する「ECコンサルタント」をはじめ、ショップの業務負荷を軽減させる「EC自動化ツール」、複数ECモールへの広告出稿を容易にする「データフィードツール」など、挙げればきりがありません。
ECは出店する側、出店・運営を支援する側のいずれでも、伸びが期待できる業界です。
倉庫・物流業界
EC業界の拡大に伴って伸び続けているのが、倉庫・物流業界です。
24兆円規模に達する物流業界の今後を考える上で注目すべきは、荷物の小型化が進んでいる点です。
(引用:物流を取り巻く動向について(令和2年7月)|経済産業省)
やや古いデータにはなりますが、調査年毎に0.1トン未満の小型貨物が増えています。ECを中心としたBtoC取引が活発になり、個人宛の荷物が増えたためと考えられます。
実際、小さめの荷物を配送する宅配便の取り扱い個数は、EC市場の拡大と比例するように加速しています。
(引用:令和3年度 宅配便等取扱個数の調査及び集計方法|経済産業省)
一方の倉庫業界の市場規模を見てみましょう。倉庫業界の市場規模は、2022年度の3兆7,060億円から堅調に拡大を続け、2027年度に4兆1,618億円に達するとの調査結果があります(2022年度比成長率12.3%)。
(参照:倉庫 業界の今後の動向 2027年までの市場規模をAIで予測|XEND BRAIN)
ECには「商品を保管する倉庫」「商品を配送する物流」が欠かせないため、EC業界の拡大に応じて物流・倉庫業界も伸び続けると予測できます。
ただし物流・倉庫業界は人手不足が問題となっています。今後数年以内に24万人ものトラックドライバーが不足するとの試算もあり、DX化や効率化が課題です。
国は法律を整備して、物流業務の効率化に乗り出しています。物流業界は輸送の面でも伸びが期待できるほか、効率化支援の面からも可能性がある業界です。
関連記事:人手不足で儲かる仕事8選!未経験でも採用されやすい業界も紹介
エンタメ業界(動画・ゲーム)
エンタメ業界とは、人を楽しませる産業の総称です。
◎ エンタメ業界に含まれるサービス(一例)
- サブスクリプション(定額)の動画配信サービス(Netflix、Amazon Prime Video、Hulu、Disney+ など)
- YouTube
- ゲーム(ビデオゲーム、コンピューターゲーム、スマホゲーム など)
オリジナルドラマを制作し爆発的な人気を集めるプラットフォームや、著名人・アーティストとコラボレーションしたオリジナルコンテンツを配信するサービスなど、各社個性的な内容で人気が高まっています。
またエンタメ業界はVRやメタバース、NFTなど新技術の導入にも積極的です。今後も新たな市場開拓と伸びが予測されます。
ただし、メディアの多様化により過当競争に入りつつあるともいわれます。
注目を集めるだけの過激な動画や質の低いコンテンツは敬遠される動きもみられるようになりました。これからエンタメ業界を目指す場合は、消費者に愛される良質な配信を続ける企業がおすすめです。
医療・介護業界
少子高齢化の影響で、医療・介護業界にも追い風が吹いています。日本の高齢者人口は今後も増え続ける予測が出ており、医療・介護業界への高いニーズは続くでしょう。
(引用:統計局ホームページ/令和4年/統計トピックスNo.132 統計からみた我が国の高齢者-「敬老の日」にちなんで-/1.高齢者の人口)
医療や介護を含むヘルスケア分野は、GAFAも積極的に投資を行っています。
- Google:2022年に医療機関向けのAI技術「Medical Imaging Suite」を発表。
- Apple:iPhoneやApple Watch内蔵アプリによるヘルスケア事業を推進中。
