フランチャイズでよくあるトラブル事例|問題点を回避する方法

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フランチャイズでよくあるトラブル事例|問題点を回避する方法

更新日更新日:2023.10.2

公開日投稿日:2022.8.17

問題解決に向けて話し合う3人

フランチャイズ事業は、本部のサポートやノウハウを得て運営ができるため、経営初心者でも始めやすいというメリットがあります。その一方で、フランチャイズ本部との契約にはさまざまなリスクや問題点が潜んでいます。
実際に、どのような問題が起こっているのでしょうか。

今回は、
・フランチャイズ契約前後 
・フランチャイズ契約中
・フランチャイズ契約終了後

3つのタイミング別に、よくあるトラブルをまとめました。とくに契約関係や売上・集客面での問題が起こりがちです。期待を大きく下回る、もしくは予想外の事態が起きると、トラブルにつながりやすくなります。

フランチャイズ経営での問題点をできる限り回避するために、どのようなことに注意すればよいのか、加盟店ができる対策をまとめました。フランチャイズに加盟してから後悔しないよう対策もご活用ください。

目次

フランチャイズ契約で起こるトラブルとは

フランチャイズの問題点を分かりやすく解説!

フランチャイズビジネスは本部と加盟店がフランチャイズ契約を結び、本部のブランド力や経営ノウハウを活かして、加盟店が事業を行うビジネスモデルです。

大抵の場合、加盟店はフランチャイズに参画する前に加盟金を本部に支払い、得た利益の一部をロイヤリティとして支払います。

そのかわりに本部は開業・運営のサポートしたり、成功するためのノウハウを指導したります。

信頼関係を結べばお互いに厚いビジネスパートナーとなりますが、上手くいかなければ問題が起こり、トラブルが発生することも珍しくありません。

契約の前後から契約終了後に至るまで、あらゆる段階で本部と加盟店のトラブルが起こる可能性があります。よく起こるトラブルはどのようなものなのか、契約の段階別に解説します。

フランチャイズ契約前後で起こりやすいトラブル

フランチャイズ契約前後で起こりやすいトラブル

フランチャイズの契約前後という初期の段階でも、さまざまなトラブルが発生します。3つのトラブルを紹介します。

  1. 開業資金の見積もりが甘く資金不足になる
  2. フランチャイズ契約のキャンセルができない
  3. 店舗が見つからず運営できない

フランチャイズ加盟店側の知識不足や確認不足によるものは、事前に知っておくことで回避できます。

開業資金の見積もりが甘く資金不足になる

フランチャイズの開業資金は数十万から数百万円がかかります。開業資金には、加盟金や保証金、研修費用、開業のための支援金や準備金、仕入れにかかる費用、販促費などがあります。

しかし、開業資金の内訳について厳密な規定はありません。

フランチャイズの業態によって開業資金は異なりますし、フランチャイズ本部によっても各社の特色があります。とくに注意すべきは見積もりと実際にかかる費用との差額が発生するケースです。

内外装の工事費用、什器備品などが初期費用とは別に請求されたり、開業資金の見積もり自体が甘く、実際には大幅にオーバーしたりすることがあります。

そのため初期の段階で資金不足に陥ってしまう可能性もあります。

フランチャイズ契約のキャンセルができない

フランチャイズ契約では、フランチャイズ本部と加盟店は互いに独立した事業者です。

つまり、フランチャイズ加盟店は本部からノウハウやサービスなどのパッケージを購入した消費者ではないため、消費者に対して定められたクーリングオフ制度は適用されません。

また、フランチャイズ本部によっては、仮契約であっても本契約のキャンセルを受け付けず、キャンセルをしたい加盟店とトラブルになることがあります。

店舗が見つからず運営できない

フランチャイズ契約時点で店舗物件が確定していない場合、加盟金や開業資金の支払いをしたにもかかわらず、物件が見つからずにいつまでも運営できないケースがあります。

このようなケースでは、フランチャイズ加盟店は営業開始や収益化の目処が立たないため、契約解除を前提とした加盟金の返金を求め、本部と加盟店の間でトラブルになることがあります。

フランチャイズ契約中に起こりやすいトラブル

すでにフランチャイズ事業を開業している段階でのトラブルは、開業前よりも損害が大きくなりがちです。

  1. 収益が予測を大きく下回る
  2. 本部のサポートやアドバイスが、思っていたほど得られない
  3. 同一エリアに競合店が出店する
  4. 看板や内装・外装を自由に変えられない
  5. 本部による経営指導やノウハウの提供がない

5つのよくあるトラブルを取り上げます。

収益が予測を大きく下回る

フランチャイズ本部の分析に基づく収益が、予測を大きく下回ってしまう場合があります。収益の予測は、確約されるものではありません。

しかし、実態が予測を大幅に下回る場合は、フランチャイズ本部による売上予測や集客予測などの根拠が乏しいことが要因の1つとして挙げられます。

トラブルに発展しやすいのは、来店数や顧客単価、1日の売り上げの予測に関して、実態よりも大きな数字を提示し、簡単に儲かるような説明をもとに契約を締結していていたような場合です。

