弁当屋の開業に必要な資格・資金│失敗しないポイントと成功事例も紹介

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弁当屋の開業に必要な資格・資金│失敗しないポイントと成功事例も紹介

更新日更新日:2023.9.19

公開日投稿日:2022.9.5

弁当屋の開業を失敗させないチェックリスト6項目|必要な資格や成功事例も解説

持ち帰り弁当や惣菜など、外食と自炊の中間に位置する「中食」市場の規模は拡大を続けています。中でも弁当屋は見かける機会も多く親近感があり、「弁当屋を開業したい」と考える方も多いのではないでしょうか。

しかし、いざ弁当屋の開業を計画すると、何から始めればよいのか、どのような弁当屋なら儲かるのかなど、分からない点も数多く出てくるはずです。

本記事では、弁当屋の開業を検討する方に向けて、必要な知識や成功のコツなどを解説します。

最後まで読み、弁当屋開業に関する具体的な知識を得て、開業に向けて必要な準備を進めるヒントにしてください。

目次

弁当屋を開業する4つの業態

弁当屋を開業する4つの業態

弁当屋を開業するには、4つの業態があります。

  • 店舗型
  • 宅配型
  • キッチンカー型
  • 自宅型

それぞれメリット・デメリットや必要な資金、集客のしやすさ、必要な広告戦略が異なります。理想の弁当屋、ご自身に合う弁当屋はどの業態か具体的に考え、資金面を含めて実現可能かどうか検討しましょう。

弁当屋の4業態それぞれを、詳しく解説します。

店舗(テナント)型

店舗(テナント)型の弁当屋は、テナントを借りて店舗を構え、弁当を販売する営業形態です。お客様に足を運んでもらう必要があるため、人通りが多く、立ち寄りやすいなど立地が重要になります。

弁当屋に向いた立地は、次の3つです。

  • 駅前(人が集まりやすく、幅広い年代をターゲットにできる)
  • オフィス街・学校周辺(会社員や学生・職員の昼食利用が期待できる)
  • 住宅街(調理に手間を掛けたくない層を取り込める)

店舗(テナント)型弁当屋のメリットは、良い場所に店を構えられれば、安定した売上が期待できる点です。

ただし、営業に有利な立地は物件取得費用などの初期費用がかさみます。ほかの業態よりも準備資金が必要な点がデメリットです。

宅配(デリバリー)型

宅配(デリバリー)型の弁当屋は、注文を受けて弁当を作り、バイクや自転車、自動車などで配達する営業業態です。店頭販売は行いません。

弁当を買いに行くのが難しい高齢者や、小さなお子さんを抱えた子育て世帯などからの利用が期待できます。

宅配(デリバリー)型弁当屋のメリットは、初期費用や家賃を抑えられる点です。店舗部分が不要で厨房さえあれば開業できるため、必要な面積が少なくて済むからです。

配達なので良い立地にこだわる必要もありません。

一方のデメリットは、店舗や看板がないために通りがかりの来店が見込めず、認知までに時間がかかりやすい点です。配達に使う自動車やバイクなどの準備が必要な点も、押さえておきましょう。

キッチンカー型

キッチンカー型弁当屋は、厨房設備のついた移動販売車で人出が多い場所に行き、弁当を販売する営業業態です。出店先としては、イベント会場やスーパーなどの駐車場、オフィス街などがあります。

