パン屋を開業したい!収益をあげるポイントや資金の目安を紹介
更新日:2023.10.2
投稿日:2022.8.17
「パン屋を開業したい」と考えていても、どのような流れで準備を進めれば良いのか、安定した経営は続けられるのかなど、不安に思うことも多いでしょう。近年では、高級食パン専門店やパンのサブスクリプションサービスなども登場し、パン業界では新たな事業展開が活発化しています。
しかし、パン屋の開業は必ずしも成功するとはかぎりません。なぜなら、パン屋の開業にかかる初期費用はほかの飲食店と比べて高く、競合店も多くあるためです。では、パン屋の開業を成功させるにはどうすれば良いのでしょうか。この記事では、パン屋の開業を成功させるためのポイントや準備方法、開業資金の目安など開業準備のコツを詳しく解説します。
目次
【開業編】パン屋に必要なものや開業までの流れ
まずは、パン屋開業に向けた準備を進めましょう。開業に必要なもののリストアップ、手続きの進め方などを把握しておくとスムーズにパン屋を開業できます。
コンセプト設定・仕入れルートの確保
パン屋開業にあたり、店舗のコンセプト設定から着手します。コンセプトとは、店舗経営の方向性を明確にしたもので、顧客に与える店舗のイメージにも影響する経営戦略の軸になるものです。
例えば、パン屋のコンセプトであれば「国産小麦100%使用にこだわったパン屋」や「毎日変化を楽しめる日替わりパンがあるお店」などがあります。
コンセプト設定のコツは、どのとうなイメージを顧客にもってもらいたいかを突き詰めることです。
「親しみやすく入りやすい店舗」「高級感がありワンランク上の素材にこだわったパンが購入できる非日常感がある店舗」など、店舗のイメージや顧客に与えたい印象をもとに決定すると良いでしょう。
また、販売するパンの種類も検討しなければなりません。近年は、食パンやクリームパン、メロンパン専門店など、特定のパンに特化した店舗も人気があります。
一方で、パン屋のイートインスペースとしてカフェを設けるなど、複数種類のパンを取り揃えたい場合もあるでしょう。
最初にコンセプトを明確にしておけば、販売するパンの種類やイートインスペースの有無なども検討できます。
そして、コンセプトを決定したらパンの材料を仕入れるルートを確保しましょう。
材料価格だけでなく、素材の良し悪しやほかの材料との組み合わせ、安定した供給が見込めるかなど、安心して取引できる仕入れ先を見極めます。
店舗物件の確保と設備購入
開業したいパン屋のコンセプト設定が明確になったら、コンセプトに合わせた店舗物件の確保や設備購入を行います。
店舗物件選びは、固定費として毎月家賃を支出しなければならないため、無理なく支払える金額の家賃に抑えます。
また、店舗の立地条件や周辺にある競合店の客層、商品の種類、店舗のコンセプトなどをリサーチしておくと良いでしょう。
事前に競合店のリサーチを行っておくと開業時に異なるコンセプトを打ち出すなど、差別化を図りながら経営戦略を立てられます。
さらに、店舗に導入する設備の検討も行わなければなりません。パンを焼くオーブンやミキサー、発酵機、コールドテーブル、ショーケースなど、さまざまなパン製造、ディスプレイ用機器の準備が必要です。
とくに、パン作りに欠かせない業務用オーブンは、10万~数百万円まで製品ごとの価格差が大きいという特徴があります。
そのため、導入するオーブンを選ぶ際は、欲しい機能や一度に焼きたいパンの個数、予算などから比較検討しましょう。
コンセプトにあわせた内装・外装工事
パン屋を開業する段階で、店舗の内装・外装を設定したコンセプトに合わせたデザインやレイアウトへ変更しておきましょう。
例えば、高級感を演出するのであれば、全体的に黒を取り入れた内装に間接照明で商品を照らすなどのレイアウトです。また、親しみやすさを演出する場合は、自然光を取り入れやすいガラス張りの店内も良いでしょう。
しかし、開業後に店舗の内装・外装を変更するには、営業時間外に行うか営業を停止しなければなりません。そのため、開業準備の段階で内装・外装のイメージはコンセプトにあわせて固めておきましょう。
