小さなカフェの開業資金・資格│開業までのステップも紹介

コラム数 197

閉じるバツ印

OK

検索 検索

検索

ページトップへ移動矢印 ページトップへ移動矢印

小さなカフェの開業資金・資格│開業までのステップも紹介

更新日更新日:2023.10.5

公開日投稿日:2022.9.5

小さなカフェの開業|理想の店作りを成功させるための8ステップ

「未経験から、小さななカフェを開業するには何から手を付ければいいのか」

「お気に入り家具や食器をそろえて、こじんまりしたカフェを開きたいけど、大手チェーンに負けることなく経営をやっていけるか」

など、カフェ開業に向けて情報収集をしている人、もしくは、漠然とした不安でなかなか一歩を踏み出せない人に、小さなカフェを開業し、成功させるためのポイントを具体的にお伝えします。

小さなカフェを開業するには、まずコンセプトを決めることが重要です。コンセプトが明確になることで、メニューや価格帯、物件、外装・内装すべてが決まりやすくなります。

コンセプトをもとに、必要な資金も算出できます。小さなカフェの開業資金は、500万円程度が目安です。居抜き物件やリース契約をうまく活用すれば、もっと費用を抑えることも可能です。一般的に飲食店の開業には、1000万円以上の開業資金が必要とされているため、それに比べると低資金で始められます。

しかし、開業資金は個人にとっては負担が大きいものです。無理をして自己資金を集めたり、多額の借り入れをしたりすることはオススメしません。例えば、週末カフェや間借りカフェから小さく開業する、もしくは器材をリースする、フランチャイズに加盟するなど、リスクを抑えたスタートをしてみはいかがでしょうか。

今回は、小さなカフェ開業をするために必要な準備を網羅的に説明しながら、安全に始められる道もご案内いたします。

目次

カフェと喫茶店の違い

カフェと喫茶店の違い

「カフェ」と「喫茶店」は、どちらの言葉も似たような意味合いで使われることが多いかもしれません。しかし、カフェと喫茶店では、営業許可の種類が異なり、営業形態に明確な違いがあります。

カフェは、飲食店営業許可を取得している店舗で、調理全般とアルコールの提供が可能です。そのため、パスタやサンドイッチ、カレーなど手の込んだ料理メニューが提供できます。

一方、喫茶店は喫茶店営業許可を取得している店舗で、調理全般とアルコールの提供はできません。単純な加熱調理のみが可能です。提供できるメニューはアルコール以外の飲み物と、トーストやケーキ、菓子などの軽食に限定されます。

小さなカフェ開業に必要な2大資格

カフェ開業に必要な2大資格

小さなカフェの開業に必要な資格の代表格は、食品衛生責任者と防火管理者です。それぞれ詳しく解説します。

食品衛生責任者

食品衛生責任者の資格は、カフェだけでなく、あらゆる飲食店を経営する際に必要な資格です。

各店舗に1名は資格保持者がいなければいけませんが、資格保持者はカフェのオーナーでも従業員でも問題ありません。

資格取得のためには、各都道府県ごとに、食品衛生協会主催の講習を受けます。栄養士や調理師など特定の資格を持っている場合は受講が免除されます。

受講費用は都道府県ごとに異なりますが、1万円前後が平均的です。講習日数は1日のみで、最近ではeラーニングを利用したオンライ講習も増えてきています。

防火管理者

防火管理者の資格は、30人以上収容できる店舗を開業する際に必要な資格です。

取得のためには、日本防火・防災協会が主催する講習を受講します。店舗の延べ面積が300平方メートル以上であれば甲種新規講習、300平方メートル未満であれば乙種講習を受講します。

講習日程は、甲種新規講習が2日間(おおむね10時間)、乙種講習が1日(おおむね5時間)となり、費用はそれぞれ8,000円、7,000円です(2023年6月現在)。店舗の面積や客席数が確定した段階で申し込むことになります。

