倒産を招く原因は人材不足!社員が離職しやすい職場によくある特徴

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倒産を招く原因は人材不足!社員が離職しやすい職場によくある特徴

更新日更新日:2023.10.3

公開日投稿日:2022.11.22

「なぜうちの会社は社員が定着しないのだろう・・・」

そうお悩みの経営者の方も多いのではないでしょうか。

社員が離職するたびに新たな採用コストがかかり、ようやく良い人材が採れたと思ったら、またすぐに辞めていく・・・。そんな悪循環に陥っている会社は、一度自社の体制を省みる必要があります。

原因を探り早急に対処しなければ、日々の業務を回せなくなり、会社が倒産に追い込まれる可能性もあります。

そこで今回は、「いかに社員の離職を防ぐか」に焦点を当てます。当サイトの運営元であるRYD株式会社は、長年児童福祉の分野でフランチャイズ事業を展開してきました。加盟店のオーナー様が職員の離職に悩まぬよう支援を行ううち、数多くのノウハウが蓄積されました。

社員が離職しがちな会社には、

・社員が大切に扱われない職場環境
・経営者の認識の甘さ

という共通の特徴があります。その特徴を具体的に知り、離職を防ぐ手立てを講じれば、社員が長く働ける会社に変革できます。

社員が定着する仕組みを構築し、人材不足に悩まない会社をつくりあげましょう。

目次

社員の離職・倒産を招く職場と経営者の特徴

社員の離職・倒産を招く職場と経営者の特徴

社員が定着する仕組みを構築するには、まず離職を引き起こす原因をはっきりさせましょう。原因がはっきりしなければ、なにから取り組むべきかわかりません。

社員は仕事に不安や不満を感じれば離職します。

たとえば、

  • 仕事があわずに楽しくない、やりがいを感じられない
  • 仕事量が多くストレスが溜まる
  • 会社から仕事に対する正当な評価を得られない
  • 会社にいても将来が見とおせない

などがすぐに思いつく理由でしょう。

しかし、これらが離職理由のすべてかと言えば、そうではありません。経営者からすると耳の痛い話かもしれませんが、経営者の姿勢こそが離職を生む可能性もあるのです。

そこで、この章では離職を引き起こす要因を、

  • 職場環境
  • 経営者の特徴

の2つにわけて説明します。

それぞれの具体的内容を知り、自社に該当する項目がないか確認しましょう。万一思い当たるものがあれば、早急に改善策を練らなければなりません。

また現在一つも該当する項目がなくても、離職を引き起こす要因を覚えておくことは、健全な経営を維持する上で大切です。

時折ここに挙げられた要素がないか自社を顧みるだけでも、健全な経営に役立ちます。

社員が離職しやすい職場環境

経営者の中には、社員の離職理由を掴みきれていない方も多くいらっしゃるでしょう。自己都合退社の多くは「一身上の都合」で済ませられるからです。

これではなにを問題視した離職か見えてきません。改善点もわからないままです。

内閣府が平成30年に「就労等に関する若者の意識」調査(注1)を行い、「初職の離職理由」を統計に取っています。

それによると離職理由のトップ3は、

1位:仕事が自分にあわなかったため
2位:人間関係が良くなかったため
3位:労働時間、休日、休暇の条件が良くなかったため

です。

私たちが自社やフランチャイズ加盟店の傾向を分析しても、同じ傾向です。この3つを検証することで、自社の問題点をあぶり出せます。

入社前に仕事観やビジョンのすりあわせを行わない

社員を採用するときに、あなたはなにを基準にしますか?

もしも

  • 学歴
  • 職歴
  • 資格

で適合性を判断するのなら、それは間違いです。入社後にミスマッチがわかり、早期の離職に繋がりかねません。

書類上の情報だけで人は判断できません。大切なのは、会社の考え方や、職場の雰囲気にあった人を採用することです。そのため、面接時にお互いに率直な意見を出しあいましょう。

<会社が応募者に伝えるべきこと>

  • 会社のビジョン
  • 求める人材像
  • 社内の雰囲気
  • 採用することで、応募者の人生をどう豊かにできるか

<応募者が会社に伝えるべきこと>

  • 就職・転職活動の軸
  • 入社後のビジョン
  • 自分の仕事観や人生の価値観
  • 求めている労働条件・環境
  • 入社することで、どのように会社の力になれるか

