便利屋を開業するには|必要な資格や資金・失敗しないノウハウの紹介
更新日:2023.10.2
投稿日:2022.9.5
便利屋は、日常生活のさまざまな困りごとに対応しているサービスで、近年需要が増加傾向にあります。そのため、便利屋事業への参入を検討している方もいるのではないでしょうか。便利屋を開業するのであれば、具体的にどのような資格が必要なのか、資金はいくら必要なのか、経営初心者の場合はフランチャイズへ加盟できるか確認しておくと良いでしょう。
この記事では、便利屋とはどのような事業なのか、開業に必要な資格や開業までの流れや依頼が入らず困った時の対処法を紹介します。
目次
便利屋の仕事内容
便利屋とは、日常生活の困りごとの解決をサポートする事業です。「なんでも屋」「よろず屋」「御用聞き」などと呼ばれることもあります。
便利屋の具体的な仕事は、以下のような内容が挙げられます。
- パソコンなどの初期設定やエラー解消
- ゴミ出し、草むしり、ペットの散歩
- 買い物代行や行列に代わりに並ぶ並び代行
- イベントチケットの取得代行、電話番
- 家電や家具の修理
- 引越しサポート、不用品の処分
- 害虫駆除
- 片付け、清掃
- 電球交換や住宅の補修業務
- 子守り、相談や話し相手
依頼者のニーズにこたえるのが便利屋であり、上述の業務以外にも依頼内容は多岐にわたります。
便利屋は儲からない?需要動向をチェックしよう!
便利屋は儲からないと言われることもありますが、実際はどうなのでしょうか。
便利屋の開業を検討しているのであれば、まずは便利屋がどのような場面で利用されているのか、依頼の傾向や利用者層(年代や性別、価格帯)などの需要動向を把握しましょう。
ここでは、便利屋を含む生活関連サービス業の市場規模の推移や、利用者ニーズの傾向と今後の展望を解説します。
便利屋を含む生活関連サービス業の現況
便利屋は、サービス業・娯楽業の中で生活関連サービス業に該当します。
総務省統計局が行った「サービス産業動向調査」によると、新型コロナウィルスの感染拡大前にあたる2018年頃まで、サービス業の月間売上高は前年比1~3%程度の増加で推移していました。
しかし、2020年度には新型コロナウィルスの感染拡大による影響を大きく受け、サービス業全体で3月以降の月間売上が10~23%ものマイナスとなりました。
一方で、2021年度から少しずつ復調の兆しを見せており、2021年11月度~2022年5月度にかけてのサービス業全体の月間売上は前年比プラス成長を続けています。
生活関連サービス業もそのあおりを受け、2020年度12月には前年同月比マイナス12.5%もの落ち込みを見せたものの、2022年度5月には前年同月比でプラス15%成長しました。
このように、サービス業全体で新型コロナウィルスの感染拡大による落ち込みから徐々に回復し始めています。そのため「今後便利屋を開業したい」と考えている事業者にとって、開業準備にも良い兆しとなっているのではないでしょうか。
(参照:「サービス産業動向調査」平成30年12月結果|総務省統計局/「サービス産業動向調査」令和3年12月結果|総務省統計局)/「サービス産業動向調査」令和4年5月結果|総務省統計局)
3,000円以下のサービスに対する需要が高い
便利屋は、一般的には作業時間に応じて1時間単位の料金が設定されています。例えば、依頼に応じて作業員を2名派遣する場合、2名分の時間料金が必要です。
時間単位の料金は基本料金であり、依頼内容に応じて追加費用が発生します。電気工事や修理などの専門性の高い依頼や、廃棄物の大掛かりな運搬など車両手配が必要になるようなケースです。
中小企業基盤整備機構(J-Net21)が実施した平成31年度の便利屋に関するアンケート調査によると
「便利屋を利用したことがある」と回答したのは全体の3%程度に留まりました。
便利屋を利用したことがある人の1回あたりの利用料金は、3,000円未満が全体の3割以上を占めています。