- Amazon:ウェブサイトや専用アプリから処方薬の注文と配送が可能な「Amazon Pharmacy(Amazon薬局)」をスタート。
- Facebook:予防医療サービス「Preventive Health」をスタート。
また核家族化や共働き家庭の増加などを理由に、高齢者の自宅介護が難しくなっています。介護業界は、2025年には20万人の人手不足に陥るともいわれています。
長寿化や健康寿命意識の高まりなどを要因に、医療・介護業界はこれからも伸びていくでしょう。
関連記事:訪問介護の独立開業|一人でも準備はできる?開所に必要な条件と資金を解説
宇宙開発業界
世界の大企業がこぞって進出しているのが宇宙です。宇宙産業は2020年の43兆円規模から、2040年には120兆円規模に達すると見られています。
(参照:宇宙ビジネスと現在と未来 「宇宙を利用する」発想で事業開発を | 2021年12月号 | 事業構想オンライン)
近年の例では、イーロン・マスク氏が経営する宇宙開発企業「Space X」が、2020年に民間で初めて国際宇宙ステーション(ISS)への有人飛行を成功させました。
同企業は2021年10月に評価額が100億ドルを突破しています。
Amazon創業者として有名なジェフ・ベゾス氏は宇宙開発企業「Blue Origin」を創設し、2021年7月に初の有人宇宙飛行を成功させています。
有人飛行以外では、通信や放送に利用される衛星サービスも利用拡大が見込まれています。
宇宙に進出するのはまだ夢でも、宇宙を「利用する」と考えればどの業種にも新規事業開発のチャンスがあります。
小惑星リュウグウからのサンプルリターンに成功した「はやぶさ2」に使われていたネジは、埼玉県の小さな町工場「キットセイコー」が作成したものです。
さまざまな宇宙開発へのかかわり方があるとわかる、良い例です。
メンタルヘルス業界
社会構造や人間関係、経済的不安定、さらに健康やストレスなど、さまざまな要因で人はメンタルに不調をきたします。
2017年のWHO(世界保健機関)による発表では、何かしらのこころの病気を抱える人は7億9,200万人以上に上るとのされています。
(参照:Mental Health – Our World in Data)
メンタルヘルス業界とは、人の力やテクノロジーの力でこころの病気に悩む人を助けサポートするサービスの総称です。セラピー、ピアサポート(悩みの共有)、コーチング指導などさまざまな手法があります。
こころの病気にかかる人の増加に伴い、メンタルヘルス業界も成長を続けています。世
界では2021年から2030年にかけて年平均成長率3.5%で成長し、2030年の市場規模は5,379億7千万ドルを突破するとの予測もあります。
(参照:Mental Health Market Size, Share| Key Analysis | Forecast – 2030)
日本も例外ではありません。メンタルヘルスを主に担うカウンセラーの市場規模は300億円ともいわれます。
心に悩みを持つ人が利用する「占い市場」をメンタルヘルスの潜在市場と考えると、占い市場の規模は2兆円を超えます。
(参照:オンラインカウンセリングとメンタルヘルスケア | イベント報告 | IHS 東京大学 多文化共生・統合人間学プログラム)
こころの病気は心身にさまざまな悪影響を及ぼし、別の疾患の原因になる場合もあります。
健康寿命やストレス予防などの考え方の一般化に伴い、人の心身を守るメンタルヘルス業界は世界的に発展が予測される業界です。
関連記事:【女性版】これから需要が増える仕事14選|将来性のある仕事の特徴は?