とくに契約前の説明と現実が違うことに対して、フランチャイズ本部から説明がなかったり、サポートが手薄だったりすると、加盟店からの不信感を募らせやすくなります。

本部のサポートやアドバイスが、思っていたほど得られない

フランチャイズ本部の担当者に相談しにくく、加盟店側が期待していたほど経営や店舗運営に関するアドバイスが受けられない場合や、人材採用や集客・販促のための広告・PR活動のサポートを思っていたほど受けられない場合があります。

同一エリアに競合店が出店する

同一エリアに同業店舗が後から出店する場合、集客や売り上げが分散してしまいます。

店舗ごとにテリトリーを定めた「テリトリー権」が、契約上定められている場合は回避できる問題です。

(テリトリー権とは、フランチャイズ本部が加盟店の営業地域を特定し、同一エリアに競合店を出さないようにする権利です。ただしコンビニ業界では「テリトリー権」はありません。)

看板や内装・外装を自由に変えられない

フランチャイズに加盟すると、看板や内装・外装を自由に変えられません。ブランドイメージの統一を図るためです。

オーナーの独断で変更すると、知的財産権に違反したとみなされます。契約違反による契約解除や、損害賠償請求の対象になるケースもあるので注意しましょう。

知的財産権は、ブランドイメージを損なう行為が違反の対象です。運営方針や接客方法に従い、フランチャイズ本部が定めたルールから逸脱しないように注意しましょう。

本部による経営指導やノウハウの提供がない

フランチャイズ本部によって、受けられる経営指導やノウハウの提供には差があります。

経営指導やノウハウの提供を受ける契約をしたにも関わらず、提供がなかった場合は本部の「指導援助義務違反」です。

たとえば、

  • 加盟店の指導を担当するスーパーバイザーの巡回がない
  • 具体的なアドバイスが受けられない
  • 専門知識やスキルの研修がない

などです。

フランチャイズ本部から支援援助を受けられるかは、契約内容に左右されます。

経営指導やノウハウの提供をしっかり受けたい場合は、サポートが充実しているフランチャイズに加盟することが大切です。

フランチャイズ契約終了後に起こるトラブル

フランチャイズ契約が終了した後は、どのようなトラブルがあるのでしょうか。

  1. 解約の違約金が高くて払えない
  2. 契約期間終了後の契約更新ができない
  3. 一定期間は同業で開業できない
  4. 加盟中に把握した情報を使って営業・販売ができない

代表的なトラブルを説明します。

解約の違約金が高くて払えない

フランチャイズ加盟店の経営不振やオーナーの健康上の理由で、契約を途中解約する場合でも、契約内容によっては違約金を払わなければならないことがあります。

途中解約は、本部にとって予定していた収益が得られなくなるため、加盟店に対して、違約金の支払いを契約に定めているケースが多くあります。

さらに、違約金が解約時に支払えないほど高額でトラブルとなるケースがあります。

契約期間終了後の契約更新ができない

通常のフランチャイズ契約では、契約期間満了後に契約が自動更新されますが、すべてのケースに当てはまるわけではありません。

更新の条件を契約時に確認できていないことで、思いがけず契約が終了となってしまい、店舗を存続できなくなる事例もあります。

一定期間は同業で開業できない

フランチャイズ契約では、契約期間満了後または途中解約後に、加盟店が同業で独立することが制限される「競業避止義務」が規定されています。

業種の規定範囲や制限のある期間は契約によって異なりますが、契約に反した独立により、本部と加盟店がトラブルとなった場合、加盟店に対して「損害賠償の請求」「競業行為の差し止め請求」などの措置が行われることもあります。