(参照:「便利屋アンケート調査」平成31年|中小企業基盤整備機構(J-Net21))
つまり、便利屋は今後利用者層の拡大余地があり、利用者は「3,000円以下のサービスに対する需要が高い傾向にある」と推察されます。
高齢者をターゲットにしている事業者も多い
便利屋事業者の中には、高齢者向けサービスを打ち出しているところも多くあります。
御用聞きと呼ばれるもので「15分100円でなんでもお手伝い」「電球交換1つ100円」など、日常生活の中で高齢者が不便に感じることを低価格で依頼できる点が特徴です。
交通費や人件費を考慮した場合、利益にならないような価格設定である一方、小さな依頼から信頼関係を築く狙いがあります。
顧客との信頼関係を築いていれば「いつも頼りにしている〇〇さんに住宅のリフォームを依頼したい」など、大口の依頼に繋がる可能性があるためです。
また、高齢者だけでなく、共働き世帯からの家事サポートの依頼などもあります。利用者のニーズを満たし、小さな依頼から信頼関係を築くなどリピーターを確保していけば、安定した収益の確保につながるのではないでしょうか。
便利屋の開業に必要な資格・許認可
便利屋の開業に必須の資格はありません。基本的には引き受ける依頼内容に応じて取得すれば問題ありません。
便利屋の開業後に引き受ける依頼の内容次第では、複数の資格や許認可を取得しておくべき場合もあるため、開業前になにが必要か確認しておきましょう。
具体的にどのような資格や許認可が必要なのか、取得しておくと便利な理由を紹介します。
- 運転免許古物商
- 廃棄物収集運搬業の許可
- 電気工事士の資格
- 動物取扱業の許可
- 害虫駆除関連の資格
- 一般貨物運送業の許可
電気工事関連やゴミ収集など、資格や許認可を取得していなければ引き受けられない依頼もあります。
無資格や無許可で依頼を受けることがないように、必要なものは開業前に取得しておくと良いでしょう。
運転免許
運転免許は、便利屋の開業前に取得しておくと便利な資格の一つです。とくに、普通自動車の運転免許は、依頼者の元へ足を運ぶ際に必要なので取得しておくと良いでしょう。
また、不用品回収などを引き受ける場合には大型の車両手配が必要なケースもあるため、中型や大型の運転免許を取得しておくのも便利です。
そのほか、普通二種免許を取得しておけば、買い物や病院の送迎などの依頼を受ける場合に活用できます。
古物商・廃棄物収集運搬業の許可
便利屋を開業して不用品の買取や販売を行う場合は、古物商許可を取得しておかなければなりません。
また、回収した不用品を廃棄処分するのであれば、産業(もしくは一般)廃棄物収集運搬業許可の取得が必要です。
不用品の回収依頼を引き受けないのであれば必要ない許認可ですが、不用品の回収や廃棄、売買を行う際には必ず取得しなければならないため注意しましょう。
電気工事士の資格
電気工事士の資格は、ビルやマンションなどの大掛かりな電気設備の工事に必要な「第一種電気工事士」と小規模な電気設備の工事ができる「第二種電気工事士」の2種類です。
便利屋を開業し、住宅内コンセントや照明類の増設・移設、家庭用エアコンの設置などの依頼を受けるのであれば、第二種電気工事士の資格を取得しておくと良いでしょう。
ただし、店舗やオフィスなどで使用される大型の業務用エアコンは、冷媒フロン類取扱技術者の資格なども取得しなければなりません。
電気工事の依頼を請け負う際は、所持資格で対応できる依頼かを確認し、無資格で作業を行わないように注意してください。
動物取扱業の許可
便利屋では、ペットの散歩や留守番、一時預かりなどの依頼を引き受ける場合もあります。
ペットシッターの依頼にあたるため、ペットの世話を引き受ける際は「第一種動物取扱業」の許可が必要です。
第一種動物取扱業の許可を得るためには、半年以上の実務経験もしくは教育機関での専修課程を修了しなければなりません。