また、店舗のコンセプトが明確になっていれば、内装・外装だけでなく設置するディスプレイ棚や装飾品なども選びやすくなり、店舗に統一感が出ます。
内装・外装を整えておけば、来店したお客様に「スタイリッシュ」「親しみやすい」「オーガニック」などの店舗コンセプトを一目で伝えられるでしょう。
人材採用
パン屋の開業には、人材の採用も必要です。レジや接客対応を行う担当者や、パンを作る製造スタッフなどを採用しなければなりません。
小さな個人店であれば一人で経営できる場合もありますが、休憩が取れないなどの問題が発生する恐れがあります。そのため、1~2名程度の人材は確保します。
保健所に営業許可申請を行う
パン屋を開業するための準備が整ったら、保健所に営業許可申請を行いましょう。パン屋の開業時に申請する許認可は、販売するパンの種類や店内にイートインスペースを設けるか、などで種類が異なります。
また、自宅の一部を改装してパン屋を開業する場合でも営業許可申請は必要です。
自宅を改装してパン屋を開業する場合、自宅で使用しているキッチンと営業用の調理キッチンは分ける必要があるので注意してください。
営業許可申請を行わずにパン屋を開業すると、食品衛生法違反などで罰則が科せられる可能性があるので必ず申請しましょう。
パン屋の開業時に必要な許認可の種類は、次項で解説していますので参考にしてください。
【準備編】パン屋を開業するには?必要な資格と許認可について
パン屋を開業する際、必要な資格や許認可を把握しておくとスムーズに開業準備を進められます。習得すべき資格や申請が必要な許認可は、パン屋の営業形態(イートインスペースの有無や菓子パンを販売するかなど)によって異なるため注意しましょう。
パン作りの技術習得は欠かせない
パン屋を開業するのであれば、パン作りの技術習得が必要です。作りたいパンに対する知識や技術を習得しなければ、商品を製造できません。
また、パン作りに欠かせない素材や機材の選び方なども、知識や経験をもとに選択します。
そのため、パン屋を開業する際、まずは製パン技術を学べる学校やパン屋での就業経験などを通じて、技術や知識を身につけておきましょう。
パン屋を開業するのに必要な資格と許認可
ここからは、パン作りの技術や知識以外で、パン屋の開業に必要な資格や許認可を紹介します。
食品衛生責任者
食品衛生責任者は、食品を製造・販売するすべての事業所で必ず必要な資格です。オーナー本人が食品衛生責任者の資格を有していなくても、店舗に配置するスタッフが有していれば問題ありません。
食品衛生責任者の資格を取得するには、各都道府県知事による登録認可を受けた食品衛生責任者の養成施設での講習課程を修了する必要があります。
講習受講対象者は、医師や薬剤師などの有資格者のほか、高卒相当以上かつ食品衛生責任者の配置が必要な施設で、食品製造や加工に従事した経験が3年以上ある方も該当します。
また、栄養士、調理師、製菓衛生師などの有資格者は講習受講が免除されるのも特徴です。講習の受講が免除される資格を有している場合、食品衛生協会に申請すれば食品衛生責任者の資格を取得できます。
菓子製造業の営業許可申請
菓子製造業許可は、パン屋の開業にも関連があります。パン屋で販売していることが多い「菓子パン」や「食パン」などは法律上では菓子に分類されるため、菓子製造業の許可を取得していなければパン屋は開業できません。
菓子製造業許可では、製造を行う場所の安全性が求められます。例えば、製造場所は清潔で耐久構造を満たした構造になっているか、明るさは50ルクス以上(10m先の人の顔がはっきりと識別できる程度)、ねずみや昆虫などの防除対策が施されているか、などです。
また、タイルやコンクリートなどの耐水素材が使用されている、清掃しやすい環境も求められます。さらに、使用する機器の安全性や清潔さ、営業する店舗の設備配置図なども提出しなければなりません。
菓子製造業許可の詳しい許認可基準は、店舗を出店する地域を管轄している保健所に確認しておきましょう。
