花屋開業の準備・資金|憧れのお店を成功させるポイントは?

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花屋開業の準備・資金|憧れのお店を成功させるポイントは?

更新日更新日:2023.10.2

公開日投稿日:2022.8.17

花屋で花を選ぶ女性

花屋を開業しようと思いたって、街中の花屋を見たとき「行列ができるほど繁盛しているわけではないのに儲かるのか」と、気になったことはありませんか?花屋を開業するなら、どれくらいの収益が見込めるのか、商品価値が長持ちしない生花の販売は難しいのでは、と悩むことがあるかもしれません。

花屋の開業方法は近年多様化しており、フランチャイズ経営やネット販売なども可能です。この記事では、花屋の開業で儲かる見込みはあるのか、ビジネスの展望や開業時に意識したいポイント、開業資金の目安などについて解説します。どのような経営方法が良いのか、開業しようか迷っている方の参考になれば幸いです。

目次

花屋の開業は儲かるのか?

花屋の開業は儲かる見込みはある?

「花屋を開業して儲かる見込みがあるか」というのは、事業を始める際にもっとも気になるポイントではないでしょうか。

まずは、どれくらいの需要が見込まれるのか、花屋ビジネスにおける事業者数の現状や、観賞用植物である花き類(生花・盆栽・苔など)の販売額データを見ていきましょう。

年間を通じてさまざまなイベントで重宝される

花屋はさまざまなイベントごとで重宝されるため、年間を通じて需要がある業態です。

結婚式やお葬式などの冠婚葬祭はもちろん、入学・卒業式、開店祝いなどイベントにあわせて、コサージュやスタンド花などの大口の発注を受けます。

また、新型コロナウイルスの流行拡大にともない、家庭で過ごす時間が増えて「おうち時間を充実させたい」という需要が増加しました。

おうち時間を充実させようと、家庭向けにインテリアとして飾る花や観葉植物などに人気が集まり、家庭向け商品の需要も伸びつつあります。

また、毎週・隔週など定期的に季節の花が配送されるサブスクリプションサービスも登場しています。

安定した市場ニーズが見込める

農林水産省の調査「花きの現状について」をもとに、花屋ビジネスの実情を説明します。

平成26年度の花き事業者数は26,896店ありました。花き事業者全体のうち、花きを専門に取り扱う小売業者(いわゆる花屋を含む)は約6割にあたる15,903店にのぼります。

参照:花きの現状について(令和元年12月)|農林水産省

このデータを平成9年度の結果を比較してみましょう。

花き専門小売業者は27,442店ありました。花屋の事業者数は大幅に減少していることがわかります。

また、平成26年度の花き類の販売額は5,195億円となっており、平成9年度の9,113億円と比べると販売総額も減少しています。

しかし、平成26年度でも花き専門小売業者は販売額全体の約7割にあたる3,683億円を占めているのです。

参照:花きの現状について(平成26年4月)|農林水産省花きの現状について(令和元年12月)|農林水産省

スーパーマーケットなどの一角で販売されている花き類の販売額が、966億円であることと比較すると需要の差は歴然でしょう。

つまり、花き類の販売総額や花屋の店舗数自体は減少傾向にあるものの、花屋そのものの需要は一定数あることが推察されます。

花屋の経営が難しいと言われる3つの理由

花屋の経営が難しいと言われる3つの理由を説明します。

  • 生花は廃棄ロスが出る
  • シーズンによって需要が大きく変動する
  • 経営の知識・営業力が求められる

どのような影響があるのか、対処法と意識すべきポイントを解説します。

生花は廃棄ロスが出る

花屋で販売する生花は、時間が経つにつれて枯れていきます。枯れた花は売り物にならないため廃棄するしかありません。

しかし、廃棄をゼロにすることは困難です。ゼロにはできなくても、廃棄ロスを減らす工夫が欠かせません。

例えば、花を長持ちさせるために冷蔵庫(フラワーキーパー)を導入する、毎日の水替えやケースを清掃するなどです。

生花以外の商品をラインナップに加え、リスクを分散する方法もあります。ドライフラワーやプリザーブドフラワー、多肉植物など、長く保管できる商品を取り扱うのがおすすめです。