今後縮小が予測される4つの業界
残念ながら、今後は縮小が予想されている業界もあります。この章では、これから市場が衰退していくと考えられる業界に共通する要素を抽出し、まとめました。
- コロナ特需の影響が大きかった業界
- 実店舗で対面販売する業界
- 時代の流れに対応できない業界
- 消費者のほうを向いていない業界
具体的な業界名は、それぞれの項目で解説しています。縮小が予想される4つの業界を、詳しく解説します。
コロナ特需の影響が大きかった業界
コロナ特需の影響を強く受け、受注体制や社内体制をコロナ仕様にしすぎた業界は今後伸びは期待できないでしょう。
特需はいつまでも続かないためです。コロナ特需に沸いた業界は、アフターコロナに適応できるかどうか瀬戸際を迎えています。
コロナ特需の影響がとくに大きかったのは、フードデリバリー業界です。
外出自粛や密回避を理由に、多くの利用客が外食からデリバリーに流れました。まだまだ需要がある業界のイメージがあるかもしれません。
デリバリーサービス企業の売上減少
しかし、コロナが落ち着きを見せ始めた2022年、国内最大級のデリバリーサービスを展開する出前館は296億円の営業損失を含む赤字決算を発表しています。
株式配当も3期連続の無配となりました(2022年8月期第3四半期連結決算)。
またおなじ2022年、米国のデリバリーサービス大手である「DoorDash(ドアダッシュ)」も日本撤退を決めています。
これはアフターコロナの社会で、社会活動が本格化するにつれてデリバリー需要が鈍化したのが要因です。
コロナ禍に適応しすぎた業界は、急ピッチでの変革ができない限り衰退していくでしょう。
実店舗で対面販売する業界
「インターネットでの売り買いが当たり前になった」「モノよりサービスに予算を費やす消費者が増えてきた」などを要因に、実店舗での対面販売が減少傾向にあります。
アメリカでは「2025年までに10万店の実店舗が閉店する」との予測も出ています。
とくに厳しいといわれるのが、アパレル業界です。実店舗の主要な出店先であるデパートや百貨店の閉店ラッシュに比例して、店舗数が減少しています。
またコンビニエンスストアは、店舗数が増えすぎ市場の伸びが頭打ちになっています。
「実店舗で製品をチェックし、実際には店舗より安いネット通販で購入する」消費者の行動が定着し、店舗がショールーム化した家電量販店も厳しいでしょう。
実店舗での販売にこだわり続ける業界は、衰退する可能性があります。
時代の流れに対応できない業界
「今後廃れる業界」と検索すると、出版やテレビ、金融、士業などの業界がヒットします。なぜでしょうか?
これらの業界はあまりに巨大化しすぎて組織が硬直し、時代の流れに柔軟に対応しにくくなっているためではないかと推測できます。
時代は変化します。テクノロジーは進化し、消費嗜好も変わり、常に新たなニーズが生まれるのが現代です。
再編と淘汰が激しい現代で、旧態依然とし続けざるをえない業界は、抜本的な改革や画期的な対策がないと伸びる可能性は見込めないのではないでしょうか。
出版やテレビ、金融、士業などの業界が厳しいのは、業界全体の問題です。
一社員がどんなに頑張っても、根本的な解決は難しいでしょう。急な市場の縮小は現実的ではありませんが、時間をかけて衰退していくことが予想されます。
消費者のほうを向いていない業界
いつの時代も、商売はお客様あってこそ成り立ちます。しかし近年はお客様を軽視し、儲け主義に走っているのではと感じる業界が散見されます。
一過性のブームでひと儲けしようとする業界は、後を絶ちません。大量閉店やフランチャイズ契約のトラブルで揉めた高級食パンは、その一例です。
商売の基本である「安全・安心」を無視した例もありました。
温泉のお湯を年に2回しか交換せず、基準の3,700倍ものレジオネラ属菌を検出させた老舗温泉旅館のニュースは、記憶に新しいのではないでしょうか。
消費者を無視した姿勢で商売を続けても、今後伸びては行かないでしょう。
SNSで一気に炎上・拡散する時代
一方で同じ高級食パンでも、品質や接客に手間暇をかけているブランドでは閉店がありません。
トラブルがあっても、誠実な対応があれば新たな信頼を獲得できます。炎上動画で注目されたものの、その後の対応の真摯さと迅速さが評判となったスシロー・くら寿司は良い例です。
SNSで一気に炎上・拡散する時代です。信頼を損ねる行動は、すぐに広まり企業の致命傷となる一方、「お客様に誠実であれ」との商売の基本を徹底する業界は支持され続けるでしょう。
これから伸びる業界で成功できる人の共通点3つ