飲食店の営業許可申請
パン屋では、飲食店の営業許可申請が必要になることも少なくありません。店内にイートインスペースを設けるケースだけでなく、サンドイッチを販売する場合もお弁当と同じ扱いになるため、飲食店の営業許可申請が必要です。
キッチンカーで移動販売を行う場合も、地域によっては営業許可申請が必要になることがあります。
また、別の業者が製造したパンを仕入れて販売する場合は、食品等販売業許可の申請で済む場合もあるため、開業する店舗の営業形態にあわせて申請することが大切です。
基本的に、パン屋を開業するには菓子製造業と飲食店の営業許可申請が必要になることを念頭に置いて、開業準備を進めると良いでしょう。
パン製造技能士
各種営業許可の申請は、パン屋の開業に必須です。一方で、パン屋を開業する際に必須ではないものの、取得しておくと便利な資格があります。
それが「パン製造技能士」の資格です。パン製造技能士は、パン作りに関連する唯一の国家資格で、学科と実技両方の試験が実施されます。
パン製造技能士には2級・1級・特級が設けられています。この中で、一番やさしい2級を受験するには2年の実務経験が必要です。
ただし、製菓の専門学校などで製パン技術を学んでいれば、実務経験がなくても専門学校卒業後すぐに受験資格が得られます。
パン作りに関する知識や技術を有している証明になるため、パン屋開業時に技術力の高いスタッフが作ったパンを販売していることをアピールできるでしょう。
パン屋の開業にかかる資金の目安
パン屋の開業にかかる資金は、店舗の規模やイートインスペースの有無、出店場所などさまざまな要因によって金額が左右されます。
とくに、パン屋は製造用の機器を導入する費用負担が大きいため高くなることが多い傾向にあり、開業資金の目安は約1,000~3,000万円です。
営業を続けるためのランニングコストも必要になるため、開業資金は余裕をもって準備しておきましょう。
費用項目 | 金額目安 |
---|---|
物件取得費 | 100~500万円 |
機器導入費 | 50~800万円 |
内装・外装工事費 | 100~200万円 |
原材料費 | 1~10万円 |
その他(宣伝広告費、人材募集費等) | 0~20万円 |
機器導入費に大きな差があるのは、パン製造に必要な機器を購入するかリース(レンタル)利用するかで費用が異なるためです。
初期費用を抑えたいのであれば、機器のリース利用も検討すると良いでしょう。
パン製造機器のリース料金は、機器1点あたり5,000~3万円(月額)程度です。1年~6年などの長期契約になることも多いため、リース契約を締結する前に契約期間や料金は確認しておきましょう。
パン屋を開業して失敗するパターンの共通点
パン屋の開業は、必ずしも成功するとは限りません。ここからは、パン屋を開業して失敗するパターンに共通する特徴を紹介します。
初期費用の回収に時間がかかってしまう
パン屋は、初期費用が数千万円単位で必要になるにもかかわらず、商品単価は数百円程度になるため、初期費用の回収に時間がかかります。
初期費用に大きな金額を投じてしまうと、初期費用がなかなか回収できずローン返済が負担となり、運転資金が不足して経営が苦境に追い込まれるケースも少なくありません。
そのため、パン屋を開業する際、初期費用の負担をある程度抑えて運転資金を多めに確保しておくことが大切です。
販売しきれず廃棄が多く出る
パン屋では、食品を販売するため売れ残りは廃棄処分しなければなりません。日持ちの良い商品ではなく、1~2日程度で廃棄することが多いため、売れ残りが出る状態が続くのは収益低下による経営失敗に直結します。
しかし、販売する商品の数を少なくして品切れ状態が多くなれば、販売機会を失うことになり、収益が上がらない原因になりかねません。
パン屋の運営が失敗するパターンに多い傾向として、パンの製造量・販売量のコントロールや予測ができていない点が挙げられます。