この講習も、最近ではオンライン受講できます。

小さなカフェを開業する8つのステップ

小さなカフェを開業するには、どのような準備をしたら良いのでしょうか。やるべきことを8つのステップにまとめました。

  1. 魅力的なコンセプトの設定
  2. 店舗の物件探し(居抜きORスケルトン)
  3. 入りたくなる外観・居心地の良いデザイン
  4. 衛生面を配慮した設備の整備
  5. 経理の管理体制の構築
  6. 客層のニーズにあうメニューの考案 
  7. 小さなカフェ経営のための集客対策

それぞれのステップを詳しく紹介します。

①魅力的なコンセプトの設定

魅力的なコンセプトの設定

小さなカフェを開業・経営するためには、最初に店舗のコンセプトを決めておくことが大切です。

コンセプトにより、カフェの内装や外観のデザイン、提供するメニュー、使用する皿やカップのデザインなども明確になります。

さらに、開業後でも新メニューの開発や店内改装などの際に、コンセプトもとに考えることで、スムーズに決められるようになります。コンセプトとは、店舗経営の軸となる要素です。

カフェのコンセプトの決め方

では、カフェのコンセプトはどのように決めれば良いのでしょうか。自身が目指したい理想のカフェを具体的にイメージして考えましょう。

  1. 顧客にカフェをどのように利用してほしいのか
    (例:「気軽に日常的に利用してほしい」「デートや商談などの改まった場として利用してほしい」「こだわりの味や内装など、非日常を楽しむ場として利用してほしい」など)
  2. どのような顧客がターゲットとなるのか
    (例:学生を中心とする若者か、近所の主婦層か、周辺で働く会社員か、など)
  3. 店舗物件はどのような場所で探すのか
    (例:駅近物件が良いのか、住宅街か、景色のいいところか繁華街か、など)
  4. どのような営業スタイルにするのか
    (例:早朝や深夜など営業時間を長く設定するのか、土日は営業するのか、など)
  5. どのようなメニューを提供するのか
    (例:食事メニューを中心とするのか、軽食とドリンクを中心とするのか、高級なコーヒー豆や食材を特徴とするのか、リーズナブルでコスパの良さを特徴とするのか、など)
  6. どのような接客を行うか
    (例:先にレジカウンターでオーダーと支払いをするスタイルか、席でオーダーをするスタイルか、など)
  7. メニューの価格はどの程度にするか

利益率と原価の考え方

飲食店のメニューの価格を決める際は、原価を30%に抑えるのが目安です。

カフェの場合は20~25%を意識すると良いでしょう。実際には、原価のほかに人件費などもかかるため、利益率としては10~15%が目安とされます。

ただし、利益率が低いメニューでも、注文が多く入る場合や、価格自体が高いものなどは効率的に利益をあげられます。

必ずしも原価30%にしなければいけないというわけではありません。また、周辺の同業他社のメニュー価格を調べ、相場を見極めることも大切です。

このようなことを意識して店舗のコンセプトを決めると良いでしょう。

②店舗の物件探し(居抜きORスケルトン)

店舗の物件探し

カフェの店舗物件を探す場合は、まず大まかなエリアを決めます。

最初に決めたコンセプトに沿って考えると良いでしょう。

  • 駅近物件か住宅街か
  • 駐車場は有りか無しか

さらに店舗の大きさや家賃の予算など条件に合う物件を探します。

飲食店の物件は、前の店舗の設備がそのまま使える「居抜き物件」と、ガスや水道、什器などの設備がない状態の「スケルトン物件」があります。

費用の面では「居抜き物件」のほうが抑えられますが、「スケルトン物件」は自由に店舗設計をできるメリットがあります。

居抜き物件・スケルトン物件の費用相場

改装工事の1坪当たりの単価は、設備の揃った居抜き物件は15~30万円、スケルトン物件は1坪当たり30~50万円が相場です。

15坪の小さなカフェの場合、前者の改装費用が225~450万円、後者の改装費用が450~750万円となり、両者の平均値を比較すると200~300万円の差が出ることになります。(居抜き物件の場合、「造作譲渡料」が別に100万円ほどかかります)