シーズンによって需要が大きく変動する

シーズンによって需要が大きく変動するのも花屋経営の難点です。花は、日常的に家庭で飾る用途のほか、季節ごとの贈答用にも需要があります。

例えば、

  • 母の日:カーネーション
  • 桃の節句:桃の花
  • お盆:菊、胡蝶蘭、ユリ
  • クリスマス:ポインセチア、バラ、シクラメン

などです。

シーズン商品は、オフシーズンになると需要が低下します。仕入れ量が多すぎると廃棄ロスになり、少なすぎると販売機会を逃します。

シーズン商品の需要変動を適切に見極め、シーズン終了までに売り切る工夫が必要です。

経営の知識・営業力が求められる

花屋では、花の知識だけでなく経営の知識や営業力も求められます。廃棄ロスを念頭に置いた仕入れ量の調整、シーズンに応じた需要予測も経営者の仕事です。

従業員を雇用していれば、人件費や店舗賃料などの固定費がかかります。固定費がまかなえる原資を、売上が低下しても捻出し続けなければなりません。

花屋をうまく運営するには、資金がうまく回り続ける仕組みづくりが必要です。さらに利益も伸ばすための工夫も求められます。

さらに販路拡大をする営業も必須です。花屋は店頭販売だけでなく、レストランやホテルなどの施設から活け込みも依頼されます。

活け込みは、花壇の整備や草花を使用した飾りつけです。

活け込みは定期契約も多く、花屋の重要な収益源です。定期契約を獲得する営業力の有無が売上を左右します。

花に関する知識に加え、経営や営業のスキルも積極的に身につけましょう。

花屋を開業する流れ

花屋を開業する流れ

花屋の開業準備をスムーズに進めるために、開業までの流れを把握しておきましょう。

  1. コンセプト設計・事業計画書の作成
  2. 開業資金と物件の準備
  3. 仕入れ先の確保
  4. 宣伝する
  5. 許認可申請

概要や準備のポイント、重要性を解説します。

コンセプト設計・事業計画書の作成

どのような花屋にしたいのかコンセプトを設計し、事業計画書に落とし込みます。

コンセプトを設計しておけば、ターゲットの絞り込み、出店場所選び、内装・外装、取り扱う花の種類すべてに統一感が出ます。

例えば、スタイリッシュをコンセプトに設計した場合、お洒落なブーケやアレンジメント、ブーケ・花冠など贈答品を求める顧客を取り込めるでしょう。

コンセプト設計を踏まえて事業計画書も作成します。事業計画書は、どのような戦略で収益を得るのか、なにを目的に開業するのかを記した書面です。

収益予測を明示し、資金調達で融資審査を受ける際にも活用できます。

関連記事:個人事業主が事業計画書を作成する6つのメリットと具体的な書き方

開業資金と物件の準備

必要な資金の確保と店舗物件の準備を進めます。開業資金は、開業時に発生する支出だけでなく、当面の運転資金も必要です。

運転資金は半年~1年分確保しておきましょう。店舗物件を借りる際、敷金や礼金、仲介手数料など5~8か月分の賃料相当の資金が必要です。

開業資金は、自己資金、国や自治体の助成金・補助金制度の活用、融資の利用で準備できます。

資金調達の方法は「起業したいのにお金がない悩みを解決するビジネスの工夫と資金調達法」で詳しく解説しています。

仕入れ先の確保

花屋の商品を仕入れる方法は3つあります。

  • 花き類の卸売市場
  • 仲卸業者
  • 生産者

卸売市場で買い付けできるのは「買参権」をもつ事業者に限られます。安く大量に仕入れられる点がメリットです。

開業してすぐの頃は、買参権がないため仲卸業者を経由して仕入れます。卸売市場よりも割高ですが、10本単位の小ロットでも発注できます。

生産者から直接買い付ける方法もあります。しかし、開業間もない事業者は販売実績がないため、取引は難しいかもしれません。

宣伝する

花屋を開業することを宣伝し、顧客に認知してもらいましょう。プレオープンや開店イベントの実施を告知するのも効果的です。

チラシ配りや広告出稿のほか、ホームページ・SNSで告知する方法もあります。

開業準備の段階でチラシを作成し、ホームページ・SNSアカウントを立ち上げておくとスムーズです。

オープンに合わせた宣伝だけでなく、入荷情報やシーズンイベントの告知にも積極的に活用しましょう。

関連記事:SNS集客7つのコツと成功事例!口コミを生み出すポイントも解説

許認可申請

花屋は、飲食店の営業許可にあたる開業に必須の許認可はありません。個人事業主なら、開業届と青色申告承認申請書を出しておくと青色申告特別控除が受けられます。