キッチンカー型弁当屋のメリットは、店舗型に比べて初期費用が抑えられる点です。移動して販売するスタイルのため、物件を探す必要もありません。

想定通りの売上が得られなければ、出店場所を変えられる点も移動販売ならではです。

一方、デメリットは、場所探しに苦労しやすい点が挙げられます。販売数が伸びやすい良い場所は先行者がいるケースが多く、競争になるためです。

また、どこでも販売できるわけではなく、自治体などに許可申請が必要な場所も数多くあります。

関連記事:キッチンカーの開業!儲かるメニュー・出店場所は?移動販売で儲けるコツ

自宅型

自宅型の弁当屋とは、自宅の一部を改装して弁当屋を開業する営業形態です。

自宅型弁当屋のメリットは、店舗やキッチンカー、配達用車両などの準備が不要な点です。自宅と職場が隣接するため通勤が不要で、家の用事と両立しやすい点も魅力です。

ただし自宅での弁当屋の開業は、場合によっては店舗型よりも初期費用が高くなる可能性があります。

保健所の営業許可を得るには、住居スペースと壁などで区切られた、弁当屋専用の厨房設備が必要なためです。

専用の厨房を設置する大規模リフォームが必要になる場合もあります。

弁当屋の開業に必要な資格・許可

弁当屋の開業に必要な資格・許可

弁当屋の開業には、以下の資格・許可が必要です。

  • 食品衛生責任者
  • 飲食店営業許可
  • その他

食品衛生責任者資格と飲食店営業許可、またケースバイケースで必要な資格・許可を解説します。

食品衛生責任者

食品衛生責任者は、飲食店開業で必ず置かなければなりません。栄養士・調理師・製菓衛生師などの資格保有者は無条件でなれますが、持っていない場合は所定の講習を受け取得しましょう。

食品衛生責任者は、1店舗に1人いれば問題ありません。自分で資格を取得するほか、資格保有者を雇う方法もあります。

取得までの手順は次のとおりです。

受講申込各地域の食品衛生協会に申し込む。
講習受講指定日に講習受講。時間は10時〜17時で、一日で完了する。
修了試験講座受講後、修了試験を受ける。出題内容は講義内容の要点で、選択式。講義をしっかり聞いていれば、十分解答できるレベル。

食品衛生責任者資格に期限はないため、取得後の更新手続きは不要です。一度取得すれば、一生使えます。

飲食店営業許可

飲食店営業許可は、保健所に申請し、検査に合格すると取得できます。検査合格に必要な条件は、次の2つです。

  • 食品衛生責任者を置いている
  • 保健所の検査をクリアし、営業許可書を取得している

食品衛生責任者がいることが取得条件となるため、先に食品衛生責任者資格を先に取得しましょう。保健所の検査をクリアするために必要な設備の一例を紹介します。

  • 水洗い可能な床
  • 耐水性のある壁
  • 二槽式のシンク
  • 手洗い設備(厨房、トイレともに)
  • 冷蔵、冷凍設備(冷蔵庫内には温度計)
  • 調理器具や食材の保管庫、保管棚(扉付き)など

営業許可書の申請には費用がかかります。申請料の相場は16,000〜19,000円です。

保健所の検査が終わり、営業許可書が交付されると、飲食店開業に必要な資格許可が揃います。

そのほかに必要な資格や許可

弁当屋のスタイルや扱う商品によっては、ほかにも必要な資格・許可があります。

運転免許(普通自動車第一種運転免許)宅配型弁当屋やキッチンカー型弁当屋は必須。店舗型弁当屋でも、ほかの場所で作った弁当を店舗に運ぶ際などには必要。
道路使用許可キッチンカー型弁当屋が道路上で営業する際は許可申請が必要。申請先は各地域の警察署交通課。
乳類販売業/菓子製造業の営業許可弁当のほかに牛乳・乳飲料や、菓子類を販売する際に必要。申請先は地域の保健所。

また個人で開業する場合は、税務署に「個人事業の開廃業等届」「所得税の青色申告承認申告書」も提出します。

開業届の書き方は、こちらの記事も参考にしてください。

関連記事:【開業届の書き方まとめ】書くべき18の項目と必要書類を4つ解説

弁当屋を開業するメリット3選

弁当屋を開業するメリット3選

弁当屋を開業するメリットは、以下の3つです。

  • 弁当需要は拡大している
  • ほかの飲食店より開業資金を抑えられる
  • 幅広いメニューを扱える

それぞれを詳しく解説します。開業の手段として弁当屋が合っているか、検討するヒントにしてください。

弁当の需要が拡大しているため売上が伸びやすい

近年、弁当の需要は増加傾向にあります。コロナ禍による外食控えや、忙しくて調理に手間をかけたくない共働き世帯の増加が、中食市場の伸びに影響していると考えられます。

また高齢者世帯でも「1〜2人分だけの調理が面倒」「ガスを使うと危険」などの理由で弁当を購入するケースも多く、高齢化も弁当需要を押し上げていると見られます。

実際、ある調査では、「惣菜を中心とした中食市場はこれからも伸び続ける」との予想が出ており、別の調査では、解答者の4割ほどが利用に積極的な意向を示したことも分かっています。