会社は「今すぐにでも優秀な人材がほしい」、応募者は「とにかく就職したい」という思いでいっぱいかもしれません。

しかし、入社後すぐの離職を起こさないためにも、焦って採用の判断を行ってはなりません。

*事例:児童福祉サービスの場合

私たちが携わる児童福祉サービス「放課後等デイサービス」では、「児童発達支援管理責任者」という希少な資格保持者を、各教室に一人以上雇わなければなりません。

資格を満たす人材を見つけるのは一苦労で、どうしても採用を焦りがちです。

しかし希少な資格保持者は、それまでの職務経験から、自分なりの成功体験にもとづいた強い仕事観を持っています。重ねて運営方針にもこだわりや信念があることが多々あります。

それが教室の雰囲気にそぐわない場合、職員がついていけず、

  • 人間関係の悪化
  • ほかの職員と仕事の連携ができない
  • 経営方針との乖離

などが起こりがちです。

こういった問題は、日々の療育(子ども達への支援)に悪い影響を与え、提供するサービスの質の低下にも繋がります。結果的に、利用者が退所するリスクさえもあります。

想定しうる悪循環を防ぐためにも、ミスマッチの問題は、採用時に必ず防がなければなりません。

人間関係が良くない

現場を取り仕切る責任者が、社員一人ひとりを見ていないと人間関係の悪化は起こりがちです。

現場に立つのは人間同士なので、ぶつかることや孤立することもあります。各社員のフォローは通常は責任者が行いますが、その責任者のフォローは社長の仕事です。社長が現場に顔を出し、各社員と接する機会を持てば異変に気づけます。

それが難しい場合は定期的に面談の機会を設けると良いでしょう。

仕事量が多く労働時間に問題がある

いわゆる「ブラック企業」にありがちで、明らかに回しきれない仕事量を特定の社員が抱え込んでいるパターンです。

過剰な労働は社員を肉体的にも精神的にも追い込みます。業種によっては「お客様のため」という大義名分で、「ある程度の残業や仕事の持ち帰りは仕方がない」と思われるかもしれません。

しかし、そのような社員の「生真面目さ」につけ込み、会社側がなにも対処しないのならば、それこそ「ブラック企業」です。

さらに「求人票に実態とかけ離れた業務量を記載している」パターンもよくあります。入社後に「実はこんなに長時間仕事をしなければ、会社が回りません」という状態では、当然早期離職が起こります。

経営者は社員に負担がかかりすぎないよう、過剰な労働を監視すべき立場です。

社員の離職を引き起こす経営者の特徴

「経営者の姿勢が離職を生み出す」と言うと、経営者様からは「社員の不満は現場から出るものだ。私たち経営陣とは関係ない!」と反発されるかもしれません。

しかし会社の方向性を決め、先陣を切って事業を推進するのは経営者です。その過程で社風が生まれ、社員の働き方など労働環境が固まります。経営者の姿勢が変われば、社風も労働環境も変わるのです。

不思議なのは「儲けよう」「良い会社を作ろう」と思って事業参入したはずなのに、いざ優秀な社員が入ると自分から動かなくなる経営者が多いことです。

そのような経営者のもとでは、以下の問題が生じます。

業務管理などすべてを社員に丸投げ

「現場のことは社員がなんとかするだろう」と、最終的な意志決定まで社員に任せてしまう経営者がいます。

しかし、経営者は会社全体をまとめるべき立場にあります。経営者こそ、現場を熟知するべきです。

社員は割り振られた業務に集中し、全体を見渡すのは難しいでしょう。全体を理解できるのは、経営者や管理責任者だけです。

辞表を出すまで離職の兆候にすら気づけないようでは、離職を防げるはずがありません。

業務改善をしない

業務中に問題点や課題を見つけ出すのは社員です。

したがって、社員とのコミュニケーションをとらなければ、改善点に気づけません。業務課題を放置すれば、社員が一人で抱え込むようになります。

それでは改善ができないばかりか、ストレスや責任が社員にのしかかってしまい、離職を引き起こします。

現場からの提言は、会社を良くするヒントです。定期的に面談を行うなど、社員一人ひとりと接する機会を持つべきです。

収支を管理できない

事務や経理業務を担当する社員を雇っている場合、お金にすら無頓着になるケースもあります。

収支は経営者が理解しておくべきことです。人を雇うことは、その人の生活の一部を預かることでもあります。赤字に陥らないよう、会社をコントロールしなければなりません。

*弊社の失敗事例

私たちがフランチャイズ展開する放課後等デイサービスでも、収支を職員任せにして失敗した事例があります。

月の教室予算を決めると、職員が今すぐ必要ない物まで購入し、予算全額を使おうとしました。

余った予算を使い切ろうとする教室に限って、余分なトイレ洗剤などの日用品や、予備のスピーカーなど不要な備品が増えてしまいます。その結果、教室の整理整頓すらできない状況に陥ります。

