「私は寿司とカメラで旅をする」生き様を届けに挑戦し続ける若き映像クリエイター

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「私は寿司とカメラで旅をする」生き様を届けに挑戦し続ける若き映像クリエイター

更新日更新日:2023.3.23

公開日投稿日:2023.3.1

目次

起業にはリスクがつきもの。しかし、リスクの捉え方は人それぞれ異なります。単に「起業は怖い」とせず、自分の才能や強みをおさえ、生き残るための戦略を立てておくことも重要です。今回は、21歳で寿司職人を退職し、映像クリエイターとして起業、2023年からは海外へ……と、リスキーとも思える目標に果敢に挑むヤマザキカイト氏にお話を伺いました。

ご経歴と活動内容について

これまでのご経歴を教えてください

高校卒業後、北海道鷹栖町(人口6千人ほど)から出て、銀座の寿司屋に勤めていました。就職当時は18歳です。

それまでまったく料理をしていなかったので、米の研ぎ方や包丁の持ち方すら知らない状態でした。

▼当時のヤマザキさん

そのお寿司屋さんで3年働いて、21歳で地元に戻りました。

地元に戻ってからは就職せず、個人で映像クリエイターとして活動しています。ここで起業をしたことになりますね。

なぜ寿司職人を選ばれたのでしょうか?

海外でも通用する職業・スキルだからです。

でも、もともとは警察官を目指していました。警察官になるには試験があるので、書店に過去問を買いに行ったんです。そこでたまたま目にとまった「人生の地図」という高橋歩さんの本を読んで、あらためて人生について考えることになりました。

それから様々な書籍を読むと、どうやら世界には、私が思っていた以上にいろんな生き方があると気がつきます。人生にはもっと選択肢がある……と1人で驚いていました。

そんなことをしている内に、この「人生の選択肢の広さ」を、より多くの人たちに広めたいと思うようになりました。

世界中の様々な生き方を発信するには、映像が良いだろうと。それで映像クリエイターになろうと決意しました。だた、世界中を渡り歩くなら映像だけじゃなくて、もう1つ武器が欲しかったんです。

それを探してたどり着いたのが寿司職人でした。いま寿司屋は海外で需要があって、寿司の技術を身につけていれば、海外ではお金に困らないとも言われています。

ところが、寿司は「シャリ炊き3年、合わせ5年、握り一生」と言われる業界です。実際にお寿司を握るまでは長い下積みが必要です。

そんな下積みの時間はないので、3年でカウンターに立てるように、死ぬ気で頑張りました。体重が70kgから45kgになって記憶が飛んだこともあります(笑)。

現在はどのような活動をされていますか?

寿司職人を辞めて映像クリエイターになってからは、ブライダル映像や、企業・飲食店・イベントPR映像の作成が中心です。企画から絵コンテ、撮影、編集まで丸ごと担当しています。

▼農業のPR動画を撮影するヤマザキ氏

クライアントの要望に沿うように制作するのが基本ですが、最近は私の「シネマティックな世界観を出して欲しい」というご依頼もいただくようになりました。

思い返すと映像クリエイターでも3年目……早いですね。

映像クリエイターとして、難しく感じるところはありますか?

3年やってみて痛感しているのは、動画作りにかかる労力があまり知られていないことです。

お客様が思う動画作りにかかる労力と、実際にかかる労力が異なります。一見すると撮影した動画素材をつないで……とパッと作れそうに思われがちですが、実際は絵コンテやブランディングにあわせた編集、BGM選びなどすごく時間がかかります。私は個人的なこだわりとして、一度作った動画と似たものはなるべく作らないようにしているので、さらに時間がかかります。

お客様が思う作業工程と、実際の作業工程がズレるので、価格イメージにもズレが生まれます。動画制作は高いと思われがちなんです。このギャップに苦しみ、動画クリエイターを辞める人もたくさん見てきました。

これはとくに地方で顕著ですね。私も苦心しています。感動させられる映像を作って、映像の価値を伝えていきたいです。

独立の準備について

寿司職人から映像クリエイターになるために、どのような準備をされましたか?

準備……というほど、大したことはしていませんでした。

一応、寿司職人のころからカメラは購入して、ちょこちょこ触るようにはしていました。YouTubeで撮影テクニックなどをみたり、サンプルのポートフォリオを作ったりです。地元に戻ってからすぐに仕事があるように、営業活動もしていました。とはいえ、その程度です。

そもそも、本来の目的は「世界中の生き方を届ける活動」で、その活動を支えるための「ご飯を食べるための職業」は寿司職人です。なので、食い扶持は寿司職人でいいんです。

映像クリエイターとして仕事をしているのは、カメラや撮影技術のお勉強をさせていただく……という一面もあります。それと、楽しいからです。

アグレッシブなご経歴ですが、転職する際のリスクはどのようにお考えですか?