春先など花見やピクニックのシーズンで外出する人が増える時期は販売数量が伸びる、雨の日は売れ行きが伸び悩む、など販売予測を事前に立てる必要があるためです。
事前に予測を立てるためには、過去の販売数量データなどをもとに傾向をつかまなければなりません。
販売数量や販売量を左右した要因に関するデータ収集ができていないことが、パンの製造量や販売量のコントロールができない原因です。
競合店舗が周辺に多い
パン屋は、競合店舗が周辺に多いのも特徴です。同業のパン屋だけでなく、パンはコンビニやスーパーなどでも多く販売されています。
しかし、大量生産によって大手企業が作ったパンは徹底的にコストカットされており、基本的に個人店は価格競争で勝つことができません。
そのため、店舗のコンセプトやオリジナリティのある商品の開発などで差別化ができていなければ、競合店舗に顧客が流れて集客力の低下を招きます。結果として他店との競争に負けることになります。
マーケティング方法が確立できていない
マーケティング方法が確立できていないことも、パン屋の開業が失敗するパターンに共通するポイントの1つです。ここでいうマーケティングとは、簡単に言い換えれば集客方法を指します。
広告を打ち出すのか、チラシを店舗周辺に配るのか、ホームページを作成するのかなど、選択肢は多岐にわたります。
とくに、パン屋を開業したことを周辺の住民に知らせることは、リピーターの獲得につながる重要な集客戦略です。店頭に目立つPOPを設置する、近隣にクーポン付きチラシを配布するなど、認知拡大を図りましょう。
また、SNSの公式アカウントを活用した情報発信や広告掲載など、集客力を高めるためのインターネットを活用した戦略を検討するのも効果的です。
例えば、SNSでのアピール力を高めるために写真映えする商品開発をする、広告にクーポン券をつける、などさまざまな施策を講じながら、効果的なマーケティング方法を探しましょう。
☑SNS集客7つのコツと成功事例!口コミを生み出すポイントも解説
パン屋の開業成功に欠かせない3つのポイント
パン屋を成功させるためには、失敗するパターンを把握し、対策を講じなければなりません。パン屋の経営が失敗するパターンの多くは、開業時の準備不足に原因があります。
運営資金準備の不足、競合のリサーチ不足、データ収集・活用方法の確立ができていない、など、前述した失敗ケースの多くは開業時点で経営戦略が明確になっていません。
とくに、開業時に立てるコンセプト設定やマーケティング方法の確立などの経営戦略は、開業後の店舗運営を左右する重要なポイントです。
競合他店をリサーチし、どのような方法で差別化を図り、集客していくかを具体的に計画しておかなければなりません。
ここからは、パン屋の開業を成功させるために欠かせない、経営戦略を立てる際の3つのポイントを紹介します。
店舗のコンセプト設定や競合リサーチを念入りに
パン屋の開業を成功させるには、まず開業時に店舗のコンセプト設定を明確にし、出店場所周辺の競合店のリサーチが欠かせません。
出店場所周辺の通行人の層はファミリーが多いのか単身者が中心なのか、競合店で販売されているパンの種類などもリサーチしておきましょう。
競合店をリサーチしたのち、開業する店舗が優位性や差別化を取れるように店舗のコンセプト設定を行います。
店舗のコンセプトに合う店舗作りも必要なため、外装や内装での演出、商品の種類やディスプレイ方法なども丁寧に検討することが大切です。
初期費用をできるだけ抑えて出店する
パン屋の開業を成功させるには、初期費用をできるだけ抑えて出店するのも重要なポイントです。
上述のとおり、パン屋は多くの開業資金が必要になる一方で商品単価が安い影響で資金回収に時間がかかるため、余裕をもって運転資金を準備しなければなりません。
高額な費用負担が発生するパンの製造機器をリース利用する、店舗物件はすでにスケルトン化されているところを選ぶなど、可能な範囲で初期費用を削減して開業しましょう。
フランチャイズに加盟するのも選択肢の1つ
パン屋を開業して経営するノウハウをもっていないのであれば、フランチャイズに加盟して開業するのもおすすめです。
