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安定した経営に不可欠!ライフタイムバリューの重要性と活用方法

更新日更新日:2023.10.3

公開日投稿日:2022.11.22

会社を経営していると、景気の動向や市場の変化に嫌でも敏感になります。毎月の客の増減や、新規顧客の獲得状況に影響するからです。

「景気など外的要因に左右されず、安定した経営をしたい」 と、経営者なら誰もが願うことでしょう。

しかし、そんなことは実現できるのでしょうか?

結論から言うと、可能です。
ただし、それには以下の条件があります。

・会社のブランディングができており、顧客から信頼を得られていること
・ライフタイムバリューでビジネスを捉え、顧客との関係を深めること

このうち、ブランディングは『効果的なブランディングとは?顧客に選ばれ続ける会社の実践的なつくり方』で解説しています。未読の方は先にこちらをご覧ください。

本稿で解説するのは、ひとりの顧客が生涯で会社にどれほどの利益をもたらすかにスポットを当てる「ライフタイムバリュー」の活用方法や実例です。

ライフタイムバリューを理解し実践することで、熱心な「固定客」が生まれます。その結果、顧客一人ひとりの客単価が上がり、長期間繰り返し商品(サービス)を利用してもらえるようになります。

固定客が多数つく会社になれれば、日々の売上や営業成績に頭を悩ませる必要はありません。日々の利益は固定客から確保できるため、新規の顧客開拓には余裕をもって取り組めます。集客の心配がなくなることで、日々の業務にも余裕が生まれるでしょう。

DokTechの運営母体であるこどもプラスホールディングスも、長年フランチャイズ展開する「放課後等デイサービス」事業で、このライフタイムバリューの考え方を実践し成功を収めてきました。弊社の豊富な事例は本稿でご紹介します。それをもとに経営スタンスを見直せば、あなたの会社も長期間安定的な利益を確保できる可能性があります。

誰もが望む「安定した経営」への第一歩として、本稿をお役立てください。

*DokTechを運営するRYD株式会社は、こどもプラスホールディングスの関連会社です。

目次

ライフタイムバリューの考え方と経営にもたらす恩恵

1.ライフタイムバリューの考え方と経営にもたらす恩恵

「ライフタイムバリュー(LTV)」は「顧客生涯価値」と訳され、一人の顧客が自社と取引を始めてから終わるまでの期間に、どれだけの利益をもたらしたかを考えるマーケティングの指標です。

期間と利益によって、顧客ごとに将来価値を定量化します。

長年サービスや商品を愛用する顧客ほど、ライフタイムバリューが高くなります。

リピーターや既存顧客の維持をはかるための指標として重視されており、とくに定額サービスや課金制のビジネスモデルでは、ファンを獲得する判断材料として欠かせません。

本章ではライフタイムバリューの考え方を詳しく説明し、経営にもたらすメリットを考えます。

ライフタイムバリューの考え方と魅力

ライフタイムバリューは「顧客がどれほど自社の商品(サービス)を利用してくれるか」を定量化します。したがって、顧客があなたの会社に信頼を寄せており、繰り返しの利用が見込めることが前提です。

ライフタイムバリューの魅力は、長年愛用してくれる固定客がつくこと

商品やサービスを気に入った顧客は、リピーターとして再訪してくれるでしょう。そのときにさらなる喜びや満足を与えられれば、顧客はあなたの会社に徐々に信頼を寄せるようになります。

たとえば飲食店であれば、「今日もやっぱりおいしかった!」と思ってもらうことに加え、

  • 店員が覚えていてくれて気さくに話しかけてくれた
  • ご飯を少しだけ多く盛ってもらえた
  • コーヒーをサービスしてもらえた

など、少しの特別感や新鮮さで、あなたの店への評価が上昇します。そのような積み重ねで、やがて固定客ができ、長期利用や客単価の上昇に繋がります。

ライフタイムバリューの魅力は、まさにこの点です。

ライフタイムバリューを意識して経営を進めれば、顧客から継続的な利益がもたらされます。個人消費が落ち込む時代の中で、新たな顧客を得るには多くの労力を使います。

確実に継続的な利益を得られるのならば、景気の動向や市場の変化にあたふたする必要はありません。経営者にとって理想の形です。

なぜ美容室はシャッター街でも生き残り続けられるのか?

この魅力を体現する業種の一つが、理容室や美容室でしょう。シャッター街になった商店街を歩いていると、美容室だけが生き残っている光景をよく見かけませんか?

