見やすいマニュアルの作り方|構成・レイアウト・図表のポイントを簡単紹介

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見やすいマニュアルの作り方|構成・レイアウト・図表のポイントを簡単紹介

更新日更新日:2023.3.26

公開日投稿日:2022.9.5

見やすいマニュアルの作り方|構成・レイアウト・図表のポイントを簡単紹介

マニュアルは作成後、業務を担当する社員に見てもらえるか・活用されるかが重要です。そのため「見やすいマニュアル」を作成することは、マニュアル作成者にとって一番意識すべき点です。

本記事では、見やすいマニュアルを作成するためのポイントを凝縮してお伝えします。構成やレイアウト、テキスト、図表の使い方について、具体例を交えながら解説していきます。

「マニュアルを作ろうとしているけど、実際に活用されるか不安」「マニュアルが社内に浸透せずに困っている」という方は、ぜひご一読いただき、見やすいマニュアル作成の参考にしてください。

目次

見やすいマニュアルとは

見やすいマニュアルとは

見やすいマニュアルは、作成者が伝えたい情報と読み手が求める情報とが一致してはじめて実現します。作成者はAを学んでほしいのに読み手がBを求めていたら、マニュアルを読んだ後に何も得ることはできません。マニュアルを作成し始める段階でお互いの目的や意図をすり合わせしておきましょう。

マニュアルの最終目標は、読み手が実際の業務フローややり方をイメージできるようになっていることです。見やすいマニュアルを完成させるには、業務をする前に、実行するイメージができる仕様になっている必要があります。そのためマニュアルづくりでは読み手に配慮し、読み手の立場になって「見やすさ・わかりやすさ」を意識しなければなりません。

関連記事:マニュアルとは?手順書との違い・業務マニュアルの作成ポイントを紹介

なぜ「見やすいマニュアル」が必要なのか

なぜ「見やすいマニュアル」が必要なのか

見やすいマニュアルが求められる理由は、業務を円滑に進めるためです。使い勝手の悪いマニュアルが導入されてしまうと、作業効率が悪くなり、マニュアルを使用する意味がありません。

新規採用や転職・異動で、新たに配属された社員に仕事を教える際、マニュアルがあると、言葉や身ぶりなどで伝えるよりも確実かつ簡単に業務内容を覚えてもらえます。初めて行う仕事であってもスムーズに移行できるでしょう。

しかし、マニュアルが文字ばかりで読みづらく、作業者視点の内容になっていないとほとんど活用されないという事態が起こりかねません。マニュアルは、作業担当者が目を通し、内容を把握してこそ意味をなします。したがって、マニュアルの作成者は実際の活用を想定した上で、見やすいマニュアルを作成することが求められます。

関連記事:マニュアルとは?手順書との違い・業務マニュアルの作成ポイントを紹介

見やすいマニュアルの作成手順

見やすく理解しやすいマニュアルにするためには、要点の整理やイラストの挿入などさまざまな要素が必要です。まずは見やすいマニュアル作成のために必要な手順を詳しく見ていきましょう。

フォーマットを決める

はじめに、マニュアル作成に用いるフォーマットを決めます。どんな業界や業種、シーンで使用するのか、誰が活用するのかを考えて、最適なフォーマットを選びます。

社内で統一されたフォーマットがあれば、統一感を出すために既存のものを用いるのがベターです。しかし既定の仕様に捉われすぎると「見やすいマニュアル」を作成できない可能性もあります。

例えば、図や表を多く用いるべきところでWordを指定されては、図像の編集やレイアウトの調整に苦労し、見やすいマニュアルづくりができません。社内フォーマットは一見便利ですが、裏を返せば「より良くなるチャンス」を棒に振っている場合もあります。

対象者と目的を明確にすることも大切

具体的には、医薬品の取り扱いマニュアルであれば、漏れなく確実な作業が求められるため、チェック項目を配すると有効です。これにはチェックボックスや表が作りやすいExcelが向いています。

また、新入社員向けの社内規定マニュアルであれば、テキストを中心としたWordが適しています。新入社員は仕事を覚えることに前向きなので、文字量が多くてもしっかりと読み込んでもらえるでしょう。 この時、一般社員には常識や当たり前のこととして認識している情報でも、新入社員によっては初見のことが多いので、詳細に載せておく必要があります。

このように、対象者と目的を明確にしておくことで、「見やすいマニュアル」の土台が構築されていきます。

文字や色などのルールを設定する

フォントは基本的に同一のものを使用します。ただし見出しはゴシック体で本文は明朝体など、種別にあわせて使い分けると、見やすさが増します。

また、見出しのフォントサイズは12で本文は10にするなど、統一感を出すためにあらかじめルールを設定しておきます。

重要な部分にのみ赤色を用いるなど、カラフルになりすぎて読み手がストレスを感じてしまわないよう、使用する色は最大3種類までにするなど色合いにも気を配ります。

目次を設定する

目次は、読み手がマニュアルを見た際、最初に目に入るいわばスタート地点です。読み手は、目次を見ることで全体の内容を把握し、自分が探したい情報にアクセスします。したがって、見やすいマニュアルにとって、目次は非常に重要な要素です。適切に設定することで、読む気力が湧いてきます。

