SNS集客のコツは「売りこまない」こと!成功事例付きで解説
更新日:2023.1.17
投稿日:2022.10.12

「知人の経営者からSNS集客を勧められたが、SNSを使ったことがない」「これからの集客はSNSが必須と聞くが、何からどう手をつければよいのか」と悩む店舗経営者や小規模事業者は少なくありません。
なかには「今からSNSに参入しても遅いのではないか」「今さらSNSなんて、古いのでは」と感じる方もいるでしょう。
本記事では、SNS集客を成功させるために知っておきたいポイントを網羅的に解説しました。アカウント設計や運用のコツ、今すぐ真似できる成功事例の要素も紹介します。
最後まで読み、集客に貢献するSNS運用の秘訣を理解するヒントとしてください。
目次
成功するSNS集客に必要な準備5ステップ

SNSを使い集客を成功させるためには、アカウント開設前の準備が肝心です。やっておきたい準備を5ステップにわけて、ステップごとに概要と作業内容を解説します。
SNSを利用する目的を明確にする
まず、目的(最終的なゴール)に向けてSNS集客に果たしてほしい役割を決めます。
SNS集客の目的は、次の例が考えられます。
- 商品・サービスの認知度を上げたい
- ブランドイメージを浸透させたい
- 販売チャネルを増やしたい
- ECサイトの購入者を増やしたい
上記の例のように、SNSを利用してどのような目的を達成したいのか明確にしましょう。目的があることで、アカウントのコンセプトや投稿ルール・内容が決まりやすくなり、PDCAも回しやすくなります。
後述しますが、SNSにはそれぞれ特性があります。目的を達成するためには最適なSNSを選択することが重要です。
ターゲットを設定する

次に、SNSで情報を届けたいターゲットを設定します。ユーザーの興味関心に合った投稿が自動表示される「レコメンド機能」を活かすためです。
自社の商品・サービスと親和性の高いユーザー像(ターゲット)を明確にしておくと、投稿がよりユーザーに届きやすくなります。
ターゲットに関して決める項目は、次の3つです。
基本的属性(年齢、家族構成、職業、年収、居住地 など)価値観(大切にしているもの、考え方 など)悩みや夢 |
「標準価格帯の無添加スキンケア用品を販売する会社」なら、以下のようなターゲットが考えられます。
40代、女性。小学生の子が2人。シンプル&ナチュラル嗜好。リネンやコットン素材が好き。教育費がかかるため、高価格帯のスキンケア商品には手が出ない。手間いらずでうるおいをキープできる、自然素材の商品を使いたいと思っている。 |
またSNS固有の項目として、以下も決定しておきましょう。
- SNSを使っている理由(どのような情報を得るためにSNSを使っているか)
- SNSを開く場面や時間帯
- よく使うSNSの種類
各SNSの特性を知る
SNSの特性を知り、ターゲットにリーチしやすいSNSを見つけましょう。主だったSNSの特性は、次のとおりです。
SNS | 主なユーザー層 | 国内利用者数 | 特徴 |
20~40代 | 4,500万人 | ニュースやトレンドなどの最新情報との相性が良いテキスト投稿がメインなので気軽に使えるリツイート機能により拡散性が高い | |
10~40代どの世代でも女性が多い | 3,300万人 | ビジュアルに特化している「いいね」をしやすい雰囲気があるファッションやフード、化粧品、旅行など「映える」ジャンルとの相性が良い | |
LINE | 全世代 | 9,200万人 | 国内最大級のコミュニケーションツール企業の公式アカウント運用も多いユーザーと1対1で対応できる |
TikTok | 10~20代 | 1,700万人 | ショート動画を投稿するSNSほかのSNSに比べて若年層が多い気軽に利用できる雰囲気がある |
40~60代 | 2,600万人 | 実名アカウントが基本のSNS炎上や荒らし行為が少ない企業投稿は広告を使わないと伸びにくい | |
YouTube | 全世代40~50代のアクティブユーザーも多い | 6,500万人 | 世界最大の動画サービス集中力・没入感が高い状態で見てもらえるユーザーに映像で訴求できる |
ターゲットにあうSNSを選ぶ