フランチャイズ本部のノウハウを活用して開業できるため、初心者の方でも安心して経営をスタートできるでしょう。
例えば、冷凍のパン生地を仕入れて店舗で焼く「ベイクオフシステム」を導入しているフランチャイズ企業があります。
また、パンの本場フランス産の原料を使用した本格的なパン作りのノウハウを利用できるフランチャイズ企業もあり、本部のブランド力で集客できるのもメリットです。
フランチャイズ企業によって特徴やロイヤリティの有無やロイヤリティの金額、店舗運営の自由度の高さなどが異なります。
そのため、パン屋の開業時にフランチャイズへの加盟を検討するのであれば、フランチャイズ企業を比較検討することが大切です。
フランチャイズに加盟してパン屋を開業する場合、開業資金の目安は1,000万円以上で、加盟せずに開業するのと差はほとんどありません。また、加盟金負担がゼロのところもあれば、数百万円必要なところもあります。
フランチャイズ本部に支払うロイヤリティは、月額定額制であれば1~7万円程度、売上によって金額が変わる変動制の場合で一か月の売上に対して1~3%程度が目安です。
【パン業界のトレンドと展望】儲かるパン屋はどう作る?
パン屋の開業を成功させるためには、コンセプト設定や周辺の競合リサーチなどの経営戦略の立て方が重要だと前述しました。
長期的にパン屋の経営を安定させるためには、開業時の経営戦略だけでなくパン業界全体の状況やトレンドを把握しておくことが大切です。
ここからは、パン業界の現状や近年のトレンド傾向と、今後の展望を解説します。
パン消費額は米の消費額を上回っている
総務省による家計調査によると、2011年には日本の2人以上世帯(農林漁業を営む世帯を除く)におけるパンの消費金額は年間28,318円となりました。米の年間支出額が27,428円であったことから、パンの消費金額が米の消費金額を上回っていることがわかります。
参照:家計調査年報(家計収支編)平成23年|総務省
2011年以降、パンの消費金額が米の消費金額を上回る傾向は続いており、全国的にパンの需要が米の需要を上回っている状況が続いています。
儲けるカギは「看板商品」と「フランチャイズ」
パンの消費金額が、米の消費金額を上回っている状況が続いているため「パン屋を開業すれば儲かるのでは」と考える方も多いでしょう。
一方で、コンビニやスーパーなどでもパンは販売されており、消費者の多くはパン屋に足を運ばずしてパンが購入できる状況です。
そのような中で、パン屋を開業して儲けるには「看板商品」と「フランチャイズ」が重要なポイントになります。
「看板商品について」
SNSの広まりによってユーザーは、購入した商品の写真を撮ってSNSにアップする機会が多くなりました。
いわゆる「SNS映え」する商品はSNSユーザーからの人気が高く、話題性を生み、宣伝を打ち出すよりも爆発的に情報が拡散するケースも少なくありません。
また、コンビニやスーパーなどでは手にできない、本物志向で自然由来の素材を活用した商品なども看板商品として販促や集客に効果的です。
近年では、パンに味噌やしょうゆなどの和の調味料を使用した「和洋折衷パン」のような看板商品も開発されています。
看板商品を開発する上で重要なのは、店舗コンセプトにマッチする商品であることです。
高級感や非日常感をコンセプトにしている店舗にもかかわらず、こだわりが感じられない商品ばかり並ぶことがないよう、商品開発の際にもコンセプトを意識しましょう。
「フランチャイズについて」
また近年、フランチャイズへの加盟は、大手企業に価格競争や知名度で勝てない個人店にとって有効な選択肢となっています。
フランチャイズ本部が加盟店全体を統括するため、個人で仕入れるよりも安く原材料を仕入れられる、広告宣伝を本部がサポートしてくれるなどのメリットがあります。
パン屋を開業する際、コンビニやスーパーなどのパンと差別化を図るために、看板商品の開発やフランチャイズへの加盟も選択肢に入れておくと良いでしょう。