各種調査からもわかるように、弁当屋はこれからも需要拡大が見込める業界で、店舗の売上も伸ばしやすいと考えられます。

初期コストを抑えて開業できる

弁当屋は、ほかの飲食業の形態と比べて、初期コストを抑えて開業できます。弁当屋とレストラン・居酒屋などの飲食店と、開業に必要な施設・設備を比較してみましょう。

弁当屋飲食店
店舗面積・調理できる広さの厨房と販売スペースだけで開業可能・宅配なら販売スペース不要・キッチンカーだけでも開業可能・厨房に加え、飲食用スペースが必要・厨房も店舗規模に応じた広さが必要
備品・最低限の調理器具と弁当容器で開業可能・テーブル、椅子、皿、グラスなど数多くの備品が必要
従業員・自分一人での開業も可能・厨房やホールそれぞれにスタッフが必要

上記のとおり、弁当屋は小さな物件と最低限の従業員を用意すれば開業できる点が、弁当屋ならではのメリットです。初期コストを抑えられれば、看板やホームページなど集客施策に資金を投下できます。

さまざまなジャンルのメニューを扱える

弁当屋は、あるジャンルに特化しなければ和洋中問わず、幅広いメニューを扱える点もメリットです。

一般的な飲食店は、カレーやイタリアンなど特定のジャンルに特化しています。

しかし、弁当屋なら店舗は1つでありながら、バリエーション豊富なメニューを提供できます。多様な料理を提供することで、さまざまなお客様のニーズに応えられます。

「さまざまな料理にチャレンジしてみたい」「いろいろな種類の弁当を作り、一番売れるジャンルを見つけたい」と考える方にも向いています。

弁当屋の開業資金や設備・備品

弁当屋の開業に必要な資金や必要な設備・備品を次の4つの弁当屋業態別に解説します。

  • 店舗(テナント)型弁当屋
  • 宅配(デリバリー)型弁当屋
  • キッチンカー型の弁当屋
  • 自宅型弁当屋

店舗(テナント)型の弁当屋

店舗型弁当屋の開業に必要な資金は、350万〜1,200万円が目安です。立地や店舗面積によって幅があります。

コストを抑えるコツは、「居抜き物件(前のテナントの設備などが残っている物件)を利用する」「厨房機器は中古品も活用する」の2点です。

項目金額(目安)
物件取得費90万~150万円
内装・外装費100万~600万円
厨房設備費50万~150万円
広告費10万~30万円
運転資金100万~300万円
合計690万~1,230万円

店舗型弁当屋は、水洗いできる床や二槽式シンク、厨房とトイレとで分かれた手洗い場など、保健所の検査をクリアできる設備を完備する必要があります。

また調理器具や弁当容器、決済システムなど、必要な備品も順次そろえておきましょう。

宅配(デリバリー)型の弁当屋に必要な資金

宅配型弁当屋の開業に必要な資金は、500万〜900万円が目安です。立地や店舗面積のほか、宅配用車両の有無によって幅があります。

コストを抑えるコツは、「内外装にこだわりすぎない」「車両はリースを利用する」の2点です。お客様が来店するわけではないため、内外装はデザインなどに凝りすぎる必要はありません。

自動車の購入でローンが組めなかった場合は、リースを利用しましょう。リースなら車検やメンテナンス、各種手続き、また車購入費を減価償却するなどの会計処理も不要です。

項目金額(目安)
物件取得費45万~70万円
内装・外装費150万~300万円
厨房設備費50万~150万円
車両費50万~100万円
広告費10万~30万円
運転資金140万~300万円
合計445万~950万円

宅配型弁当屋も「飲食店」に相当するため、必要な設備・備品は店舗型とほぼ同じです。そのほか、宅配用車両も必要です。宅配用車両は、自店舗が1日に宅配する弁当の個数から、最適な車両を決定しましょう。

キッチンカー型の弁当屋

キッチンカー型弁当屋の開業に必要な資金は、450万〜800万円が目安です。もっとも高額なのは、キッチンカーの取得費用です。

項目費用(目安)
車両取得費200万~500万円
広告費10万~30万円
運転資金240万~300万円
合計450万~830万円

キッチンカー設備基準の一例は次のとおりです。

シンク手洗い用と調理器具洗浄用の2つ
給排水タンク手や調理器具を洗うための給水タンクと、
使用後の汚水を溜める排水タンクの2つ
扉付き収納スペース保管庫や棚、収納ボックスには扉が必要
冷蔵設備ポータブル電源も確保
電源装置使用機器の電力を十分まかなえる電源装置。発電機もおすすめ