SNSごとの特性を踏まえ、自社商品・サービス、設定したターゲットとの相性が良いSNSを選びます。
「Z世代(ミレニアル世代・2010年代以降に生まれた世代)」などの若年層がターゲットならば、FacebookよりInstagramやTikTokが向いています。
テキストより動画のほうがアピールしやすい商品なら、TwitterよりYouTubeが良いでしょう。
商品や担当者の個性が強く、「バズる(SNSで広く話題になる)」投稿を作成できそうなら、拡散性の高いTwitterと相性が良い可能性もあります。
また、複数のSNSを運用すると、以下の相乗効果が期待できます。
- より多くの人に広まりやすくなる
- 媒体ごとに見せ方を変えてアピールできる
- 「Twitterで集客し、YouTube動画に流す」など、SNSの使い分けができる
投稿計画を決める
どのSNSを使うかが決まったら、投稿する頻度・時間などの投稿計画を決定します。次々と新しい投稿が流れるSNSでは、投稿した時点で見てもらうことが重要なためです。
ターゲットのライフスタイルに合わせ、もっとも見てもらいやすい時間帯に投稿できるよう考えます。
ターゲットと投稿するタイミングの組み合わせの一例を紹介します。
ターゲット | 投稿のタイミング | 理由 |
ビジネスパーソン | 通勤時間ランチタイム | 通勤中の閲覧が見込めるランチを待つ間の閲覧が見込める |
子育て中の主婦 | 10時ごろ14~15時ごろ | 朝のタスクがひと段落し、スマホを見やすい子どもが昼寝をするため、スマホを見やすい |
学生 | 夕方就寝前 | 学校が終わった時間寝る前に一日の情報をチェックする時間 |
SNS集客のメリット5つ

ターゲット設定や投稿計画などを聞くと、「SNSで集客するのは、手間がかかりそう」と感じる方もいるのではないでしょうか。しかし、SNSにはほかの広告媒体では得られないメリットがあるため、5つにわけて詳しく解説します。
初期投資なしではじめられる
企業が自社の情報を広めたいとき、一般的にはお金をかけて広告を出します。たとえばGoogle結果の上位に表示されるリスティング広告なら、1クリックあたりの相場は80〜1,000円といわれます。
ところがSNSは、アカウント開設から投稿、ユーザーの集客まで無料でできます。「コンテンツ制作や運用を外部委託する」「有料の広告機能を使う」など、費用をかけた運用方法もありますが、自社のリソースだけでコツコツと続けることもできます。
無料で始められるため、広告にかける予算が少ない企業にも向いています。
ターゲットに直接アプローチできる
SNSは広告と異なり、狙ったターゲットに直接情報を届けやすい点が特徴です。
たとえば、ハッシュタグ(「#」キーワードや話題を分類するタグ)を活用した投稿をすると、ターゲットにリーチしやすくなります。
商品・サービスとマッチしそうな投稿に企業側から『いいね』をつけ、自社の存在をターゲットに知ってもらう認知活動も可能です。
不特定多数が目にするコマーシャルやチラシなどのマス広告と比べて、少ない予算で効率よくターゲットに情報を届けられます。
企業のブランディングになる
ブランディングとは、自社の商品・サービス、企業自体に対するイメージを確立する戦略です。企業ならではのオリジナリティや独自の付加価値を創造し、ユーザーに「ここが好きだ」と親和性を抱いてもらう目的があります。
企業が「自社らしさ」を前面に出した投稿をしやすいSNSは、ブランディングと相性の良い媒体です。フォロワーが増え、ユーザー間で商品・サービスのイメージが浸透していきやすい点も、ブランディングに貢献します。
企業イメージが確立すると競合他社との差別化につながり、ユーザーにも「ほかとは違う」印象を抱かせやすくなります。
口コミが期待できる
商品やサービスを購入する際、多くの人が口コミを参考にする傾向があります。下の図は2021年にKDDI Evolvaが行った商品購入に関する動向調査の一部です。
全体の半数が「商品購入時に口コミを参考にする」と回答し、さらに98%以上が「良い口コミで商品購入を決めたことがある」と答えています。
中でもSNS上の口コミは、「購入した人の率直な感想が聞ける」と注目されています。口コミの投稿を見たほかのユーザーが投稿をシェアするケースも多く、SNSは口コミを活用したプロモーションと相性が良いです。
企業側から情報を発信せずとも、ユーザーの間で良い口コミが広がり、商品購入につながる販路も期待できます。
見込み顧客のファン化ができる
SNSのフォロワーには、さまざまなユーザー層がいます。中には「購入するつもりはないが、アカウントの雰囲気が好きでフォローしている」人もいます。こうした見込み客を含めて、フォロワーに長期的に情報発信できる点もSNS集客のメリットです。
購入意欲がなかったフォロワーも、何度も投稿を見るうちに興味が深まり、ファンになる可能性があります。タイミングよくキャンペーン告知を見れば、「試してみようか」と購入につながるかもしれません。
人には、対象と触れる回数が増えるほど好感を抱きやすくなる心理的特性があります(「単純接触効果」)。毎日何度も見るユーザーも多いSNSで接点を増やした結果、自社への好感度が上がり、ファンになってくれる期待もできます。
SNS集客のデメリット3つ