開業届の提出期間は、開業後1か月以内までです。開業届の書き方は「【開業届の書き方まとめ】書くべき18の項目と必要書類を4つ解説」をご覧ください。

青色申告承認申請書は、青色申告したい年度の3月15日までに提出しましょう。年度途中で開業したときは、開業後2か月以内であれば提出できます。

法人で起業する場合は、法人化の手続きが必要です。

花屋の開業方法・出店場所

花屋の開業方法・出店場所

花屋を開業する際には、需要や流行の変化、需要に影響を与える情報をいち早くつかみ、消費者のニーズに合う出店方法を選択することが大切です。

では、花屋の開業方法には、具体的にどのような選択肢があるのでしょうか。

  • 店舗を借りる(構える)
  • 自宅の一角
  • ネットショップ
  • フランチャイズ加盟

の4つがあります。ここからは、花屋の開業方法や出店場所の選択肢について紹介します。

店舗を借りて開業

h3_店舗を借りて開業

街中で見かける一般的な花屋の多くが、店舗物件を借りて開業しています。花屋と聞いてイメージするのは、路面に面した店舗を運営する店舗型の開業方法ではないでしょうか。

店舗型の開業方法では、歩道に面している1階に出店するケースが多く、カラフルな生花だけでなく、スタイリッシュでモダンな雰囲気の花や、ドライフラワーなどさまざまな商品が並びます。

店舗を借りて花屋を開業するメリットは、内装から品揃えまで経営者が選択できる点です。

店舗のコンセプトやターゲットなども自分で検討して運営できるため、経営者自身の希望を実現しやすいという特徴があります。

自宅の一角で開業

h3_自宅の一角で開業

自宅の一角を店舗として改装し、花屋を開業する方法も選択肢の1つです。自宅であれば、新たに店舗を借りる賃料も必要ないため、初期費用を抑えて開業できるメリットがあります。

また、フラワーアレンジメントやプリザーブドフラワーなどの教室を開けるのも、自宅の一角で花屋を開業する魅力でしょう。

花屋の開業にあたり「初期費用を抑えたい」「自分や家族など少人数で運営できる規模で良い」という場合に適しているのが、自宅の一角を活用する方法です。

ネットショップでの開業

ネットショップでの開業

花屋は、店舗をもたずにネットショップでも開業できます。ネットショップの場合、注文が入ってから花を仕入れて配送手配を行うので、在庫リスクを軽減できるメリットがあります。

在庫リスクとは、在庫が不足もしくは過剰になることで、受注機会を損失したり、売れ残りが発生したりして、お店の収益やキャッシュフローの悪化を招く可能性のことです。一定の在庫を仕入れて販売する店舗型の花屋に比べると、ネットショップでは在庫リスクを抑えられます。

また、営業時間にとらわれず24時間発注を受け付けられるため、販売機会を最大限に広げられるのもネットショップの特徴です。

花屋の開業にかかる店舗賃料や開業時の改装費用も必要なく、店舗をもつのと比べて低コストで開業できます。

店舗を出して花屋を開業する場合、数百万円単位の開業資金を調達しなければなりません(詳細は後述します)。

一方で、ネットショップであればパソコンやネット環境、ラッピング用品などの消耗品、ホームページの作成資金など10数万円~100万円程度あれば花屋を開業できます。

自社のホームページを作成せずにECサイトを利用したり、フリマアプリなどで販売したりすることも可能なため、店舗型よりも参入しやすい開業方法です。

フランチャイズに加盟しての開業

フランチャイズに加盟しての開業

花屋の開業方法は、経営者自身の力のみで始める以外にも方法があります。フランチャイズに加盟して、本部の支援を受けながら事業を運営する方法です。

フランチャイズに加盟して開業すると、本部がもつ経営ノウハウや業界の最新情報などを共有してもらえるメリットがあります。

また、フランチャイズ本部が商品の仕入れ先なども確保しているため、個人経営で発注するよりも商品を安く仕入れられる場合が多いのも特徴です。

関連記事:フランチャイズビジネスとは?ビジネスモデルやメリット・デメリットを解説

花屋を開業する資金の目安

花屋の開業時に必要な資金の目安

花屋の開業時には、店舗の準備や仕入れなどに資金が必要です。ここからは、花屋の開業資金の目安について、開業時に必要になる支出項目ごとにわけて紹介します。

店舗の家賃

花屋を開業する際に店舗を借りて事業をスタートする場合には、店舗を借りるための家賃を支払う必要があります。

また、初期費用として物件の契約時には敷金や礼金、仲介手数料、保証金も支払わなければなりません。初期費用が大きな負担になることがあるので、入居契約の前に初期費用や毎月の支払総額などを確認しておきましょう。