これから伸びる業界で成功できる人の共通点を3つ紹介します。
- スキルを「かけ算」で考えられる
- 伸びる業界を嗅ぎ分ける貪欲さがある
- 決断力と行動力がある
これから伸びる業界で活躍するためには、あなた自身が「伸びる人」でなければなりません。伸びる業界にある企業は成長意欲が高く、企業の成長に貢献してくれる人を求めるためです。
業界と企業の将来性に胡坐をかくことのないよう、この章で「伸びる業界で成功できる人の共通点」を押さえておきましょう。
スキルを「かけ算」で考えられる
逆説的に聞こえるかもしれませんが、これから伸びる業界で活躍できるのは「業界の将来性に頼らず、個人のスキルを生かせる人」です。
現代は「先が見えない時代」といわれます。安泰と思われていた業界が急に傾き、一気に転落するのも珍しくありません。業界に頼りしがみつく姿勢は、自ら不安定を取りにいってるようなものです。
極端な話をすれば、業界がどうなろうとも生き残れるスキルがあれば良いのです。スキルを活用すれば、仕事の生産性も上がり、成長や前進ができます。
スキルをかけ算すると強みが見つかる
一つひとつのスキルが小さくても、かけ算をしてみてください。自分にしかない強みを見つけられるでしょう。
リサーチが得意で英語ができるなら、特許の国際申請者などニッチな業界で活躍できる可能性があります。
わかりやすくまとめるのが得意な人がゲーム業界を志望した場合、ゲームデバッカー(開発中ゲームのバグ調査や修正をする仕事)の職業に就けるかもしれません。
かけ算の数だけ可能性が生まれます。自分のスキルを棚卸しし、かけ算をしてみましょう。スキルをかけ算して活躍する映像クリエイターの事例を、以下の記事で紹介しています。
☑「私は寿司とカメラで旅をする」生き様を届けに挑戦し続ける若き映像クリエイター
伸びる業界を嗅ぎ分ける貪欲さがある
「果報は寝て待て」のことわざは、現代のビジネスシーンでは通用しません。
ニュースやトレンド情報を積極的に収集し、自分なりに咀嚼して分析し、将来性が望める業界を「自分から」探す貪欲さに満ちた人こそが、これから伸びる業界が欲しい人材です。
これから伸びる業界は「生き馬の目を抜く」勢いで成長していきます。
効率と成果を求められ、毎日が目まぐるしく過ぎていくでしょう。そんな中で、マイペースに仕事をしていては置いて行かれるばかりです。
さっそくニュースや業界情報をチェックし、伸びる業界を自ら嗅ぎ分けて見てください。DokTech編集部が配信するメルマガでビジネストレンドをキャッチアップするのもおすすめです。
決断力と行動力がある
どの業界でも成功する人は、決断力と行動力を持っています。
理由はシンプルで、優先順位の高いことを判断して行動しないと、未来は変わらないと知っているためです。
情報収集は大切ですが、収集した情報に基づきアクションを起こさなければ、伸びる業界も自身の成長も手に入りません。
現代は、昔ほど転職がネガティブに思われない時代です。期待できそうな業界が見つかったら「試しに転職してみる」感覚で、フットワーク軽く動いてみてください。
もし合わなければ、つぎの可能性を探すだけです。学んで満足せず、動く力が重要です。
フリーランスや独立・起業の道を選び、自分の力を試す選択肢もあります。伸びる業界をつかめるかどうか、それは自分にかかっています。
2023年1月、Googleが「全世界で約12,000人の従業員を解雇する」との大規模リストラ計画を発表しました。もちろん、Googleの日本法人も対象です。 (参照:グーグル社員が労組結成 大規模リストラ発表受け – 産経ニュース) またX(旧Twitter)やMicrosoft、zoomなどのIT大手企業も、リストラを予定しています。 「大企業だから」「IT業界だから」「いまも、これからもきっと安泰」…とは言えなくなっている現実を冷静に押さえてください。 これから生き残るためには、業界や企業がどうなっても大丈夫と思える自分になることが大切です。スキルを高め、自分の力だけでも世の中を渡っていける状態を目指してみましょう。 |
これから伸びる仕事で役立つ3つのスキル・資格
これから需要が増える仕事で役立つ3つのスキルと資格を紹介します。
- IT分野の知識・スキル
- ビジネスレベルの英語力
- お金(財務・会計・投資など)に関する知識
日頃、仕事に忙殺されてスキルや知識の習得が後回しになっていませんか。伸びる業界を探したきょうをきっかけに、どの職業・職種でも役立つ3つのスキルを身につけましょう。
これからも需要が増え続ける、どの仕事でも役立つスキルを解説します。併せて、これからの仕事に武器として役立つ資格も紹介します。