SNS集客には、デメリットもあります。初めてSNS運用をはじめる担当者が、最初におさえておきたいデメリットを、3点解説します。
集客できるようになるまで時間がかかる

SNSで集客できるようになるまでには、ある程度の時間がかかります。集客につながるSNSに育てるには、以下の課題を超えなければなりません。
アカウントの存在を知ってもらうアカウントに興味を持ってもらうアカウントをフォローしてもらう商品やサービスを知ってもらう・覚えてもらう商品やサービスを購入してもらう |
上記の流れは、近年の消費者行動の特徴として知られる「AISAS」を理解すると納得できます。AISASとは、次の消費者行動の頭文字をとったものです。
- Attention(認知:投稿を見て認知する)
- Interest(興味:より詳しく知りたいと興味を持つ)
- Search(検索:ハッシュタグなどで商品を探す)
- Action(行動=購入:検索結果に表示された商品を購入する)
- Share(共有:感想を投稿し、口コミをシェアする)
1つ投稿をしたら、すぐに購入行動が起きるとは限りません。コツコツと時間をかけて、継続的に運用を続ける覚悟が必要です。
炎上のおそれがある
「炎上」とは投稿や書き込みに対して、批判・誹謗中傷が短期集中的に発生する事態です。
SNSは気軽に投稿できるために、意図せず規範意識やモラルに欠けた内容、誤解を招く発言などを投稿してしまう場合があります。また「投稿した内容が、たまたま批判を集めやすい内容・タイミングだった」など、企業側ではコントロールできない要素の影響を受けるケースもあります。
アカウント炎上は、運用ルールを決めておくとある程度防げます。差別や政治、セクシャリティなどの社会的問題、モラルに反する内容、程度を超えた悪ふざけなどは人の気分を害しやすく、炎上につながるおそれが高まるため、ルールで禁止しましょう。
SNS運用のポリシーガイドラインを設定し、社内に「SNS監視体制」を整えるなどの対応も大切です。
意味のない運用になりやすい

SNS集客は、アカウントと投稿一つひとつに自社商品・サービスへの導線を設計し、目的を持った運用をしなければなりません。CV導線や運用意図が明確でないと企業・店舗からの単なるお知らせの域を出られず、集客・売上に直結するアカウントになりにくいからです。
SNS集客のCV導線例は、以下を参考にしてください。
- プロフィールに自社ホームページへのリンクを掲載する
- 投稿に商品ページへのリンクを貼る(商品タグをつける)
- 投稿した商品を詳しく説明するLPをつくる
- フォロワー向けのオファーをつける(サンプル提供、無料体験など)
導線設計がないままのSNS運用では、フォロワーが増えても売り上げには貢献しません。「ゴール=集客」の目的を忘れないようにしましょう。
鉄則!SNS集客では売り込みをしない