もしクリアしていない箇所があれば、改修が必要です。購入費用を抑えるには中古キッチンカーもおすすめですが、「車両の状態」「事故歴の有無」など、安心して使えるかどうかは入念に確認してください。

自宅型の弁当屋

自宅型弁当屋の開業に必要な資金は、250万〜450万円が目安です。

自宅があるため物件取得費を抑えられますが、弁当調理専門の厨房設置に大がかりなリフォームが必要です。

項目費用(目安)
内装・外装費50万~150万円
厨房設備費50万~100万円
広告費10万~30万円
運転資金100万~150万円
合計210万~430万円

弁当屋の開業には、専用の調理スペースの確保が必要です。飲食店営業許可に必要な設備にくわえて、「店舗部分と住居スペースは壁や扉などで仕切られていること、住居用とは別に手洗い専用設備があること」などの条件が課されます。

備品類は、ほかの業態と同じものを必要に応じて準備しましょう。

関連記事:小さい飲食店の開業資金はいくら?|オープンして繁盛させるための成功法則

弁当屋の開業資金を調達する方法

弁当屋の開業資金を調達する方法

弁当屋の開業資金を調達するには、4つの方法があります。

  1. 自己資金でまかなう
  2. 日本政策金融公庫の融資を受ける
  3. 金融機関の融資を受ける
  4. 国や自治体の補助金・助成金制度を活用する

自己資金で開業資金を準備できれば、融資を受ける必要はありません。自己資金でまかなえないときは、金利が低い日本政策金融公庫で融資を受けると良いでしょう。

日本政策金融公庫は、日本政府が出資している金融機関です。借り入れ実績のない事業者でも融資がおりやすい傾向にあります。返済期間も長く設定されています。

銀行や信用金庫の取引実績(借り入れと返済)があるなら、金融機関で融資を受けるのも良いでしょう。

条件を満たせば、国や自治体の補助金・助成金制度を活用できます。補助金や助成金は給付型の支援制度で、返済する必要がありません。

補助金・助成金を詳しく知りたい方は「<a>開業で活用したい補助金・助成金8選│申請のポイント・注意点も解説」をご覧ください。

弁当屋を開業する流れ

弁当屋を開業する流れ

弁当屋の開業は、以下の流れで準備を進めます。

  1. ターゲットとコンセプトを決定する
  2. 出店方法を検討する(店舗型・キッチンカー・宅配専門など)
  3. 出店場所を決める
  4. メニューを考える
  5. 資金を調達する
  6. 外装・内装・機材の準備
  7. 資格を取得する
  8. 許認可申請をおこなう
  9. 営業開始

全体的な流れを把握しておくと、開業までの準備がスムーズに進められます。取得に時間がかかる融資、許認可申請、資格取得は早めに手続きしましょう。

弁当屋を開業するには、宣伝や従業員の採用活動なども欠かせません。SNSアカウントの取得やチラシの手配、求人広告の掲載なども必要に応じて対応しましょう。

弁当屋の開業を失敗させないための注意点

はじめての開業でも失敗しないように、弁当屋の開業前にチェックしたいポイントを6つにまとめました。

  • 徹底した市場調査
  • コンセプトの明確化
  • 集客経路の想定
  • 看板メニューの考案
  • フードデリバリーサービスへの登録
  • キャッシュレス決済の導入

各項目を順に解説します。

徹底した市場調査を行っているか

出店予定の地域や人通り、多い客層など、市場調査を徹底的に行います。

街の年齢層や周辺の施設は、弁当の売れ行きに影響します。

また「学生や若い人、男性が多い街ならボリュームを重視する」「女性やシニアが多ければ、健康志向の弁当にする」など、商品のラインナップも客層に合わせて工夫しなければなりません。