便利屋開業後に業務と並行して取得するのは難しいため、開業前に第一種動物取扱業の許可を取得しておくと良いでしょう。
害虫駆除関連の資格
害虫駆除は資格がなくても引き受けられますが、資格を取得していると知識や技術をもっている証明になるため、依頼者の安心感や信頼につながります。
害虫駆除に関連する資格には「防除作業監督者」や「ペストコントロール技術者」などが挙げられます。
ただし、専用の薬剤などを使用する場合には「毒物劇物取扱者」の資格が必要です。また、罠を設置して鳥獣を捕獲するときは「狩猟免許」を取得していなければなりません。
同じ害虫・害獣駆除の依頼でも、資格ごとに引き受けられる作業内容が異なるため、依頼を引き受ける前に必ず確認しておきましょう。
一般貨物運送業の許可
一般貨物運送業の許可は、トラックでの貨物運搬依頼を有償で引き受ける際に必要です。ただし、軽トラックは軽車両に該当するため、この限りではありません。
軽車両を使用した貨物運送の場合、軽貨物運送業の許可を取得すれば依頼を受けられます。
一般貨物運送業の許可を得るには、5台以上の事業用車両や人員、2,000万円程度の自己資金などを準備しなければなりません。一方で、軽貨物運送業の許可であれば、事業用車両が1台でも申請できます。
そのため、便利屋で軽トラックやオートバイなどの軽車両で貨物の運搬依頼を受ける場合は、貨物運送業の許可よりも取得しやすい「軽貨物運送業」の許可を取得すると良いでしょう。
便利屋の開業資金の目安
便利屋の開業に必要な資金は、開業後に引き受ける業務内容の違いや起業時の事業規模によって異なります。
便利屋の開業にかかる費用の目安は、100万円~2,000万円ほどです。とくに、依頼先に向かう際に必要な車両の購入費やフランチャイズの加盟金などは数十万円~数百万円程度かかります。
そのほか、販促用のチラシやホームページの作成費用、制服や工具、清掃器具などの購入費、事務用品費、賠償責任保険料なども必要です。
個人で開業する場合は、開業にかかる費用は全額自己負担です。
一方で、フランチャイズに加盟した場合、フランチャイズ企業によっては制服や工具、清掃器具などの準備費用、チラシなどの販促費、保険料などが加盟金に含まれている場合があります。
便利屋を開業するまでの流れ
便利屋を開業する際、開業にいたるまでの流れを把握しておくと準備がスムーズに進められます。
便利屋を開業する際、以下のような流れに沿って準備を進めることが一般的です。
- 開業資金や開業後の運営資金の準備
- 必要な許認可や資格の取得
- 人員や車両、必要機材などの準備
- 開業届の提出
- チラシやホームページなどの集客
これは、開業までの大まかな流れです。
例えば「SNSを活用した宣伝や集客を行いたい」「フランチャイズに加盟したい」などの希望があれば、準備項目も変化します。
とくに、フランチャイズに加盟して便利屋を開業する場合、フランチャイズ企業の選定にも時間を要するでしょう。
開業までに必要な準備期間は、半年~1年が目安です。さらに、資格や許認可の取得にも時間がかかる場合があるため、開業準備は余裕をもって進めましょう。
関連記事:開業届の出し方と流れを紹介│個人事業主なら知っておきたい注意点も解説
便利屋開業の失敗を防ぐ!2つの注意点
便利屋開業の失敗を防ぐために、2つの注意点を紹介します。
開業後は、利用者とのトラブルに注意しなければなりません。利益を出そうとするあまり、法律に違反するような依頼を引き受ければ罰則を受ける事態になりかねないためです。
ここからは、便利屋開業後に想定されるトラブルを回避するために、意識しておきたい注意点を紹介します。
道徳的に問題のある依頼は受注しない
便利屋には、詐欺行為や薬物の売買、運搬に加担させられるなど、法律に違反する依頼が入る可能性はゼロではありません。
また、明らかに法律違反にあたる依頼以外にも、道徳的に問題のある依頼が入る場合があります。