店舗物件のエリアや予算が決まったら、同エリアの不動産屋に相談するとともに、自身でのリサーチも必要です。

インターネットでの情報収集だけでなく、候補となる物件付近の土日や平日の人通り、日中と夜間の人通り、付近の様子(同業他社の有無など)を実際に見て確認しておくことがポイントです。

場合によっては、別物件を探す必要性も出てきます。

③入りたくなる外観・居心地の良いデザイン

内装は、電気やガス、厨房、床や壁などに大きな費用が掛かるところですが、カフェに求められる「居心地の良さ」に直結し、店舗のクオリティが決まる重要な部分です。

外観は、看板や植栽なども含めて、入ってみたくなるような雰囲気にする必要があります。外壁や塗装にこだわったり、テラス席を作ったりして洒落た雰囲気を出すことも良いでしょう。

特徴的なコンセプトがあれば、うまく看板にデザインやキャッチコピーを取り入れアピールすることも有効です。

内装や外観は、ゼロから自身で考えるより、実際に理想とするカフェや店舗のデザインを手がける会社のサイトを参考にして考えると良いでしょう。

④衛生面を配慮した設備の整備

小さなカフェ開業の場合も、厨房や空調など最小限設置しなければならない設備があります。

特にスケルトン物件の際は注意が必要です。厨房内に全ての調理設備が収まるか、トイレの位置は適しているか、給湯設備は問題ないか、など安全で衛生的な設備を整えなければなりません。

疑問点は事前に保健所に確認をすると良いでしょう。居抜き物件の場合は、必要最小限の設備が揃っていることも多いですが、設備を買い取るための「造作譲渡料」が100万円ほどかかります。

⑤経理の管理体制の構築

経理の管理体制の構築

店舗の経営を始めるからには、経理は不可欠です。

税理士・会計士に任せる

専門知識が必要となるためプロである税理士や会計士に任せることも確実な方法です。ただしプロの手を借りるには相応の費用がかかり、オーナー自ら経理を行うことも珍しくありません。

経理の管理体制が整っていれば、入出金がしっかりと目に見え、削減するべき経費や設備費、人件費などの予算も立てやすくなります。

また、個人で事業を始めた際は、税務署に確定申告を行うことになります。経理の管理ができていないと正しく確定申告ができず、結果的に控除が受けられないなど店舗の不利益となることもあります。

会計ソフトを利用する

経営者自身で経理を行う場合は、経理の専門知識がなくても簡単に使いこなせる会計ソフトが便利です。日々の金銭管理から、確定申告に必要な帳簿も容易に作成できます。

経理はプロに任せるのか、自身で行うのか、自身で行う場合は会計ソフトを使用するのか、使用する場合は事前にある程度使いこなせるように準備しておくなど、開業前に経理の管理体制を整えておく必要があります。