ランチタイムに合わせて、出店予定地周辺を歩いてみましょう。

「どのような客層が・どこで・どのような弁当を購入しているか」「どれくらいのメニュー数や値段帯か」などライバル店や利用者層を把握できます。

平日と土日など、曜日を変えて歩くことで、より精度の高い情報が手に入ります。

コンセプトが明確になっているか

コンセプトが明確になっているか

個人で弁当屋を開業する場合、独自のコンセプト(個性)がなければ、大手フランチャイズ弁当屋や知名度のある既存店に勝てません。「あの店の〇〇弁当が食べたい」と言ってもらえる状態を目指し、訴求ポイントを明確にしましょう。 

コンセプトは、次の手順で作成します。

  1. どのような弁当を提供したいか考える
  2. 誰に食べてほしいか決める
  3. 周辺にある弁当屋との差別化ポイントを決める
  4. 要素の関係性を書き出し、整理する

コンセプトは、いつでも変更可能です。市場や売れ行きを見ながら、随時軌道修正し、ブラッシュアップしていきましょう。また自分ひとりで雑に考えても、良いコンセプトは生まれません。

知人や開業相談サービスなど、少なくとも2〜3人の意見を聞きながら完成させてください。

◎ コンセプトの一例

  • 提供スピードを重視した「ランチタイムを1分でも無駄にしない弁当屋」
  • コスト面やお得感を重視した「昼食代を100円浮かせられる弁当屋」
  • 食材にこだわった「地元の朝採れ野菜ロコモコ弁当屋」

個性あるコンセプトを開発し、お店のセールスポイントを確立しましょう。

集客経路をイメージし実現できているか

集客経路をイメージし実現できているか

集客経路とは「お客様はどのように自店舗を認知し、足を運んでくれるか」、一連の流れをいいます。

お客様が店舗を認知するきっかけには、「店の看板」「インターネットの検索結果」「チラシ」などがあります。

「どのような経路で認知してもらうか」「どうやって集客を行うか」をイメージした上で、実際の集客方法と実現するための計画を立てましょう。

集客経路ごとの集客方法には、たとえば次があります。

  • 店の看板から認知
  • インターネットの検索結果から認知
  • チラシから認知

オフィス街に弁当屋を開業し会社員をターゲットにするのであれば、店の看板やMEO(地図検索)を中心とした集客方法に力を入れるなど、市場調査の結果やターゲットに合わせて工夫しましょう。

店の看板は、次の点に注意してデザインします。

  • 色:赤・黄・橙などを中心に。暖色系には食欲増進効果がある。
  • 視認性:弁当のイラストを添えるなど、一目で弁当屋とわかるデザインにする。
  • 親近感:気軽に入れるよう、明るく、親しみやすい雰囲気にする。

壁面看板やウィンドウ看板、のぼり、スタンド看板など、看板には多くのバリエーションがあります。

「壁面看板は認知度アップを狙う」「スタンド看板はおすすめメニューを知らせる」など、看板ごとに役割を持たせて使い分けるのも効果的です。

オフィス街にチラシを配っても、忙しい会社員には見てもらえる可能性は低いので、効果的な集客方法とはいえません。

関連記事:効果のある集客方法26選(オフライン・オンライン)と巧みに使い分けるコツ

目玉となるメニューを作っているか

目玉となるメニューを作っているか

定番弁当を作っているだけでは、大手フランチャイズ弁当店と差別化できません。

目玉メニューは目立つため評判になりやすく、来店動機を上げる効果があります。「認知」を「来店」につなげるためにも、魅力的でお得な目玉弁当を売り出します。

目玉となるメニューの開発手順は、以下のとおりです。

  1. 市場とターゲットの嗜好を調査する
  2. 競合弁当屋のメニューを調査する
  3. 自店舗のコンセプトを活かしたメニューを考案する
  4. 栄養バランスや彩りを考慮して組み合わせる
  5. 美味しそうに盛り付ける

目玉弁当には、お客様を惹きつける魅力が必要です。「ボリューム感や出来立てでの提供にこだわる」「冷めても美味しく食べられるメニューにこだわる」など、自店舗ならではのこだわりを考案しましょう。

◎ 目玉弁当の例

  • ワンコインで満腹「蓋が閉まらない!?たっぷり唐揚げ弁当」
  • みんな大好きなものばかり「大人のお子様弁当」
  • 大きなエビを丸ごと揚げた「弁当箱からはみ出る巨大エビフライ弁当」
  • 暑い日にガッツリ食べたい「キムチチャーハン弁当」