ほかの業種に比べ美容室が強いのは、以下の特徴があるからです。

  • 固定客に長期間利用してもらえる可能性が高い
  • 髪は伸びたら切らなければならないため、固定客が一定間隔で来てくれる

固定客が一度ついてしまえば、あとは「どれだけ長く利用してもらえるか」留意しながらお店を営業していけばよいのです。

10年・20年と通ってくれる固定客を多数得られたら、新規顧客の獲得に躍起になる必要はありません。目の前の顧客に集中し、技術とサービスの質を高められます。

ライフタイムバリューの計算方法

ライフタイムバリューは、以下の計算式で数値化できます。

<ライフタイムバリュー(LTV)の計算方法>
平均購入単価×粗利率×平均購入頻度(1年の利用回数)×平均継続期間(年)

美容室の例で計算してみます。

3ヶ月に1回の訪問で、年に4回利用したとします。1回の利用金額はカットとカラーで合計8,000円です。それを10年続けると仮定しましょう。

なお「粗利率」とは、売上高から売上原価(仕入れや製造にかかった費用)を引いた値で、パーセンテージで表します。

美容室の例では、カラー用の薬剤に使う金額を800円と仮定し、(8,000-800)÷8,000×100で90%です。

8,000円(平均購入価格)×0.9(粗利率)×年4回(平均購入頻度)×10年(平均継続期間)=288,000円

この数値は、顧客とビジネス上良好な関係が築けているかを示す指標となります。もちろん、数値が高いほど「良い顧客」です。一人ひとりの顧客の数値をいかに高めていくかが経営上のテーマです。

美容室の場合、一回のサービスで客単価を上げるのはあまり現実的ではありません。「いかに長い期間通ってもらえるか」が数値を高める鍵となるでしょう。

ライフタイムバリューの重要性

現在の日本はあらゆる商品やサービスが飽和状態です。

だからこそ、一度掴んだ顧客は大切な存在です。ライフタイムバリューの視点は、一人ひとりの顧客と真剣に向きあい事業を営む姿勢を意識させます。

ただし、ビジネスライクな姿勢をどこまで貫くかは難しい問題です。一人の顧客から最大限の利益を上げることばかり考えていると、せっかく築いた信頼関係が損なわれる恐れもあります。

たとえば、美容室で炭酸シャンプーやネイルケアなどオプションばかりを勧められたら、お客さんは押し売りのように感じるかもしれません。

美容室の場合、お客さまにできる限り長く通ってもらえるよう、施術や会話、髪の悩みの共有などをとおして信頼関係を構築したほうが、ライフタイムバリューは上がるでしょう。

ライフタイムバリュー活用のポイント

ライフタイムバリューを高めるには、

  • 購買単価
  • 購買頻度
  • 購買期間

のいずれか、またはこれらすべてを高められるよう顧客に働きかけなければなりません。

購買単価を高める

購買単価を高めるには、顧客が感じる「少しの不足」を見抜き、適切なタイミングでそれを提案できなければなりません。

Amazonで買い物をすると、「よく一緒に購入」セクションで、関連商品が表示されます。たとえばパソコンのキーボードを購入する場合、マウスやハードディスクなどが表示され、購買を促されるのです。

Amazonでは人工知能が顧客の購買行動を分析しています。それを人間の力で行う場合、顧客との親密な関係構築が必須です。顧客をよく知っていれば、適切な商品の提案ができます。

先ほどの美容室ならば、顧客との関係を構築する中で髪質への悩みを共有でき、トリートメントの販売がうまくいく可能性があります。

しかし顧客との関係性を築くまでに至らない場合や、いちげんの客が多い場合は、適切な商品の提案は現実的ではありません。

  • 単価の高い商品の投入
  • 商品のバリエーションの拡充

などが有効な方法でしょう。

購買頻度を高める

購買頻度を高めるには「また行きたい」と思ってもらえる「きっかけづくり」が重要です。購入(利用)後にさまざまなフォローを行うことで、顧客の再訪を喚起します。

たとえば、

  • メールやSNSでの情報発信
  • チラシやパンフレットの送付
  • お客様優待キャンペーンの実施

などです。受け身で待つのではなく、会社側から積極的にアプローチを行うことが重要です。

顧客は「覚えていてくれる」「気にしてもらえる」ことをなにより嬉しく思います。可能であれば、情報の一斉配信ではなく、一人ひとりの顧客に向け配信できると理想的です。

美容室ならば、来店後に「次回割引クーポン」付きのハガキを送付し、一言直筆メッセージを添えると顧客に喜ばれ、再訪の可能性が上がります。

購買期間を長くする

購買期間を長くするには、以下2つのポイントがあります。

  • 徹底した信頼関係の構築
  • 離脱の防止

店と顧客との信頼関係は、友情とは違います。あくまでも商品やサービスを介し、誠実な商品の提供の上に成り立つものです。まずは商品やサービスの質を高め続け、顧客に喜びや満足を提供できることが重要です。