まったくないです。

日本はすごく恵まれています。蛇口をひねったら水が出ます。仕事もたくさんあるし、生きていくだけなら簡単です。

もちろん、起業に失敗して生活が落ちていくことはあります。発展途上国では、起業に失敗したら路頭に迷って死ぬこともありますし。でも日本では、失敗したときのクッションがちゃんとあります。

これは20代向けの考えだと思いますが、日本という恵まれた国に生まれて、日本語もペラペラであれば、チャレンジしないほうがもったいないと考えています。

独立・起業に役立つテクニックについて

独立してから大切にしていることは何ですか?

難しいですね。

ここ最近だと「何で忙しくしているか」をよく考えています。

以前の私もやっていたことなんですが、忙しい忙しいと言いつつも、目標に向かって進んでいないことがあって。自分の今やっていることが何に繋がるかを意識しないと、こういうことになるのかな……と。

これまた私もそうなんですが、断るのが苦手な性格に多いと思います。関係ないことを断れずに、目標に繋がらないことで忙しくなり、それで自分の人生が進まないのは自己責任です。

できれば、目標に繋がることで忙しくなりたいですね。そのためには取捨選択ができなきゃいけなくて、判断基準を持たないといけません。

何で食べるのか、何をしていくのか。それから逸れないように仕事をしていくのが大切だと思います。私でいえば、生き方の選択肢が広がるかどうかですね。まだまだ試行錯誤している最中ですが(笑)。

独立で通用しないテクニック、きれいごとのノウハウはありますか?

テクニック……とはちょっとズレますが、独立して「自由」になるかといえば、全然そんなことはありませんでした。

会社に属しているほうが稼げるし自由です。もちろん個人の価値観にもよりますが。

会社は勤務時間が決まっていますし、仕事も用意してくれます。お金も安定して入ります。帰宅後などの空いた時間は自由に使えます。でもフリーランスはそうもいかなくて。

収入は増減しますから、可処分所得が安定しません。お金の自由度(というより使い勝手?)が減ります。空いた時間は……いえ、そもそも時間が空かなくなります。無理やり空白時間を作っても、常に頭の中で考えていて気が休まりません。これって自由……なんでしょうか(笑)。

そういう意味では、セルフコントロールって重要です。

実は私、山小屋に住んでるんです。人里からバッチリ離れた山奥で、冬には室内もマイナス20度になります。

▼「生き方の選択肢」を広げる活動をするなら、自分から特殊な環境に飛び込まないとダメだと山小屋に。

ヤマザキ氏のInstagramで他の動画・写真もご覧いただけます。

2021年はここに引きこもって仙人みたいに暮らしていたんですが、それはそれはセルフコントロールができなくて苦労しました。今も苦労していますね。自由すぎると人は持て余します。ほどよく縛られる仕組みがあるといいのかも。

今後の目標について

今後の活動について良ければ教えてください

「寿司 × 映像 = 旅」をテーマに、世界を旅するように生きていきます。1年ペースくらいで、国を転々としながら映像を撮っていきたいです。国ごとのルール、文化、人の生き方、そこに飛び込む自分の様子も含めて発信したいですね。

2023年の9月から、ドイツのシュパイアーにある寿司屋で働くことが決まっています。本当はもっと早く海外に行くつもりでしたが、コロナウイルスで長引いてしまいました。ようやっとスタートです。

英語はほんの少し話せますが、ドイツ語は話せません。最初はカナダに行こうと思っていましたが、それでは妥当すぎて面白みがないのでドイツに。なんとか……なると思います。

目指すは「職業:ヤマザキカイト」です。生き様を伝えることを職業にしたいですね。

独立を考えている人へのメッセージ

齢24歳の戯れ言ではありますが、自分の才能はしっかり把握したほうが良いかと思います。

良く「好きなことで独立しよう」というキャッチコピーがあります。ところが、好きだけど得意じゃないケースもあります。好きと才能は違いますからね。

才能はどうやって見つけたら良いですか?

難しいですよね。あなたの才能は何ですかと聞かれても、すぐには出ません。自分のことなのに。

しかし、他人が「あなたの◯◯って才能だよね」と言ってくれたものは、意外と当たっています。他人だからこそ、客観視できているんですかね。

自分を客観視するには、経歴を振り返るのが良いと思います。それこそ、物心つく5歳くらいから今まで。何が好きだったり、どんな部活動をしたり、どんな仕事をしたかに、才能が隠れているのではないでしょうか。

では、私の才能はといえば……海外で通用する才能はありませんでした。何とか絞り出したのが、日本人だったことなんです。だから寿司職人を選びました(笑)。

打算的に選んだ寿司職人ですが、ここ最近は寿司への愛情も深まっています。この武器を携えて、できるところまで挑戦してきます!

お忙しいところありがとうございました。Instagramから、ヤマザキ様のご活躍を楽しみに拝見いたしますね!

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