収支はオーナーがきちんと管理し、予算に対する認識を職員と共有しなければなりません。会社にお金がない状態が続くと、

  • 残業代を出し渋る
  • 給与を遅延する
  • 業務に不可欠な備品を買えず、日々の業務が円滑に進まない

などの問題が起こります。それらは仕事の不満や不安を引き起こし、ただちに職員の離職に結びつきます。

社員定着のために行うべき取り組み

社員定着のために行うべき取り組み

社員の離職は会社に多くの損失をもたらします。とくに新入社員の早期離職は、以下の点で深刻です。

  • 採用活動や社員教育に再度時間とお金をかけなければならない
  • いつまでも既存社員の業務負担が減らず、さらなる離職の原因を生む
  • 業務が特定の社員に偏り、その社員が離職した場合のリスクが大きい
  • 定着率が悪い会社だと悪評が広がる
  • 社員が育たないため、仕事に発展性がなく会社も育たない

このような損失を理解していれば、どの会社も社員定着への対策に真剣に取り組まなければならないはずです。しかし、定着のために特別なアクションを起こしている会社は意外にも多くありません。

定着率向上の取り組みをしているのは3割以下

HR総研が2021年に公表した「人材定着の取り組みに関するアンケート 調査報告」(注2)によると、定着率向上への取り組みを積極的に行っている企業はわずか28%です。

そのほかの会社は、十分な働きかけを行っていないのが実状です。

社員定着への積極的な取り組みは、離職を防ぐだけでなく、会社にさまざまな良い効果をもたらします。

たとえば、

  • 社員のモチベーションが上がる
  • モチベーションが上がることで、業務の質も向上する
  • 会社への帰属意識が形成され、社員が一体となり事業を推進できる
  • 定着への取り組みが社員に浸透することで、社員間で協力しあい行動できるようになる

などです。

会社と社員との間に深い信頼関係が生まれ、一人ひとりが会社の一員であることを誇れるようになります。業務の質も上がり、なにより社員が生き生きと仕事でき、会社自体に活気が生まれます。

そのために経営者が意識すべきことは次の3つです。

  • 社員を大切にすること
  • 社員の人生を大切にすること
  • 会社の中で社員が育つ環境をつくること

改めて表記すると、社員の生活を預かる会社組織にとって至極当たり前のことばかりです。しかし、その当たり前が、日々の忙しさや利潤追求の中で見えなくなりがちです。

これらを忘れないため、私たちが自社およびフランチャイズ加盟店と共有している取り組みをご紹介します。

定期的な面談でメンタル管理をする

社員の唐突な辞表の提出に、原因がわからず戸惑った経験をお持ちの経営者様もいらっしゃるでしょう。

会社の規模が大きくなるほど、経営者と従業員が現場を共にする機会は少なくなります。ましてや日ごろから言葉を交わし、互いのことを熟知する関係は稀でしょう。

だからこそ、定期的な面談で顔をあわせる機会をつくるべきです。面談は入社前だけのものではありません。入社後も社員一人ひとりに気を配ります。

とくに入社から数ヶ月間は職場環境や人間関係に違和感を覚える時期です。そのため、対話により離職の芽を摘み取ることが重要です。

<弊社の事例>
私たちが運営する放課後等デイサービスの直営教室では、入社後1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月での定期面談を行っています。また賞与支給前にも面談を行い、職員が率直な意見を言える機会を設けています。

面談では、業務の習熟度の確認や、悩みが生じていないかを聞き出します。とくに職場の人間関係の悩みは、療育の協力体制を崩す元になります。悩みは早急に改善点を見つけるよう留意しています。

将来を見据えたキャリアプランを準備

すべての社員が高いモチベーションを保つのは容易ではありません。

とくに新入社員は仕事の全体像を掴むことが難しく、自分がなんの仕事を任されているのかさえ明確でない場合があります。

そのような状態では、将来のキャリアプランを描こうとしても、未来の姿を想像すらできないでしょう。

したがって、会社が各社員の将来を見据えたキャリアプランを提示することが大切です。会社の中で自分の将来像が描ければ、人生設計もしやすくなります。

安易に離職や転職を考えず、「今の会社で頑張ろう」という気持ちになるのです。

<弊社の事例>
私たちはフランチャイズ加盟店にさまざまなキャリアプランをご案内しています。直営教室の組織図を加盟店とも共有し、ポジションの新設や役割分担の取り決めを積極的に行えるよう提案します。