加盟中に把握した情報を使って営業・販売ができない

フランチャイズ契約では、守秘義務(秘密保持義務)が生じます。契約期間満了後や解約後は、加盟中に得た情報をもとに営業・販売はできません。

守秘義務に含まれる情報とは、一般的に情報の保有者以外が知りえない状態にあるものを指します。具体的には、顧客情報や経営ノウハウなどが守秘義務の対象です。

違反すると損害賠償請求に発展することがあります。同業種で開業せず転職した場合も同様です。

守秘義務に関する条項は、加盟契約締結時の書面に記載されています。加盟契約の際に、守秘義務の対象に含まれる項目を必ず確認しておきましょう。

フランチャイズのメリットとデメリット

フランチャイズのメリットとデメリット

フランチャイズ契約における、本部と加盟店のトラブルを解説しました。

フランチャイズの問題点をうまく回避・解消でき、さらに恩恵のほうがより多く受けられると見込めるのであれば、加盟店になることをおすすめします。

ここではフランチャイズの問題点の解消につながるようなメリットと、問題の原因となるデメリットを紹介します。

フランチャイズのメリット

フランチャイズのメリット

フランチャイズのメリットについては、運営のノウハウやサポートが得られることが大きな特徴と言えるでしょう。そのほかにもさまざまなメリットがあります。

本部のブランド力を利用した集客が可能

フランチャイズ本部のブランド力により、一定の周知が図れている状態から事業をスタートさせられます。これにより、安定した集客が期待できます。

仕入れや販促費など諸費用の軽減ができる

本部による一括仕入れのため、単価当たりのコスト削減が期待できます。

また、広告宣伝などの販促費用を、本部が補助または負担することも多くあり、諸費用の軽減が期待できます。

フランチャイズのデメリット

フランチャイズのデメリット

フランチャイズ契約で、本部と加盟店のトラブル以外にも、デメリットとなる問題をまとめました。

運営方法や仕入れ先などに制約がある

フランチャイズでの運営は、サービスや勤務体制など本部の規定に沿って行わなければならないため、メニューやサービスの変更、仕入れ先の変更、開業時間や休日の変更なども、加盟店の判断で自由に行うことはできません。

あるコンビニエンスストアのフランチャイズ加盟店が24時間営業の制約に対し、時短営業を行ったり、営業時間の見直しを要求したりしたことが大きなニュースとなりました。

コンビニフランチャイズの問題点として、労働時間が過多となりやすく、営業時間の制約に苦労している加盟店があることが予測できます。

ブランドイメージの悪化による影響を受けるリスクがある

フランチャイズ本部のブランドイメージは、加盟店にとってメリットとなりますが、不祥事などでイメージが悪化した場合は、加盟店もその影響を受けるリスクがあります。

これは逆も言えることで、加盟店のイメージ悪化が本部のブランドイメージに影響するケースもあります。

ロイヤリティが負担になる

フランチャイズ加盟店は、本部に加盟金やロイヤリティを支払います。経営状態によっては大きな負担となることもあるため、無理のない額か、契約時によく検討することが大切です。

関連記事:フランチャイズのメリット・デメリット│FC業界のプロが解説

フランチャイズのリスク対策|問題を起こさないためのポイント3つ

フランチャイズのリスク対策|気を付けたいポイントは?

フランチャイズ本部とのトラブルや問題は、よくある事例を把握し、対策を練ることで回避できることも多々あります。

  1. 契約内容は入念に確認する良い
  2. フランチャイザーを選ぶ
  3. 本部と良好な関係を維持する

ここでは3つの注意したいポイントと対策を紹介します。

 契約内容は入念に確認する

フランチャイズに加盟するための契約書は非常に重要であり効力があるため、契約時には細かな内容まで目を通すことが必要です。

ロイヤリティや違約金の額、支払い条件、途中解約に対する諸条件など加盟店に不利となる条件がないか、曖昧な記載はないか、入念に確認してください。

契約書内の契約条件に不明点があるときには、近隣の商工会議所や商工会、一般社団法人日本フランチャイズチェーン協会(JFA)が開設している相談センターなどを利用するのもひとつの手段です。

良いフランチャイザーを選ぶ

フランチャイザーとはフランチャイズ本部の企業のことです。

フランチャイザーの中には、人材採用のサポートがなく加盟店が人手不足や過多労働となったり、商材が高額で経営を圧迫したりと、加盟店に不利益を与えるような好ましくないフランチャイザーが存在することも事実です。

フランチャイザーの話をすべて鵜呑みにせず、事業実績やサポート体制について、不明点や気になる点は積極的に質問し、解決しましょう。

自身でもインターネットで本部の企業実績や経営理念を確認したり、既存店に本部のサポート体制について話を聞いたりして調べることもできます。

その中で、将来性や収益性に優れた信頼できるフランチャイザーを選ぶことが大切です。

おすすめは、実際のフランチャイズオーナーの口コミ情報や体験談を確認する方法です。有名なフランチャイザーが、高い評価を獲得しているとは限りません。

本部のサポート内容について、リアルな生の声から満足度の高いフランチャイザーを選びます。

本部と良好な関係を維持する

フランチャイズ契約をした後は、本部と良好な関係を維持することが欠かせません。契約を無視した身勝手な経営は信頼関係を壊します。

困ったことがあれば本部に相談し、アドバイスを受けるなど、互いにビジネスパートナーとして協力し合える関係を維持することで良い店舗経営が期待できます。

ただし、フランチャイザーに経営を依存してはいけません。フランチャイザーに頼りすぎて店舗運営をすると、過度な期待をしてしまい、すでに挙げたような問題が発生しやすくなります。

加盟店が自立した店舗運営を行うために、フランチャイザーの力を借りるという発想が適切です。

必要な時に、本部の的確なアドバイスやサポートが受けられるような体制を作っておきましょう。

まとめ

フランチャイズ本部と加盟店の間で起こる問題点やトラブルと、リスク対策について解説しました。

信頼できるフランチャイザーを選ぶことは当然重要ですが、契約書を入念に確認することで回避できるトラブルは多くあります。

フランチャイズの実態を正しく把握し正しく行動することで、フランチャイズのリスクや問題をできる限り回避し、順風満帆な経営を目指しましょう。

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DokTech編集部
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