店舗の家賃は、毎月固定費として負担しなければなりません。安定した経営を目指すのであれば、1ヶ月の売上目標金額に対して10%程度の金額に店舗の家賃を抑えることが大切です。

例えば、1ヶ月の売上目標を200万円に設定している場合、店舗の家賃は20万円程度に抑えると良いでしょう。

さらに、敷金や礼金、保証金としての家賃の前払いなどを考慮すると、家賃20万円の物件では100万円程度の初期費用が必要です。

内装工事費

内装工事費は、店舗の内装を整える際にかかる費用です。内装工事とは、お店の天井や壁などのクロス張りなどの工事が例として挙げられます。店舗を借りて花屋を開業するケースだけでなく、自宅の一角を店舗として利用する場合にも必要です。

照明や塗装、レイアウトの変更に加えて、水道・電気工事などにも費用がかかります。店舗の大きさや業者に依頼する施工範囲にもよりますが、約100~400万円準備しておくと良いでしょう。

花屋の運営に必要な什器代

花屋を開業する際には、花屋を運営するために必要な什器(じゅうき)の購入やリース料金なども必要です。什器代にかかる初期費用の目安は、約20~60万円です。

花屋で使用する什器の例には、花筒、フラワースタンド、ショーケースなどが挙げられます。

また、店員が腰に下げるシザーケースやレジで使用するカウンターや会計道具なども手配しなければなりません。

店舗のインテリアや雰囲気は、開業時にターゲットとして想定する顧客に合わせたレイアウトで統一することが大切です。什器代は、安価なものを使用すれば初期費用は抑えられます。

しかし、買い替え頻度が高くなればコスト増につながるため、耐久性も確認しておかなければなりません。また、店舗の雰囲気を左右するデザイン性などは、売上を左右する可能性もあります。

そのため、店舗のコンセプトにマッチし、かつ耐久性に優れているかを比較検討し、初期費用は余裕をもって予算設定することが大切です。

車両費

花屋を開業するにあたって、車両費がかかることもあります。

生花の配達や仕入れの際に車両が必要になることもあるため、配達の有無や仕入れ方法など店舗の運営方法にあわせて購入を検討しましょう。

配達や仕入れで使用する車両は、軽のワンボックスタイプのものが一般的です。購入費用は新車であれば100万~200万円程度ですが、中古を購入すれば初期費用を抑えられます。

消耗品や花の購入費用

花屋を開業する際には、消耗品や花の購入費用も確保しておきましょう。店頭に並べる花は、定期的に季節や店舗のコンセプトに合わせたものを仕入れる必要があるためです。

とくに生花は、売れ残ったものは枯れていくため仕入れ価格を販売価格の30%程度に抑えることが求められます。

1ヶ月の売上目標が200万円の場合、60~70万円程度が花の仕入れにかかる費用の目安です。

また、花屋によっては、フラワーアレンジメントやブーケなどのラッピングを依頼されることもあります。ラッピングに使用する消耗品などの資材にかかる費用は、売上の約10%が目安です。

そのため、1ヶ月の売上目標を200万円に設定するのであれば、消耗品にかける費用は20万円程度に抑えると良いでしょう。

人件費

店舗の規模によっては、運営にかかわる人を雇うための人件費が発生します。地域によって人件費に差はあるものの、アルバイト・パートスタッフで10万~15万円、正社員で20万~30万円程度を毎月支払う必要があります。

宣伝広告費

宣伝広告費は、店舗の認知度を高めて売上を伸ばすために欠かせない費用です。例えば、ホームページの作成費用や広告掲載費用、店頭のPOP、オープニングに合わせたチラシ作成などが宣伝広告費に該当します。

どのような宣伝を行うかによって費用は左右されますが、チラシや広告掲載費用であれば約5万円が目安です。

ホームページの作成にかかる費用は、宣伝を目的としたものであれば10万円~100万円程度で依頼できます。

ただし、ネットショップとして開業する場合には、決済方法の確立やECモールの利用料なども適宜必要になるため、費用も100万~300万円程度は準備しておきましょう。

花屋を開業すると年収はどれくらい?