替え玉受験、夜逃げ後の不用品回収、引き取り先に無断で荷物を送りつける、などトラブルの原因になりかねない依頼は少なくありません。
そのため、法律違反にあたる依頼を引き受けず、法律に違反していない依頼であっても道徳的に問題があると推察される依頼は断ることが大切です。
そのようなトラブルに発展しないためにも、依頼に着手する前に依頼内容の詳細や料金を明確に提示し、利用者の納得を得てから依頼を引き受けましょう。
資格や許認可の範囲外にあたる依頼に注意
便利屋を開業すると、さまざまな依頼が舞い込んできます。しかし、上述のとおり依頼内容によっては、資格や許認可がなければ引き受けられないものもあるため、注意しなければなりません。
資格や許認可を得ていない依頼を引き受けると法律違反にあたります。罰則を受け、利用者からの信頼を失う結果になれば事業の存続も難しくなるかもしれません。
そのため、依頼を引き受ける前に資格や許認可を得ている内容か必ず確認した上で、引き受けるように注意しましょう。
便利屋を成功させるコツ│4つの仕事の取り方
便利屋の成功させるために、安定的に収益を生むための仕事の取り方や、依頼が減少した際の改善策を4つ紹介します。
- 信頼を重ねてリピーターを獲得する
- 特殊な依頼をメニュー化する
- 集客方法や料金設定を見直す
- フランチャイズに加盟する
便利屋は競合が多く、待っているだけでは依頼が来ない可能性があります。以来が来なければ収益につながらず、事業の存続にも影響しかねません。
信頼を重ねてリピーターを獲得する
便利屋を開業したら、リピーターの獲得に向けて信頼を重ねていくことが大切です。
信頼を重ねていけば「この人にお願いしたい」「ぜひ知り合いに紹介したい」など、継続利用や紹介での新規開拓にもつながります。
依頼が来ない時の改善策の一つではあるものの、可能な限り開業後からリピーター獲得に向けて小さな依頼でも丁寧に対応するように心がけましょう。
次回の依頼がしやすいように、電話番号・ホームページを案内するなど、申込み・お問い合わせがしやすい導線をつくっておくことが大切です。
特殊な依頼をメニュー化する
競合が多い便利屋では、他社との差別化が依頼を継続して獲得するための重要なポイントになります。
ペットシッターを専門に行う業者はありますが、利用者から「不用品回収も同時に依頼したい」「ついでに電球交換もして欲しい」など、複数の依頼が同時に入る可能性があります。
そのほかにも、特殊な依頼は多くあります。
「通院のために家から体の不自由な家族を車まで運んでほしい」
「重いものを購入したいので買い物に付き添って欲しい」
「一人暮らしで寂しいのでお茶をしながら話し相手になって欲しい」
「一人では作業に集中できないので横で見ていて欲しい」
上記はあくまで、便利屋に入る可能性がある特殊な依頼の一例です。
便利屋には、引越し業者、不用品回収業者、探偵業者、ペットシッター業者など、特定の業種に依頼できず困っている利用者からの依頼が入ります。
あえて、それらの特殊な依頼も引き受けているとメニューに明記しておけば、利用者のニーズを引き出せるでしょう。
集客方法や料金設定を見直す
便利屋を開業しても依頼が入らず困った時は、集客方法や料金設定を見直すのも改善策の一つです。
集客手段がホームページのみであれば、チラシの配布やSNSの公式アカウントを活用するのも良いでしょう。
また、料金設定が近隣の競合他社と比べて高くなりすぎていないか、相場を確認するのも重要です。
時間単位の利用料金の改定や、複数の依頼を同時に行えば割引になるなど、顧客が利用しやすい料金設定を模索しましょう。
ただし、料金を一度下げてしまうと引き上げるのは容易ではありません。そのため、料金を改定する際には、料金を下げる以外に集客につながる改善策はないか考え、慎重に検討する必要があります。
関連記事:SNS集客7つのコツと成功事例!口コミを生み出すポイントも解説
フランチャイズに加盟する
便利屋を開業して依頼が入らない時は、フランチャイズに加盟するのも選択肢の一つです。