目的が集客であっても、SNSでは売り込み(宣伝)をしないのが鉄則です。ユーザーに嫌われる要因になりやすいためです。
多くのユーザーは、「宣伝を見る」「商品を購入する」などの目的でSNSを使ってはいません。趣味や好きなことを楽しむために、または悩みを解決するアイディアを探すためにSNSを使います。そのとき、急に売り込み文句が目に入ると、「見たくないものを見せられた」とネガティブな印象を抱きやすくなります。
SNSは「売り込む」場としてではなく、「知ってもらう」場として使うようにしましょう。
Twitterで823万フォロワー(2022年9月時点)を誇る人気アカウント「シャープ株式会社」が投稿したツイートに、SNS運用の極意が詰まっています。
はじめていらしたみなさま。はじめまして。家電メーカーSHARPの公式アカウントです。公式といいながら、ここでは私という平社員が「爆売れしたらいいな〜」とぼんやり願いながら「ただ毎日そこにいる」というふるまいを続けています。詳しくは画像で。 pic.twitter.com/qEjDeFq6uj
— SHARP シャープ株式会社 (@SHARP_JP) November 7, 2019
シャープの製品が売れたらいいなと思いつつ、私はここで、宣伝する気がありません。なぜなら家電は必要に迫られて買うものです。推しへお布施したり、課金するものでもない。シャープをフォローしたからといって、シャープ製品を買う必要はありません。ましてや買えという広告を見る義理もない。ただでさえ買えという広告にあふれる世の中です。わざわざここで私が、広告を増やすこともないだろうと思うのです。
引用:https://twitter.com/SHARP_JP/status/1192358198780383232
だからツイッターでのシャープは、みなさんの友人や知人、あるいはサザエさんの三河屋のように、なんとなくあなたの毎日にいる存在を目指したい。近所の野良猫を見かけると「あ、いるな」と思うように、私をツイッターで見かけたら「あ、いるな」と思っていただけるとうれしいです。
ただしみなさんがいつかどこかで、家電を買う必要に迫られた場合は、シャープも候補に入れてください。あっちとこっちで迷ったら、シャープを選んでもらえると幸いです。もちろんお買い物のご相談はいつでもどうぞ。それではどうぞ、よろしくおつきあいくださいませ。
「売り込まれたくない」「興味のない宣伝は見たくない」などのフォロワー心理を踏まえ、「広告投稿はしません」と言い切っています。実際に自社製品の売り込みはしていません。
徹底した売り込まない姿勢が、フォロワーから支持されている代表例です。
売り込みをしないSNS集客のコツ

「売り込みをしてはいけないなら、SNSを使って何をすればよいのか」と悩むかもしれません。ここからは、売り込みをせずにSNSを効果的に運用するコツを解説します。
売り込まずにSNSで集客するコツは、次の3つです。
- イメージで訴求する
- コミュニケーションを取る
- 改善を繰り返す
それぞれを詳しく解説します。
イメージで訴求する
売り込みをせずにファン(フォロワー)を集めるためには、商品やサービスそのものより「ブランドのイメージ・世界観」の発信を重視しましょう。
テキストメインのTwitterなら、言葉やハッシュタグ選びで世界観を表現できます。ビジュアルがメインのInstagramは、写真の雰囲気やキャプチャをイメージに沿ったものにしましょう。
イメージがユーザーに浸透し、「〇〇といえば〇〇」と連想されるようになれば売り込まずとも認知が広がります。
北欧のライフスタイルを提案する道具店「北欧、暮らしの道具店」のInstagramアカウントは、商品を使ったシーンを見せています。「こんな暮らしができたら素敵だな」とフォロワーに感じさせる場面の切り取り方を参考にしてください。
また、すべての投稿には、該当商品への購入タグが付けられており、CV動線を構築しています。
コミュニケーションを取る
SNSはアカウントとフォロワーが気軽にコミュニケーションをとれるツールです。実際にコミュニケーションをとるかどうかは企業ごとに方針が異なりますが、販促活動の一環としてSNSでコミュニケーションを取る企業も数多くあります。
SNSコミュニケーションには、ユーザーの親近感や好感度を高め、自社商品を選んでもらう動機になりやすいというメリットがあります。
まったく知らない人が店舗を初めても興味がないが、知人が商売を始めたら「少し買って協力しようか」と考えたくなるのと同じ心理です。
( ・-・)。oO(ありがたや…) https://t.co/E6ed9rC88W
— パインアメの【パイン株式会社】 (@pain_ame) September 22, 2022
こんなにカラフルなのに・・・
— パインアメの【パイン株式会社】 (@pain_ame) September 26, 2022
ぜんぶ・・・
パイン味なんだぜ・・・
(スーパー等のハロウィン特設コーナー等で販売しています) pic.twitter.com/WK930UXa8z
パインアメでおなじみの「パイン株式会社」は、Twitter上の交流を大切にするアカウントとして知られています。「パインアメに関するツイートはリツイートする」「リプライには返信する」などの丁寧な対応が好感度を高めています。
改善を繰り返す

企業のSNS運用では、投稿ごとに改善を続ける必要があります。一度の投稿で目標を達成する例はまれです。多くのアカウントは投稿ごとに分析を続け、目標達成のトライ&エラーを重ねています。
SNS運用で計測対象となる指標は、主に以下の5つです。
- リーチ数(PV数)
- フォロワー数
- エンゲージメント率(いいねやコメントの数)
- インタラクション(投稿から起きたアクション数)
- UGC発生数(自社ブランドに言及した投稿数)
投稿後は指標の変動や推移を計測し、効果測定を行いましょう。目標に到達していない場合は、課題に応じて対策をしなければなりません。
課題と対策の一例をまとめました。参考にしてください。
課題 | 対策 |
リーチ数が不足 | 投稿数を増やすハッシュタグの方針を変える |
「いいね」が不足 | ユーモアのある投稿や共感されやすい投稿をする |
エンゲージメント率が低い | 商品の優位性や映えるシーンを紹介する |
コツコツと努力を続けていくと、いつしか「売り込まないのに売れる」アカウントに成長します。
SNS集客が成功するアカウントの共通点