花屋を開業すると年収はどれくらい?

花屋は、正社員として就職した場合の年収で約300万~350万円といわれています。一方で、花屋を開業して得られる年収は、個人店の場合200万~360万円程度が目安です。

しかし、お店の売上や収益によって経営者が得られる収入には差があります。業績が拡大するにつれて年収も上がるため、平均よりも高い収入が期待できます。

例えば、冠婚葬祭にかかわる企業と提携して大口の発注を定期的に受けられれば1,000万円以上の年収も見込めるでしょう。

花屋の開業に必要な資格について

花屋の開業に必要な資格について

花屋を開業するにあたり、資格取得を検討している方もいるのではないでしょうか。ここからは、花屋の開業に必須の資格はあるのか、花屋で役立つ資格を紹介します。

花屋に必須の資格はない

花屋の開業には、取得しなければならない必須の資格はありません。しかし顧客への営業方法や花の手入れの仕方、仕入れルート、販促方法などの知識をもつために、花屋での就労経験はあると良いでしょう。

花屋の開業時にあると便利な資格

花屋を開業する際に必須の資格はないものの、開業時に取得していると便利な資格について、4つ紹介します。

資格を取得すべきか迷った場合は、フラワーアレンジなどの生花販売以外のサービスを引き受けるかを判断基準にすると良いでしょう。例えば、フラワーアレンジに関する知識や技術を身につけるためにフラワー装飾技能士の資格を取得するのも選択肢の1つです。

また、フラワー関連イベント開催するのであれば講師が勤められる資格を取得し、配達や仕入れが遠方になる場合は自動車運転免許を取得するなど、花屋の業態にあわせて取得を検討すると良いでしょう。

フラワー装飾技能士

花屋の開業時に役立つ資格の1つにフラワー装飾技能士があります。

フラワー装飾技能士は、生花をもちいて装飾を行う技能の有無を認定する「国家資格」です。学科試験と実技試験の2つの試験があり、生花アレンジによる花束やコサージュの制作、ブーケのデザインなどが評価されます。

各都道府県の知事が認定するものは2級・3級で、1級は国が認めた認定者です。各種フラワー装飾に関するイベントを開催時に、講師を担当する人に需要がある資格として知られています。

フラワーアレンジメント・フラワーデザイナー

フラワーアレンジメントやフラワーデザイナーの資格も、花屋の開業時に有していると役立つ資格です。フラワー装飾技能士とは異なり、民間の協会が資格認定を出しているという特徴があります。

国家資格ほどの強い影響力はないものの、個人店で小規模のフラワーアレンジメント教室などを開催する際に役立つ資格です。

カラーコーディネーター

カラーコーディネーターの資格は、直接花にかかわる資格ではないものの、取得しておくと花屋の事業で役立つ場面が多くあります。

カラーコーディネーターの資格は、色彩がもたらす人への影響や、色の組み合わせによる視覚効果、流行色などについての知識を認定するものです。

カラーコーディネーターの資格を有していれば「情熱的な赤」「落ち着きを感じる青」など、色の特性を理解した上で顧客のニーズにマッチする花やアレンジメントを提案できます。

自動車普通免許

自動車普通免許は、花屋で配達や仕入れで車両を使用する場合に必要となる資格です。車両を運転する際に必須になるため、事業用車両を購入するのであれば、開業前に自動車普通免許を取得しておきましょう。

花屋の経営許可を得るのに開業届は必要?

花屋の経営許可を得るのに開業届は必要?