名物弁当が作れれば口コミも広がりやすく、集客につながる可能性もあります。

フードデリバリーサービスに加盟店として登録しているか

UberEats(ウーバーイーツ)やWolt、出前館などのフードデリバリーサービスに加盟店登録しておくのもポイントです。フードデリバリーは使っているユーザーが多く、認知を獲得しやすいからです。

フードデリバリーサービスの利用には、商品金額の35〜38%ほどの手数料がかかります。安くはない額かもしれませんが、広告費だと考えて投資する店舗もあります。

デリバリーサービスで満足したお客様が、次は店舗に足を運んでくれる、直接注文してくれるなどの効果も期待できます。

キャッシュレス決済を導入しているか

キャッシュレス決済の有無も重要です。弁当屋は通勤時やランチタイムなど、忙しい時間帯の利用が多いため、時間も手間もかからないキャッシュレス決済は利用者に歓迎されやすいからです。

周辺の弁当店が現金決済にしか対応していない場合は、キャッシュレス決済に対応しただけで優位に立てます。

キャッシュレス決済には手数料はかかりますが、「現金管理の手間が減る」「外国人も購入しやすくなる」など店舗側のメリットもあります。

弁当屋は儲かる?利益が出る売上の目安

弁当屋が儲かるかは、利益を確保できるかどうかで決まります。利益は「損益分岐点」でわかります。損益分岐点とは、支出金額と売上が同額(利益がゼロ)になる値です。

損益分岐点を算出する計算式は以下のとおりです。

損益分岐点=固定費÷(1-(変動費÷売上高))

固定費は、人件費や店舗物件の家賃、機材のリース料などです。変動費は、原材料や運送費、外注費など、販売量や生産量に応じて変動する費用を指します。

例えば、月間売上高100万円、固定費40万円、変動費20万円の弁当屋を想定します。

◆損益分岐点=40万円÷(1-(20万円÷100万円))

      =50万円

このケースでは、売上50万円が損益分岐点です。500円の弁当が1か月に1,000個売れれば達成できます。営業日数が25日なら、1日当たり40個売れば良い計算です。

売上を伸ばすか固定費や変動費の支出を抑えなければ、利益は増えません。

儲かる弁当屋を経営するには、売上を伸ばしつつ固定費や変動費の支出を抑え、利益を確保することが大切です。

弁当屋の開業の成功事例2つ

弁当屋の開業の成功事例2つ

個性的なメニューや買いやすい価格設定、試行錯誤の高速回転などによって成功した事例を紹介します。

キッチンカー型の弁当屋の成功事例

あるキッチンカー型の弁当屋は、店主が元焼肉店オーナーであった経験を活かし、焼鳥をメインに開業しました。国道沿いの目立つ立地に車を止め、地元の人気店として営業しています。

このキッチンカー型弁当屋の成功ポイントは、次の3点です。

  • 炭火焼肉・豚生姜焼きなど、できたての肉料理を買える
  • 弁当・単品どちらも買いやすい価格(130円〜750円)に設定されている
  • SNSやブログ、公式サイトで出店場所・出店日のスケジュールを発信している

関連記事:SNS集客7つのコツと成功事例!口コミを生み出すポイントも解説

宅配(デリバリー)型の弁当屋の成功事例

「5坪のキッチンで月商500万円」を売り上げた例があります。この宅配型弁当屋の特徴は、1つのキッチンで7業態(サラダ・チキンオーバーライス・麻婆豆腐・トムヤムクンなど)を営業している点です。

この弁当屋は、スピーディーに試行錯誤をしたことが勝因です。

あるメニューを投入し利用者の反応を確認、好評なら継続・不評ならスパッとやめ、別のメニューを投入するサイクルを1年回し続け、月商500万円に達しました。

提供ジャンルを変える度に店舗の改装が必要な飲食店と違い、改装が不要な宅配型弁当屋だった点も、素早い改善サイクルを実現できた要因です。

まとめ

弁当や総菜などの中食は、共働き世帯の増加や高齢化などにより、今後も成長が見込まれています。

ただし、開業し売上を安定させるためには、ほかと差別化できる独自のコンセプトや看板メニューの開発、集客経路の確立などの準備が欠かせません。

さらに資金調達の問題やリピート客の獲得方法、口コミの拡散方法など、商売のために抑えるべきポイントは多岐にわたります。

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