ビジネスで結果を出すためには、成功している先達の真似をするのが近道です。集客に成功しているSNSアカウントの共通点をチェックし、真似できそうな要素を取り入れましょう。
汎用性があり、真似しやすい3つの成功ポイントを詳しく解説します。
プロフィールが充実している
プロフィールは、フォローしてもらえるかどうかを決める重要ポイントです。多くのユーザーは、プロフィールを見てフォローするかどうか判断します。「このアカウントは好きだ」「フォローしたらメリットがありそうだ」と感じたときに、はじめてフォローしてもらえます。
見込み客をファン化し、良い口コミが起きるアカウントにするためには、ターゲットから共感と信頼を得られるプロフィールを書く必要があります。
フォローしたくなるプロフィールには、以下の要素が含まれています。
名前(企業名)何をやっている企業か何を目的に発信しているのかこのSNSではどのような情報を発信しているのかフォローすると得られるメリットは何か |
またSNSを見たユーザーにとってほしい行動(CV)を踏まえ、適切なURLを配置します。公式ホームページや商品のランディングページのURLを置くのが一般的です。
発信に一貫性がある
成功しているアカウントは、発信(投稿)にブレがありません。発信内容に一貫性が保たれていると、ユーザーは安心して見ていられるため、やがて信頼にもつながります。
一貫性の重要さは、反対の例を考えると理解しやすいかもしれません。たとえばビストロレストランのアカウントなのに、オーナーがプライベートで食べたたこ焼きの写真や子どもの運動会の写真などをメインに載せていたら、ユーザーはどのように感じるでしょうか。
ユーザーは「ビストロレストランの情報を知りたいのに」と、残念な気持ちになるはずです。
企業のブランディングに準じた一定のパターンをつくり、同じ法則で継続投稿しましょう。写真の雰囲気や余白の取り方、キャプションの書き方なども統一すると、さらにコンセプトが整います。
いわゆる「中の人」がいる

「中の人」とは、企業の広報SNS運用担当者を指す俗語です。企業や商品・サービス紹介が表だって発信される合間に、運用担当者の人柄が垣間見えるケースがあることから「中の人」と呼ばれるようになりました。
ときに無機質になりやすい企業SNSにも、人間味あふれる担当者がいる事実をあらためて感じさせるため、ユーザーに親近感や共感を抱かせる効果があります。
「中の人」は運用担当者そのものであるため、他企業との差別化ができます。また「中の人」にファンがつくケースもあり、ターゲット以外にフォロワーのすそ野を広げるのにも役立ちます。
「中の人」を設定する場合は、次の3点を意識しましょう。
- 「中の人」の人格をつくる(担当者が交代しても継続が容易になる)
- ダメな部分も見せる(親近感や共感のもとになる)
- 誠実に、計画的に運用する(ユーザーファーストの姿勢を大切にする)
穴場キーワードを分析している
SNSで情報を探すユーザーは、検索ボックスに何かしらのキーワードを入れてサーチします。ターゲットがどのようなワードで検索するかを先回りして予測し、キャプションやハッシュタグで付けくわえておきましょう。そのワードで検索したターゲットに、投稿がリーチしやすくなります。
ただしメジャーなキーワードは競争が激しく、せっかくの投稿も埋もれてしまいます。ユーザーが検索しそうな、それでいて競争が激しくない「穴場キーワード」を見つけてください。
たとえば、下の画像はInstagramで「#宅配ボックス」を検索した結果です。

「#宅配ボックス」単体だと3.5万件の投稿がありますが、「#宅配ボックス〇〇」と単語が1つ加わるだけで投稿数が減り、発見されやすくなります。
宅配ボックスを販売している企業にとっては、「#宅配ボックス」より「#宅配ボックス設置」のほうが、購入見込み度が高いユーザーにアプローチできるはずです。
ハッシュタグ数が少ないキーワードは、投稿数が少ない分、上位表示される可能性が高くなります。見込み度の高いユーザーにリーチできる確率も上がるため、積極的に穴場キーワードを探しましょう。
【事例】SNS集客の成功アカウント3選