関連記事:フランチャイズのメリット・デメリット│FC業界のプロが解説
新型コロナウイルスの影響は限定的
新型コロナウイルスの流行により、パンの売上にもやや影響がありました。
家庭での中食需要が高まった影響から、令和2年度には米の消費金額が前年比3.1%増加し、パンの消費金額は2.2%低下しています。
参照:家計調査(推移)|総務省
しかし、パンの消費金額は依然として米の消費金額を上回っており、新型コロナウイルスの流行によるパン業界への影響は限定的と見られます。
小売店の傾向に変化!トレンドをいち早くキャッチしよう
パン業界では、新型コロナウイルスの流行で小売店の販売方法に変化が出ています。
感染症対策の観点から「個包装販売」が増加しており、透明カバーの装着やショーケースの中に陳列してスタッフがピッキングを行うなど、販売スタイルが変化している点が特徴です。
パン屋の経営者にとってはコスト負担の増加になるものの、ユーザーの安心感を優先することで信頼を得て集客する目的があります。
このように、業界全体のトレンド情報をいち早くキャッチすれば、トレンドに則した経営判断がスピーディーに行えるため、パン屋の経営安定につながるでしょう。
アプリ注文やサブスクリプションサービスにも注目
パン業界では、IT技術を取り入れる動きも活発化しています。アプリで注文すれば店頭で焼き立てパンをスムーズに購入できるようなサービスを提供したり、アプリのデリバリーサービスを活用して新たな販路を開拓したりと、IT技術の導入方法はさまざまです。
また、パンのネット通販も活発化しており、サブスクリプションサービスなども登場しました。
一定の月額利用料を数か月~1年など特定の期間支払い続けることで、定期的に全国各地のさまざまなパン屋の商品が自宅に届く仕組みです。
このように、パンを販売する業態は同じでも、販売方法にはさまざまな選択肢があります。
パン屋を開業するとき、このような業態の選択肢があることを知っておけば、経営方法の選択肢も広がるのではないでしょうか。
フランチャイズに加盟するならマッチングサービスが便利!
フランチャイズへの加盟を検討しているのであれば、マッチングサービスの活用が便利です。フランチャイズ企業の特徴やロイヤリティの比較ができ、希望条件に合うところをスムーズに探せます。
企業情報を1社ずつ集める必要がなく、フランチャイズ企業をリサーチしている段階では見つけられなかった企業に出会えるかもしれません。
「フランチャイズに加盟したいけど自分で作るパンも販売したい」
「将来的には複数店舗を経営したい」
「カフェを併設できるフランチャイズ企業を探している」
など、希望に合うフランチャイズ企業を探す際に、マッチングサービスを活用してみてはいかがでしょうか。
まとめ
パン屋は、パン屋以外にもコンビニやスーパーなどの競合店が多くあります。そのため、差別化によってリピーターなどの「ファン」を増やすことが、経営を成功させるポイントです。
また、パンを製造する機器の費用が高いため、初期費用が小売店の中でも高くなる傾向にあります。
さらに、パン屋は商品単価が安いのも特徴です。初期費用の回収には時間がかかると考え、余裕をもって運転資金を準備しておきましょう。
初期費用をいかにして抑えるかを考え、費用をかけるべき部分と削減できる部分を入念に検討することが大切です。
飲食店の開業をもっと学びたい方はこちらの記事も参考にしてください! 小さなカフェの開業資金・資格│開業までのステップも紹介 レストランを開業する11の手順│小さな飲食店を成功させるポイントも解説 |
著者情報
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独立・起業の最新ニュースや、明日からすぐ使えるテクニックを、分かりやすくご紹介!
フランチャイズ経営者やフリーランス、法人役員など、多種多様なキャリアをもつメンバーでお届けしています。
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