フランチャイズに加盟すれば、本部によって、個人では難しいテレビCMの放映や広告掲載など、宣伝効果の高い方法で集客してもらえます。
加盟金に広告費やホームページ制作費が含まれているところも多く、集客をある程度本部に任せて依頼に注力できるのもフランチャイズに加盟するメリットです。
はじめての経営でうまくいくか心配な方や、個人で便利屋を開業してうまく集客できない時は、フランチャイズに加盟して事業の立て直しや集客ノウハウを学び直してみると良いでしょう。
便利屋のフランチャイズに加盟して開業するメリット
便利屋は個人で開業する方法だけでなく、フランチャイズに加盟して事業を始める方法もあります。
フランチャイズに加盟すべきか判断に迷った場合は、フランチャイズに加盟するメリットやデメリットを踏まえて検討すると良いでしょう。
まずは、フランチャイズに加盟して便利屋を開業するメリットを3つ紹介します。
フランチャイズ本部のブランド力で集客しやすい
フランチャイズに加盟すると、フランチャイズ本部のブランド力や知名度を活用できるため、個人で開業するよりも集客しやすい点がメリットです。
また、フランチャイズ本部からマーケティング方法の指導を受けられ、ホームページやチラシの作成などを代行してもらえる場合もあります。
大手のフランチャイズ企業であれば、テレビCMや新聞、雑誌などの広告、SNSの活用などを行っているのも特徴です。
個人で集客にかけられるコストや人手には限界があるため、フランチャイズに加盟して本部のブランド力を活用すれば、個人で宣伝するよりも高い集客効果につながるでしょう。
経営初心者でもサポートしてもらえる
便利屋の開業時にフランチャイズに加盟すると、本部のサポートを受けられるメリットがあります。
本部のサポートを受けながら事業を始められるため、経営初心者でも安心です。本部から受けられるサポートには、便利屋に必要な技術や知識の講習、営業方法に関する指導などがあります。
また、開業時に必要な備品(制服や清掃依頼などに必要な器具など)を支給しているフランチャイズ企業も少なくありません。
フランチャイズ本部によって受けられるサポートの内容が異なるため、加盟する前にどのようなサポートを受けられるのか確認しておきましょう。
研修を通じて新たな知識や技術を身に付けられる
フランチャイズに加盟すると、フランチャイズ本部の研修を受けられるため、便利屋に必要な知識や技術を身に付けられるメリットもあります。
研修を受ければ事業を始めたばかりの初心者でも、清掃・修繕作業のスムーズな進め方、印象の良い接客方法などを効率良く学べるでしょう。
例えば、清掃業務に強い便利屋のフランチャイズ企業であれば、エアコンのクリーニングやキッチンの油汚れの落とし方、水回りの修理方法なども丁寧に指導してもらえます。
そのほか、修繕業務の研修を行っている便利屋のフランチャイズ企業では、網戸や襖の補修・張り替え、ドアノブやカギの交換方法などを学べる機会もあるでしょう。
接客などの基本的な研修以外にも、技術を学ぶ研修を有料オプションで追加できる企業もあります。
「フランチャイズに加盟したが、受けたい研修がなかった」など、加盟後に困ることがないよう、どのような研修が受けられるのかを加盟前に確認しておきましょう。
便利屋のフランチャイズに加盟して開業するデメリット
フランチャイズに加盟すべきか判断する際、デメリットを把握しておけば、フランチャイズに加盟すべきか判断する材料になるだけでなく、フランチャイズ加盟先の選択基準にも活用できます。
例えば、加盟金やロイヤリティの負担が大きいのであれば、金銭的負担の少ないフランチャイズ企業を選択する、開業資金を多めに確保するなどの対策が講じられるためです。
では、便利屋の開業時にフランチャイズに加盟した場合、どのようなデメリットがあるのでしょうか。
加盟金やロイヤリティを支払う必要がある