SNS集客は、中小企業や個人商店でも成功できる可能性がある点が魅力です。話題にもなったSNSの成功アカウントを3つ、紹介します。
- 飲食店「幸せのパンケーキ」
- 標識・銘板制作「石井マーク」
- 製造業「三陽工業株式会社」
飲食店「幸せのパンケーキ」(兵庫県)
「幸せのパンケーキ」は、淡路島に本店を構える人気パンケーキ店です。直営店は北海道から香港まで、26店舗を展開しています。
SNSはInstagram「幸せのパンケーキ_公式」を主に運用しています。フォロワー数はInstagramが6万人、Twitterが約8,000人です(いずれも2022年9月時点)。
幸せのパンケーキに投稿されている写真は、統一感があるのが特徴です。淡路島の日差しを感じさせる明るい写真が多く、パンケーキをはじめとした商品を美味しそうに演出しています。外観や風景など、パンケーキ以外の写真も投稿しており、飽きさせない工夫も見られます。
自家農園の鯖い風景や期間限定メニューなど、既存客もリピートしたくなる情報発信の仕方も参考になります。InstagramからのCVは「Instagram専用・オーシャンビュー個室の予約画面」となっており、ユーザーに特別感を抱かせる効果もあります。
関連記事:インスタで集客を成功させるには?開業に役立つSNS活用のコツ
標識・銘板制作「石井マーク」(大阪府)
Twitterフォロワーが4万人以上の人気アカウントです。本社は大阪市にあり、標識や銘板、ステッカーなどをつくっています。
プロフィールの完成度が高く、「何をしている会社が/どのような情報を発信しているか」が一目でわかります。投稿の多くは、日常で起こり得る危険や対策をユーモラスかつ、淡々と語ります。思わず「あるある!」と共感し、続きを見たくなるユーザーも多いはずです。
Twitterからは問い合わせ・注文受付をしていません。またキャンペーン・割引などの投稿もなく、会員専用サイトへのリンクがCVになっています。
ユーザーが役に立つと感じる情報を徹底的に発信し、ファンを増やせた成功例です。
関連記事:Twitter集客・7つのコツ!一瞬のバズより成約が継続する運用方法
製造業「三陽工業株式会社」(兵庫県)
@sanyoukougyou #全力仕事 してみました☺️❤️#全力まるまる #三陽工業 #おじキュン #三陽工業 #fpyシ #xpyzbca #funnyvideos #超特急 #72歳の森本さん #チャレンジ #全力チャレンジ ♬ チグハグ – THE SUPER FRUIT
三陽工業株式会社は、明石市に本社を置く製造業です。手広くSNSを行っており、SNSフォロワー数は合計で59万人に上ります。
◎ 三陽工業株式会社 SNSフォロワー数(2022年9月時点)Facebook 約1,000人Instagram 約3,500人Twitter 約2,500人YouTube 約3,000人TikTok 約58万人 |
なかでも目立つのは「TikTok 約58万人」です。2021年2月開設の比較的新しいアカウントながら、平均年齢58歳の「おじさんTikToker」の奮闘ぶりが話題になり、爆発的人気となりました。
TikTokに力を入れているのは、新卒採用への応募者を増やすためです。若い世代に支持されるTikTokに、中高年が大真面目に面白動画を投稿する姿が若者から支持されています。
実際、2022年新卒採用では、説明会参加者の7割が投稿を見ており、内定者8人中3人がTikTokからの応募だった実績も残しています。
中高年が若者向けのSNSに参入し、ファンを獲得し成功できた珍しい事例です。
まとめ
いまや生活に欠かせない存在になったSNSを、集客に活用しようとチャレンジする企業は数多くあります。「SNS集客はもう古い」と言う人もいますが、一方で紹介した事例のように集客に成功している企業も数多くあります。
SNSを使って集客に成功できるかどうかは、「SNSの特性を正しく知る」「ほかと差別化する」「軸をブラさずに運用する」の3点がポイントです。「いつのまにか、誰も投稿しなくなった」結末にしないためにも、記事を参考に成功のコツを押さえた運用をしていきましょう。
また自社でSNS運用が難しい場合は、専門家に代行を外注する方法もあります。SNSの代行運用は、Webコンサル会社やフリーランス、個人の副業などでも請け負っています。
「SNS集客に関してもっと詳しく知りたい」「効率の良いアウトソーシングに関する情報が欲しい」場合は、お役立ち情報を配信中のメルマガにご登録ください。
著者情報

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