放課後等デイサービスをはじめ、店舗で特定のサービスを扱う業種では、毎日が同じ仕事の繰り返しです。その中でたとえば「広報部長」など役職をつくり、その業務を全面的に任せるだけで、社員は仕事に新鮮な価値観で取り組むようになります。やりがいや目的意識を与えることで、離職の芽は摘み取れるのです。

未経験でも安心できる研修制度を構築

新入社員がすぐに辞めてしまう会社は、研修に問題があることが多々あります。

  • 「見て覚えろ」という方針でろくに仕事を教えない
  • 座学の研修のみで、いきなり実践させる
  • スパルタ式の研修で、仕事ではなく上下関係ばかり教えている
  • 「やる気があるやつだけついてこい」という方針で、一方的な教え方をする

身に覚えのある方もいらっしゃるでしょう。

新入社員や未経験者は、どんな仕事であれ、学ぶべきこと、身につけることが多くあります。それを一つひとつ確実に覚えるには、丁寧な研修制度が必要です。

ここで不適切な研修を行ってしまうと、いつまでも仕事ができるようにならず、結果として「向いていない」「ミスマッチだった」などの理由で離職を生みます。

研修は以下の点に気をつけ制度化すると良いでしょう。

  • 必要な業務内容を網羅しているか
  • 採用する社員のレベルにあっていて、伝わりやすいか
  • 基礎的なことから一つひとつレベルアップして進行するか

これらを踏まえた上でおすすめなのは、動画での研修方法です。研修内容がデータとして残り、社員がいつでも復習できる環境をつくれます。

何度も上司に同じことを質問するのは、誰しも憚られます。しかし動画なら遠慮はいりません。

<弊社の事例>
私たちがフランチャイズ加盟店向けに行う研修も、動画形式を採用しています。加盟店は全国にあるため、わざわざ本社のある東京に出向いてもらわなくても、同じ品質の研修を提供できる利点もあります。

指導する項目は40項目近くありますが、動画なら一つひとつ復習しながら進められます。お陰様で大変良い評価をいただき、どの教室も職員の離職を防げています。

仕事を覚え楽しくなれば、初期の離職は防げます。そこからは定期的な面談やキャリアプランの提示で、社員一人ひとりのやる気を維持すればよいのです。

以上の取り組みを実践することで、社員が定着する仕組みを構築できます。

社員の定着は、今後さらに大きな課題になるでしょう。日本では少子高齢化の影響で、64歳以下の生産年齢人口が年々減少を続けており、雇用はさらに厳しくなります。

中小企業庁が公表している「平成30年度(2018年度)の中小企業の動向」(注3)によると、2065年までに生産年齢人口はさらに4割の減少が見込まれているのです。

人材の確保は年々確実に厳しくなります。社員定着への取り組みを続け、健全な経営を持続しましょう。

さいごに

さいごに

社員の離職が続けば、仕事が回らなくなり、会社は倒産の危機にさらされます。生産年齢人口が減り続けている中、社員の離職をいかに防ぐかは重要なテーマです。

社員の離職を引き起こす会社には、2つの特徴があります。

①社員が大切に扱われない職場環境

・入社前にビジョンのすりあわせを行わない

・職場の人間関係が悪い

・労働時間に問題がある

②経営者の認識の甘さ

・業務管理を社員に丸投げする

・業務改善をしない

・収支を管理できない

これらの特徴がある会社は、早急に手を打たなければ大切な社員を失いかねません。

そこで私たちDokTechが提案するのが、以下の3つの対策です。

  1. 定期的な面談の実施
  2. キャリアプランの提示
  3. 研修制度の構築

まずは③で新入社員や未経験者が早期に離職するのを防ぎます。その後は①②を実施し、各社員が仕事にやりがいを感じ、会社を好きになる対策をとればよいのです。

DokTechではこれらを実施することで、皆様の今後の組織運営に少しでもお力添えができればと考えています。

今回ご紹介した「離職を防ぐ経営方法」だけでなく、これから経営者となるあなたにとって有益な情報を伝授します。

長年のフランチャイズ展開で培ったノウハウは、会社設立や円滑な経営にお役立ていただけるものばかりです。

地に足のついた実現可能なアドバイスをさせていただきますので、どうぞお気軽にお問いあわせください。

参考文献

注1)「特集 就労等に関する若者の意識」|内閣府  2022年10月14日閲覧

注2)「人材定着の取り組みに関するアンケート 調査報告」|HR総研  2022年10月15日閲覧

注3)「平成30年度(2018年度)の中小企業の動向」|中小企業庁  2022年10月12日閲覧

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著者情報

DokTech編集部
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