また、マニュアルを電子化する場合は、目次をクリックするとそのページに自動で遷移するなどのプログラムを設定しておくことで、読み手の時間短縮や利用する意欲の向上が期待できます。

目標を明示する

目次の前後に、目標を明示します。ここでの目標とは、マニュアルを読み終えた後、読み手に対してどのような状態になっていてほしいかを指します。

具体的には、「業務全体の流れを把握し、自分が行う作業がどのような意味を持つか理解した状態」や、シンプルに「一人で作業できる状態」など、マニュアルの目的と対象者に沿ったものでなければなりません。

目標が明示されていることで、読み手は具体的なイメージを持ちながらマニュアルを読み進めることができます。イメージの有無で得られる知識や情報量に差がつくため、目標を明示しておきましょう。

心得ておきたい作成の4ポイント

見やすいマニュアルを作成するにあたって、心得ておきたいポイントが4つあります。

  • 一目で理解できる構成
  • 見やすいレイアウト
  • 整ったテキスト
  • 読者の視覚に訴える図表・イラスト

それぞれのポイントに関して、具体的に見ていきましょう。

一目で理解できる構成

心得ておきたい作成の4ポイント

マニュアルを見たときに、「分からない」「難しい」という迷いや不安が生じると、読む気力を損なう可能性があります。したがって、「一目で理解できる構成」を心がけ、以下3つのポイントに注意しましょう。

あいまいな表現を避ける

あいまいな表現は、読み手に「迷い」が生じ理解力の低下を招いてしまうため、極力避けてください

例えば、倉庫で荷役を運ぶ手段として「台車を使う」などの表現をすると、複数種類の台車があった場合、どれを使えばいいのか迷い作業の手が止まってしまいます。こういった場合は、「2段台車を使う」のように記載し保管場所も明記すると親切です。

しかし、作業によって、荷役の重さや大きさによって使う台車が異なる場合などは、マニュアルではあえてあいまいな表現にし、別途表示物などで周知する方法もあります。極力あいまいな表現を避けつつも状況に応じて使い分けましょう。

「誰が何をするのか」一目で判断できるようにする

業務内容がわかりやすく説明されていても、「誰が何をするのか」が判断できなければ意味がありません。一つひとつの作業説明欄の冒頭に【担当者名】のタグをつけるなどして、どこまでが自分の業務範囲なのか一目で判断できるようにしましょう。また、正責任者や副責任者を明記しておけば、不明点に関する質問もスムーズに行えます。

読み手の理解度に合わせる

マニュアルを作成する立場から見れば日常的に使用する専門用語であっても、読み手が仕事に慣れていない初心者の場合は、理解度に大きな差が出ます。したがって、専門用語は必要最低限にし、読み手の理解度に合わせるようにしましょう。

用語の意味を一目で理解できないと、読み手はそのマニュアルに拒否感をおぼえ、読む前に熟練者などに質問するようになってしまいます。質問に回答するのに時間が取られ、業務効率の低下を招きかねません。自分が新人だったころの気持ちを思い出しながら、作業初心者でも理解しやすいマニュアルを作成することをおすすめします。

見やすいレイアウト

見やすいレイアウト

業務内容がわかりやすく説明されていても、読む前に「見にくい」と認識されると、読んですらもらえない事態になりかねません。見やすいマニュアルとは「見やすいレイアウト」が基本となります。ここでは「見やすいレイアウト」を実現するための3つのポイントを解説します。

文頭や図の幅をそろえる

文頭や図の幅をそろえる

文頭や図の幅をそろえるのは資料作成において基本中の基本です。凹凸のある文章では、読み手の視線が揺らいでしまい、情報がすんなり頭に入ってこない要因となります。特に、人間は文章を左上から読む傾向が強いため、左端と上端がきれいにそろっていると「情報が整理されている」と認識してもらえます。WordやPower Pointには、端をそろえるための機能がついているため、ぜひ活用しましょう。

区切りを明確にしてまとめる

区切りを明確にしてまとめる

まとめるにはさまざまな方法がありますが、ここで解説するのは区切りを明確にするまとめ方です。例えば、A、B、Cという3つの作業を説明する場合は、それぞれをグルーピングすると視覚的にA、B、Cが別々の作業であることを認識できます。グルーピングの方法には、それぞれの項目を枠で囲むことや背景色を変えるなどがあります。

関連性のない情報がつながっていると、情報を頭の中で整理する間がなくなってしまい、読み手は途端に読む気力を失いかねません。したがって、区切りを明確にし、まとまりのあるレイアウトを意識しましょう。

余白を活用する

余白を活用する

余白の活用は、「見やすいレイアウト」に欠かせません。「余白の美」という言葉があるように、余白に意味を持たせることはマニュアル作成において重要なテクニックです。

余白があると、読み手の視線を文字やイラストなどの情報に誘導できます。また、前述した内容と一部重複しますが、余白によって説明部分の区切りが明確になり、情報の理解に集中できます。