フランチャイズに加盟すると、加盟時に必要な「加盟金」に加え、加盟中は継続してロイヤリティをフランチャイズ本部に支払わなければなりません。
ただし、加盟金やロイヤリティの金額はフランチャイズ企業によって異なるため、加盟する前に確認しておきましょう。
例えば、加盟金が約10万円のフランチャイズ企業もあれば、約300万円必要な企業もあり、場合によっては加盟金ゼロで加盟できる場合もあります。
ロイヤリティの目安
ロイヤリティも同様に、企業によって異なるため注意が必要です。
フランチャイズ加盟後に支払うロイヤリティは「月額定額制」と「売上に応じた変動制」の2種類のうち、どちらかを採用している企業が多くあります。
月額定額制は、3~10万円程度を毎月本部に支払う契約です。一方で、売上に応じた変動制を採用している企業では、月の売上に対して5~30%程度のロイヤリティを本部に支払います。
加盟金やロイヤリティには、本部から受けられるサポートや研修などの費用が含まれているのも特徴です。
そのため、便利屋の開業時にフランチャイズへ加盟する場合、どのようなサポートや研修を受けたいのかを明確にする必要があります。
また、加盟金やロイヤリティの支払い負担が、想定される売上に対して大きくなりすぎないように注意しましょう。
競合が多くいるため差別化が必要
便利屋は、個人でも開業できる事業です。規模の大きな会社を設立せずに開業できるため、参入しやすい反面、競合が多くいます。
フランチャイズへ加盟すると本部のブランド力を利用し集客できる一方で、フランチャイズ本部の特色に統一されて差別化が難しくなるため差別化が必要です。
例えば、フランチャイズ本部のブランドロゴや制服を利用している、受注できる依頼内容が酷似しているなど、利用者が違いを理解できず迷う原因になります。
また、本部が提供している研修とは異なる専門的な資格(医療や電気工事など)を有していても、本部から受注を許可されなければ活かせない可能性があります。
例えば、電気工事系の資格を有しているにもかかわらず、ハウスクリーニングをメインに請け負うフランチャイズに加盟するのは、資格を活かせなくなる原因になりかねません。
そのため、加盟前の段階で受注できる業務の種類や、研修で身に付けられるスキル、フランチャイズ企業の強みなどを確認する必要があります。
関連記事:フランチャイズのメリット・デメリット│FC業界のプロが解説
便利屋の開業でフランチャイズ企業を探すならマッチングサービス!
弁当屋開業の開業でフランチャイズへの加盟を検討しているのであれば、マッチングサービスを活用してフランチャイズ企業を探してみてはいかがでしょうか。
複数社の加盟条件を確認できるため、フランチャイズ企業を1社ずつリサーチする手間がかかりません。
マッチングサービスを活用すれば、加盟金、ロイヤリティの有無や金額、サポート内容などを比較しながら希望条件に合う加盟先を探せます。
「フランチャイズに加盟したいけどどの企業が良いかわからない」「自分がもっている資格が活かせるところを探したい」など、フランチャイズ企業をお探しの際は、ぜひマッチングサービスをご活用ください。
まとめ
便利屋は、清掃や修繕、荷物の運搬、ペットシッター、代行業務など、さまざまな依頼が来る仕事です。
しかし、資格や許認可がなければ引き受けられない依頼や、道徳的に問題のある依頼が来ることもあるため、引き受ける前に依頼内容の詳細は必ず確認しておかなければなりません。
また、競合も多くいるため、依頼を得るための集客方法の確立やリピーターの獲得などにも尽力しましょう。
個人で便利屋を開業することが不安な場合や、うまく集客できず依頼が来ない時は、フランチャイズへの加入も検討すると良いでしょう。
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著者情報
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