その姿勢は、顧客の離脱防止にも繋がります。顧客はあなたの会社になんらかの不満を抱けば離脱します。その不満は、商品や接客に起因することがほとんどです。

  • 新製品の投入
  • 既存製品の改良
  • スタッフの質の向上

などの努力を怠るわけにはいきません。

逆にこれらがしっかりとできており、固定客を多くつくれていれば、購買期間はおのずと長くなるでしょう。

顧客と長期間かかわり信頼を得ているモデルケース

2.顧客と長期間かかわり信頼を得ているモデルケース

私たち「こどもプラス」が携わる放課後等デイサービスは、ライフタイムバリューの考え方を大切にしている業種です。理由は、以下2つの特色があるからです。

  • 一般の学習塾や習い事以上に、長期にわたり生徒とかかわれる
  • 加配加算の仕組みにより客単価を上げやすい

詳しく説明します。

10年以上の長期にわたり通所している生徒がいる

「こどもプラス」の教室は、未就学児(2歳)から、高校卒業まで一貫した療育を提供しています。実際に直営教室では10年以上通っている生徒もいます。

それが実現可能なのは、豊富な療育コンテンツを有し、その効果を生徒本人も保護者も実感しているからです。

放課後等デイサービスの主な収入は、国民健康保険団体連合会からの給付金です。一人ひとりの利用を点数化し、その点数に応じてお金が支払われます。

一日の定員は開所時の申請で決められるため、それを超える人数は入れられません。したがって、利用者の通所日数を増やし、長期間通ってもらうことで経営が安定します。

10年以上の通所は、経営安定の大きな力です。

客単価を上げやすい仕組み

ライフタイムバリューを最大化するには、客単価を上げる方法もあります。

放課後等デイサービスには、基本報酬のほかに申請点数を増やせる仕組みがあります。

たとえば質の高い療育を提供するため、規定の人数を超えて職員を配置した場合の「加配加算」、保護者に代わり送迎を行った場合の「送迎加算」などです。

美容院で客単価を上げようとすると、サービスや商品を売るための駆け引きが発生します。

それに対し、放課後等デイサービスは利用者に負担がかからないため、なんの負い目もなく、進んで単価を増やせるのです。

私たちが「保護者の信頼を得る」ことを大切にしているのは、事業をライフタイムバリューで考えているからです。一人ひとりの単価を上げ長期間の利用が実現できれば、経営は安定します。

ほかの業種でも応用可能!ライフタイムバリューの活用事例

弊社が行っている一人ひとりの顧客へのアプローチ方法は、ほかの業種でも応用できます。

ある地方都市で住宅設計を行うA社は、地元に密着し、建築・リフォームから大工仕事まで幅広い仕事を引き受け、顧客の信頼を得ています。

この会社のライフタイムバリュー向上への取り組みは、

  • 顧客への季刊無料雑誌の配布
  • リフォーム後1か月ごとの無料点検の実施
  • 網戸の張替えなど、住宅に関わる小さな仕事の受注
  • 子ども達を対象に大工体験教室を実施

など多岐にわたります。

家の新築やリフォームは、一生に何度も経験するものではありません。

だからこそ、一度出会った顧客との関係を保ち続け、改築や改修など「何かあったら必ずA社に!」という信頼を培っておくことが重要です。

とくにこの都市は避暑地のため別荘が多く建てられています。

別荘は定住の家と比べ、劣化が早いと言われます。修繕や改修で確実にA社を利用してもらえるよう、さまざまな取り組みを行い、顧客のライフタイムバリューを高めているのです。

このように一人ひとりの顧客を大切にし、関係を深めていくことで、長期の利用や客単価の上昇が見込める可能性があります。

ライフタイムバリューの考え方は、目先の営業結果に右往左往している経営スタイルを、180度変えてくれるかもしれません。

「お客様あってのビジネス」という原点に立ち返り、一人ひとりの顧客に誠実な対応を続けることが、会社の安定に結びつきます。

無理な営業をかけ継続しない新規顧客を大量に増産するよりも、ずっと人間らしいビジネスであると言えます。

さいごに

さいごに

ブランディングに成功し顧客からの信頼を得られた会社は、一人ひとりの顧客とできるだけ長くつきあっていけるよう、努力すると良いでしょう。

一人の顧客が、取引期間中に会社にもたらす利益を、「ライフタイムバリュー」と呼びます。個人消費が落ち込む中、新規の顧客を獲得し続けることは容易ではありません。

一人ひとりの顧客と向きあい、その利益を最大化することで、会社の経営は安定します。

私たちが携わる放課後等デイサービスも、ライフタイムバリューの考え方を取り入れ成功を収めてきました。

放課後等デイサービスの業態は、ライフタイムバリューの経営方法と相性が良く、長期間の利用や、加算の取得による客単価の増大などの結果を出しやすい環境です。

  • 長期間の利用促進
  • 客単価の最大化

は、ほかの業種でもすぐに取り組んでいただけるテーマです。目の前のお客様に集中し関係を深め、経営を安定させる努力をしていきましょう。

これまでの新規顧客開拓を主体とした考え方とは違い、顧客に誠実に向きあいながらビジネスを進めていけます。

DokTechでは長年の放課後等デイサービスのフランチャイズ展開から、

  • 保護者に信頼される事業所の作り方
  • ライフタイムバリューを意識した経営方法

など多くのノウハウを蓄積しています。

独立・開業を目指す方や、新規顧客の開拓に行き詰まっている方は、是非一度お問いあわせください。専門のスタッフが、実現可能な経営アドバイスであなたをお持ちしております。

著者情報

DokTech編集部
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