⑥客層のニーズにあうメニューの考案

顧客が飲食店を評価する際に、魅力的なメニューがあるかどうかは重要なポイントです。

メニューは客層に合わせて考える必要があります。

駅近で学生など若者向けのカフェであれば・・・

  • 「ラテアート」などでおしゃれでSNS映えするメニュー
  • 「ランチタイムはパスタ全品大盛り無料」としボリュームのあるリーズナブルなメニュー

夜間に営業するカフェであれば・・・

  • ディナーや飲み会の後に食べたくなる夜パフェメニュー
  • アルコールとスナックのセットでワンコイン価格の「ちょい飲みセット」

など、ターゲットとなる客層のニーズに合わせてメニューを考えます。

一方で顧客受けのみを考えていては利益が上がらないこともあります。

原価の安い食材を使用したり、日持ちがしてほかのメニューにも使い回せる材料でメニューを考えたりすることで、利益率を維持できます。

ただし、味や見た目のクオリティが落ちては売れなくなってしまいます。利益率とクオリティのバランスを見ながら、メニューを考えることが大切です。

ターゲットとなる客層に限定したメニューだけでなく、万人受けする定番メニューも取り入れておくと良いでしょう。

⑦小さなカフェ経営のための集客対策

小さなカフェを開業したら、多くの人に来店してもらうために、常に集客を意識しておかなければいけません。集客の方法はさまざまですが、主なものを紹介します。

外観・内装の雰囲気を統一する

外観と内装は、店舗のコンセプトに沿って雰囲気を統一します。

塗装がはがれや汚れが目立っていては客足は遠のいてしまいます。手入れが行き届いた外観や内装で、入りたくなるカフェ、居心地の良いカフェを目指しましょう。

看板のデザインや文句もコンセプトに沿ってカフェの魅力をアピールできるものか、よく検討しましょう。

特徴的なメニューを考える

数ある飲食店の中で、小さなカフェを選んでもらうためには、特徴的なメニューで他店との差別化を図ることも大切です。

SNS映えする華やかなメニュー、珍しいコーヒー豆、ボリューム自慢の看板メニューなど、店の客層に喜ばれる特徴的なメニューを考えましょう。

ネットツールを利用する

インターネットツールは宣伝や集客に必須の媒体です。

グルメサイトへの掲載は一定の集客が見込めますが、無料プランから有料プランまで料金体系が幅広く、プランに悩む人もいるでしょう。

まずは無料プランや手頃なプランから始めて費用対効果を見ながら、必要に応じてプランを変更すると良いでしょう。

X(旧Twitter)、インスタグラムなどのSNS、ブログは自身で日常的に更新していく必要がありますが、無料であることと、自由にカフェをアピールできることから、うまく活用できれば非常に効果的です。

<SNS集客に役立つオススメ記事>
SNS集客7つのコツと成功事例!口コミを生み出すポイントも解説
X(旧Twitter)集客・7つのコツ!一瞬のバズより成約が継続する運用方法
インスタ集客の6つのコツ│メリットや企業の事例も紹介

⑧必要な資格取得と各種届け出

「カフェに必要な資格とは?」の章で、触れているものもありますが、各種資格と届け出を解説します。

【食品衛生責任者】

管轄の保健所に「飲食店営業許可」を申請する際に必須となる資格です。

【防火管理者】

 収容人数30人以上の店舗で必要となります。さらに延べ床面積が300平方メートル以上かどうかで講習の種類が異なります。

【開業届】

個人事業主としてカフェ開業をする際に、税務署に届け出が必要です。

関連記事:開業届の出し方と流れを紹介│個人事業主なら知っておきたい注意点も解説

【青色申告承認申請書】

個人事業主としてカフェ開業をする際、確定申告ができます。

確定申告には青色申告と白色申告があります。青色申告は申請に多少の手間がかかりますが、最大で65万円までの控除が受けられるなど、節税のメリットも大きくなります。

上記のほかに、店舗によって届け出が必要なものとして、「コーヒー豆の製造・加工業の届け出」や「深夜酒類提供飲食店営業開始届出」などもあります。

未経験から小さなカフェを開業する方法3選

小さなカフェを開業するためには多くの準備が必要となりますが、すべてを自身でこなせるのか不安もあるでしょう。とくに業界の知識や経験が不足している人に、おすすめの対策を3つ紹介します。

飲食店の開業をサポートするスクールに通う

飲食に特化した専門学校や社会人向けのカフェスクールで、専門的なカフェ経営のノウハウを習得できます。カフェスクールは、カフェを開業・運営するために、さまざまな知識を効率的に学べる学校です。