ほかにも、ところどころに余白を入れることで全体的な圧迫感がなくなり、一区切りつくたびに休憩できるのも嬉しい点です。

整ったテキスト

心得ておきたい作成の4ポイント

長文になるほど、読み手は読むことが面倒になり、マニュアルを遠ざけたくなります。しかし、テキストを整えることで、要点を抑えながら読み進められるマニュアルづくりが可能です。ここでは、「整ったテキスト」を実現するための3つのポイントを解説します。

目的に合ったフォントを選ぶ

目的に合ったフォントを選ぶ

見やすいフォントはゴシック体です。ゴシック体は、一般的に目につきやすいタイトルや見出しに用いられ、看板やポスターにもよく使われます。読みやすいフォントは明朝体です。書類の本文などによく用いられ、新聞や小説で定番のフォントとなります。

したがって、タイトルやイラストの見出しなど、マニュアル内で読み手にインパクトを与えたい箇所にゴシック体を選択し、業務の説明文など長文になりがちな箇所は明朝体を選択するといいでしょう。しかし、フォントが切り替わりすぎると視覚的ストレスの原因にもなるため、バランスを考えて使用してください。

太字を有効活用する

太字を有効活用する

マニュアル内で文字が続く場合、タイトルや見出しのフォントを太字にして目立たせる方法が有効です。すると、読み手に「話の転換点」を意識させることができ、太字が出てくるたびに新たな気持ちで読み進めてもらえます。

一方で、太字を多用すると読み手がどこに着目していいか分からなくなり、本来ポイントとなる部分を伝えたいはずが、かえって読みにくくなる可能性があります。したがって、太字はタイトルや見出しだけに限定し、ポイントは色付きや下線をつけるなどして使い分けるやり方がおすすめです。

一文を短くシンプルにする

一文を短くシンプルにする

一文が60文字以上になると、「文字数が多い」と読み手に敬遠されやすくなります。一文50文字以内を心がけ、シンプルな表現を目指しましょう。もし、一文が長くなってしまう場合は、重要事項のみをピックアップして箇条書きし、その後ろに説明文を入れる工夫をすると読みやすくなります。また、見た目もすっきりし、一回で頭に入ってくる情報量も少なくなるため、理解度の向上も期待できます。

読者の視覚に訴える図表・イラスト

読者の視覚に訴える図表・イラスト

必要に応じて図表・イラストや写真などを挿入し読み手の視覚に訴えましょう。なぜなら、図表・イラストは文字に比べ一目で得られる情報量が多く理解度が深まるからです。ここでは、図表・イラストなどを挿入する際に注意すべき2つのポイントを解説します。

写真やイラストを入れる(電子版であれば動画を入れる)

機械の操作方法や道具の使い方、作業着の着用方法などは図や写真を用いて手順を示したほうが読み手の理解が深まります。また、電子版のマニュアルであれば、アイコンをタップすることで解説動画や作業イメージの映像が流れるなどの工夫ができます。動画は、一連の流れを動きつきで確認できる上に、理解できなかった部分は巻き戻しができるので非常に有効なツールです。

関連記事:わかりやすい操作マニュアルの作り方|初心者でも簡単に作成できるポイント

図表は必要最低限にする

図表はあくまでも、文字だけでは理解が難しいと感じる読み手をサポートするためのものです。したがって、図表が多すぎると読み手に余計な情報を与えてしまうため、説明書きや解説がつかない図表はいれないようにしましょう。

マニュアル作成でありがちなのが、スペースを埋めるためにイラストや表を挿入してしまうパターンです。前述したとおり、余白は有効活用すべきもので、無理に埋める必要がありません。また、データを分析した結果をグラフや表にしてマニュアルに挿入してしまうケースも散見されますが、「読み手にとって本当に必要な情報なのか」を考えてから実行しましょう。

活用されるマニュアルを目指す

活用されるマニュアルを目指す

マニュアルは、日常の業務で実際に活用されなければ意味がありません。しかし、活用されるための見やすいマニュアルを作成するには、膨大な時間とさまざまな工夫が必要となり、容易ではありません。また、社内にマニュアルを浸透させるためには、作成後も改訂を重ね恒常的にアップデートしなければなりません。

したがって、会社(経営陣)はマニュアル作成の部署を一本化するのと同時に、作成のクオリティを保つために本記事で解説した「見やすいマニュアル」を作成するポイントについて研修・教育を行う必要があります。「見やすいマニュアル」のポイントを抑え、社内で活用されるマニュアルを目指してください。

まとめ

「見やすいマニュアル」を作成できずお困りの方は、まずその手順と心得ておくべきポイントを理解してください。そして、自社のマニュアルと照らし合わせ改善すべきポイントなどを見つけましょう。すると、これまでのマニュアル作成業務における自社の課題を把握でき、今後の作成方針が明確になります。

ぜひ、本記事で解説した内容を参考に、見やすいマニュアルの作成に取り組み、マニュアルを土台にした業務効率化や教育・研修の充実を実現しましょう。

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