IT分野の知識・スキル
今後も需要が増え続けるIT業界で生きる知識やスキルは、身につけておいて損はありません。エンジニアやディレクターとして、IT企業への転職はもちろん、独立や起業でも大いに生きます。
IT分野で役立つスキルの例は、以下のとおりです。
◎ スキル
- プログラミング
- Webデザイン
- デジタルマーケティング など
◎ 資格(初心者向け)
- ITパスポート
- 基本情報技術者 など
◎ 資格(上級者向け)
- 応用情報技術者
- 情報セキュリティスペシャリスト
- システムアーキテクト など
ビジネスレベルの英語力
どの業界でも、ボーダーレス化が進んでいます。英語力はぜひ身につけたいスキルの一つです。
英語ができると海外との取引が多い企業や英語を社内公用語にする企業も転職先の候補となり、可能性がさらに広がります。
仕事で使う場合は、ビジネスレベルの英語力習得を目指しましょう。日常の取引やコミュニケーション、会議、プレゼンテーションなどを卒なくできる状態が目標です。
英語力の客観的評価を示すために、英語の資格・スコアの取得もおすすめです。ビジネスで生かせる英語の資格には、以下があります。
- 日商ビジネス英語検定
- 国連公用語・英語検定
- Linguaskill Business
- TOEIC
- GCAS など
なじみのある英検(実用英語技能検定)なら、準1級以上の取得が望ましいです。
お金(財務・会計・投資など)に関する知識
どの業界でも役立つのは、会計や経理などお金に関する知識です。
会計や経理を学ぶと企業のお金の動きに詳しくなるだけでなく、個人のライフプランや資産運用にも役立ちます。
もし資産運用でFIRE(Financial Independence, Retire Early・経済的自立、早期リタイア)を目指すなら、お金の知識は必須です。
ただ金融教育が盛んとはいえない日本では、お金の勉強を始めるきっかけがなくつい先延ばしにしてしまう人も多いかもしれません。きっかけがない場合は、資格取得を目指してみましょう。
お金に関する資格は、難易度も内容もさまざまです。以下に、主な資格を取得しやすい順に並べました。参考にしてみてください。
- FP3級
- 簿記3級
- 年金アドバイザー3級
- 相続アドバイザー3級
- マネーマネジメント検定
- FP2級
- 簿記2級
- 社会保険労務士
- 中小企業診断士
- 公認会計士
本格的にビジネスで役立てるには、税理士やUS CPA(米国公認会計士)の資格もおすすめです。
これから伸びる業界で生き残るには独立や起業も視野にいれよう
これから伸びる業界で生きていくために、独学・起業を目指すことをおすすめします。
正社員として、これから成長する業界や会社に転職するのも1つです。成長分野の求人は多く見るかり、企業の採用意欲も高いでしょう。
ただし、企業に雇用される限り、自分の意志にかかわらず所属する企業・業界の動向や環境に影響されます。
「自分はやる気があるのに、周りとの温度差がありストレス」「意気揚々と転職した途端に業績悪化」など、思い通りにいかないケースも少なくありません。
業績好調の大手IT企業でもリストラに遭う可能性もあるのが、これからの時代です。雇用される働き方に不安がある人は、思い切って独立や起業を視野に入れてみてはいかがでしょうか。
自分の実力で勝負する世界は「完全に自分の裁量だけで仕事をしたい」「スキルを伸ばし、自分の能力で稼ぎたい」「年収を底上げしたい」人に、とくにおすすめです。
やりたいことや起業アイデアが思いつかないが起業したい場合は、ビジネスモデルと運営方法を与えてもらえるフランチャイズがぴったりです。
フランチャイズビジネスに関して詳しくは、以下の記事もご覧ください。
関連記事:これから伸びるフランチャイズ7業種!将来性があるおすすめの分野は?
まとめ
これから伸びるのは、変化が激しい時代にスピーディーに対応でき、消費者に価値と誠実さを提供し続けられる業界です。そんな業界で成長できる人とは柔軟な思考を持ち、行動できる人でしょう。
記事では「これから伸びる業界」と題して10業界を紹介しました。しかし、紹介した業界がすべてではありません。ぜひ主体的かつ貪欲な姿勢で、伸びる業界を見極めて行ってください。
伸びる業界を見つけるためには、良質な情報収集が大切です。
ビジネス支援や独立・起業の専門家として最前線にいる「DokTech編集部」では、定期的に業界情報を発信しています。
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