料理や接客マナー以外にも、店舗設計や経費削減のコツ、ブランディングなど、経営に必要な知識やノウハウも学べるのがメリットです。

スクールによっては、独立開業までサポートが受けられることもあります。費用とニーズにあわせて検討すると良いでしょう。

個人経営のカフェで働いてみる

飲食店での勤務経験が不足している場合は、個人経営のカフェで働きながら経験を積むことで、カフェ経営に必要な知識やスキルを学ぶべます。業務の流れを理解でき、開業までに必要な準備をイメージしやすくなります。

個人経営ではなくチェーン店の場合でも、カフェの知識や経験を積めます。しかし、チェーン店では、メニューの開発などはオーナーがすることは基本的になく、その他の業務内容も異なるため、学べる知識が限られてしまうことがあります。

副業として週末カフェや間借りカフェから始める

副業として週末だけ開業したり、店舗を間借りしてお試しで開業したりする方法は、いきなり経営を始めるのに不安な人におすすめです。

実際に自身で小さなカフェを経営していけるのか、見極める期間として有意義です。

間借り店舗は、バーなど夜間のみ営業している店舗の昼の時間帯に場所を借りる営業方法です。間借りのできる店舗情報などは、不動産屋よりも、自身の人脈やインターネットを利用して見つけるほうが早いようです。

関連記事:副業から起業を目指すメリット3選!未経験者の起業アイディアの見つけ方

小さなカフェの開業資金・運転資金

小さなカフェの開業資金・運転資金

小さなカフェの開業資金と運転資金を解説します。

飲食業界で、一般的な開業資金の平均値は1000万円ほどです。店舗の規模や出店エリア、物件にもよりますが、小さなカフェ開業の場合の資金相場は500万円以上と言われています。

物件取得にかかわる費用

店舗物件を契約する際には、

  • 保証金:10か月分
  • 前家賃・礼金:1~3か月分
  • 仲介手数料:1か月分

が目安となります。

例えば家賃が15万円であれば、保証金だけで150万円です。

家賃の予算は、一般的に売り上げの1割が目安となるため、まずは必要最低限の売り上げ目標額を具体的に出すことが必要となります。

内装や外装にかかわる費用

内装工事費は、どこまでこだわるかで大きく変わってきます。

カフェの相場は坪単価20万~40万円といわれているため、例えば10坪の小さなカフェでは200万円~400万円が目安です。

内装工事費を節約するためにはスケルトン物件よりも居抜き物件を選ぶと良いでしょう。

また、壁の塗装など工事工程の一部をDIYで行って費用を抑えるケースもあります。

厨房設備・消耗品かかわる費用

小さなカフェでも、飲食店であれば厨房設備や消耗品は必須です。シンク、作業台、冷蔵庫やコーヒーマシン、お手拭きなどの消耗品のほか、事務機器も必要です。

すべて新品でそろえると200万円以上になりますが、状態の良い中古品を活用したり、レンタル・リースでそろえるなどの方法で費用を抑え、100万円ほどに収めることも可能です。

開業後の運転資金

一般的に、運転資金として確保すべき資金の目安は、店舗の家賃の10か月分と言われています。

これは、経営が軌道に乗るまで店舗の収益が十分でない場合にも、固定費や変動費の支払いを賄うための資金となります。

飲食店の支出は主に家賃、保険などの固定費と、人件費、原価、水道光熱費などの変動費があります。

飲食店を開業する人はどれくらいの資金を準備しているのか

飲食店を開業する人はどれくらいの資金を準備しているのか

参考までに、飲食業界全体の開業資金をご紹介します。

開業費用は500万円未満が4割

日本政策金融公庫が2020年7月に行った「新規開業事業の実態調査」によると、飲食店を含めたあらゆる業種の開業費用は500万円未満が43.7%と最も高くなっています。

次いで500万円~1000万円未満が27.3%を占め、開業費用の平均値は989万円となっています。この数字は、1991年の調査以来、直近約30年間で最も低くなっています。

資金調達額は平均で1194万円

また、同調査によると、開業時の資金調達額は平均で1194万円であり、そのうち金融機関などからの借り入れが平均825万円、自己資金が平均266万円となっています。

これらはあくまで平均値であり、開業資金100万円ほどで開業する店舗もあれば、1000万円以上で開業する店舗もあります。

飲食店は、独立開業で選ばれることが多い代表的な業種であり、資金額の相場はこの調査結果を参考に考えておくと良いでしょう。

小さなカフェの場合は、一般的な飲食店と比較すると、店舗の規模が小さい分、資金の相場も低くなる傾向があります。

日々の運転資金も準備をしておく

資金の準備は、開業時にかかる開業資金だけでなく、日々の運転資金も必要です。

飲食店経営では、客数や売り上げの増減にともない、食材の仕入れ費用や光熱費、手拭きや割りばしなどの消耗品費、人件費などが増減します。

これらの変動費とテナント料や通信費など毎月決まった固定費が支出となりますが、店舗の経営が軌道に乗るまではこのような支出が経営を圧迫することもあるため、運転資金は余裕をもって準備しておくと安心です。

参照:「2020年度新規開業実態調査」 ~アンケート結果の概要~ |日本政策金融公庫

小さなカフェの開業資金の調達方法

小さなカフェの開業資金の調達方法

カフェの開業資金を調達する方法として、主な3つの方法を解説します。

自己資金

小さなカフェを開業するのであれば、相場では500万~1000万円の資金を準備することになります。居抜き物件を探したり、設備をレンタルやリースにするなど工夫して費用を抑えることが大切です。

その上で、自己資金をどれだけ用意できているかは、金融機関の融資を受ける際に審査されるポイントです。開業資金の基本となるものなので、できる限り多く準備しましょう。

日本政策金融公庫では、希望額の1/10の自己資金をもっていることが融資申し込みの条件とされています。相場となる1000万円の融資であれば自己資金は最低100万円必要となります。

これより多く自己資金があればより安心できます。融資限度額は制度により異なりますが、新創業融資制度の場合3000万円(うち運転資金1,500万円)とされています。

実際には申込者のさまざまな状況を審査されて決まるため、1000万円以内が多いようです。

参照:新創業融資制度|日本政策金融公庫

公的金融機関で借りる

日本政策金融公庫では「新規開業資金」「中小企業経営力強化資金」「新創業融資制度」などがあり、開業資金の融資を受けられます。

このほか、自治体が信用保証協会や民間金融機関として融資を行っています。

助成金を活用する

各都道府県や自治体で、創業者向けの給付金や助成金を出す制度があります。

条件や額面は自治体によっても異なるため、管轄の自治体でどのような制度があるのか、申請できる条件に当てはまっているのかを確認して申請します。

関連記事:開業で活用したい補助金・助成金8選│申請のポイント・注意点も解説

まとめ

小さなカフェを開業するまでの準備や資金、資格を解説しました。

やるべきことは多くありますが、漏れのないように確認しながら、一つひとつ計画的に準備を進めていくことが大切です。

スムーズに準備や経営を進めていくためには、専門的なアドバイスやサポートを受けることも良いでしょう。小さなカフェの開業に興味のある方、疑問や不安がある方は、お気軽にご相談ください。

DokTechのメールマガジン・LINEの登録はコチラ

著者情報

DokTech編集部
DokTech編集部
独立・起業の最新ニュースや、明日からすぐ使えるテクニックを、分かりやすくご紹介!

フランチャイズ経営者やフリーランス、法人役員など、多種多様なキャリアをもつメンバーでお届けしています。

会員登録(無料)で
お役立ち情報配信中!

会員登録すると
フランチャイズで稼ぐための
お得な配信が受け取れます

1.

業界では珍しい実現可能な確実性のある
情報を厳選

2.

会員限定の深掘り記事が無料で読める

3.

全国で展開旬な情報を発信

会員登録で最新情報をチェック

mailのアイコン LINEのアイコン 新規会員登録(無料) リンク矢印 リンク矢印

モックアップ画像