花屋の経営許可を取る際に、出店する地域の税務署に「開業届」を提出する方法が一般的です。しかし、開業届は必ずしも必須のものではありません。

とくに小規模のネットショップで花屋を開業する場合には、開業届を出さなくても確定申告で売上や税金の申告をするだけで済みます。

一方で、開業届を出すと青色申告特別控除で最大65万円の控除が受けられる上に、赤字の繰り越しができるため節税が可能です。

開業届は、開業してから1ヶ月以内に管轄の税務署に必要事項を記入して提出しましょう。もし開業届を提出していなかった場合、開業から1ヶ月以上経過していても開業日はいつでも申告できます。

ただし、提出日は変更できません。また、過去にさかのぼって特別控除や赤字繰り越しもできないため、開業届は開業時に提出するのをおすすめします。

関連記事:開業届の出し方と流れを紹介│個人事業主なら知っておきたい注意点も解説

花屋の開業を成功させるためのポイント

花屋の開業を成功させるためのポイント

花屋の需要は安定して一定程度あるものの、事業者数は減少しています。事業者数が減少するなかでも花屋の開業を成功させ、事業を軌道にのせるためにはどうすれば良いのでしょうか?

ここからは、花屋の事業を成功させるために、開業時点で意識しておきたいポイントについて紹介します。

出店場所選びは念入りに

花屋の開業時に店舗を出すのであれば、出店場所選びを念入りにリサーチすることが大切です。競合する他店は近隣にあるか、コンセプトやターゲットは被っていないか、出店場所周辺を通る人の数は多いか、などをチェックしておきましょう。

コンセプトを明確にする

店舗の内装やレイアウト、取り扱う花の種類などを決定するには、まず開業する花屋のコンセプトを明確にしましょう。

ギフト用の男性向けや家庭用の女性向けなど、ターゲットを設定します。さらに「おしゃれでスタイリッシュなイメージ」「日常的に手に取りやすいアットホームな雰囲気」など店のイメージを決定します。。

また、店舗を見た人が入りやすいように明るく開放的な雰囲気や、デザイン性に優れプレゼントに選びたくなる非日常感を演出して、外装に取り入れるのも効果的です。

生花以外の売上も確保する

生花はいずれ枯れてしまうため、売れ残ったものは廃棄処分しなければなりません。仕入れたものがロスになれば、経費だけが負担となるため売上を押し下げる要因になります。

生花のロスによる負担増をほかの売上でカバーするために、ほかの方法で売上を確保しておくのは花屋全体の経営を安定させる手段の1つです。

例えば、プリザーブドフラワーの販売や、フラワーアレンジメント教室などのイベント開催を取り入れてみるのも良いでしょう。

花屋をフランチャイズで開業するメリット・デメリット

花屋をフランチャイズで開業するメリット・デメリット

花屋は、個人で開業する方法だけでなくフランチャイズ加盟も可能です。ここからは、花屋をフランチャイズに加盟して開業する場合のメリットとデメリットについて、それぞれ紹介します。

メリット

フランチャイズに加盟して花屋を開業するメリットには、以下のような点が挙げられます。

サポートが受けられるので初心者でも安心

フランチャイズに加盟すると本部のサポートを受けながら開業し、事業を営めるメリットがあります。

例えば、開業前の出店場所調査や立地条件の精査、店舗物件の取得や契約に関するサポートなどです。

運営においては、フランチャイズ本店の看板や屋号を掲げられるため知名度が高く、販促宣伝の手段をもたないオーナーでも事業を軌道にのせやすい利点もあります。

また、フランチャイズ本部では、独自の仕入れルートを確立しているところも少なくありません。

そのため、個人経営で入荷するよりも安く花を仕入れられ、経費を抑えて運営できるのもフランチャイズ加盟のメリットです。

商品の流行に関する情報が本部から共有される

フランチャイズに加盟することによって、花の流行をいち早く本部から共有してもらえば、トレンドに対応しながら店舗を運営できます。

花は、流行が変化する商品です。1980年代のバブル期には、鮮やかな色合いの花が流行しました。ときが経ち、バブル崩壊後の2000年代にはいわゆる「ニュアンスカラー」と呼ばれる中間色の花が流行し、ラメやグリッターを花にあしらった加工花も増加しています。

さらに、2010年代以降にはインターネットの急速な拡大によって、通販などの新たな販路が生まれ、SNSでの発信も活発化しました。

SNSの広まりと同時にいわゆる「映え」を意識する消費者も増え、インテリアにマッチするアンティークフラワーやハーバリウムなどの需要も高まっています。

しかし、このようなトレンド情報に関して、流行の発端を個人で見極めるのは難しいものです。

フランチャイズに加盟をすれば、本部からトレンドや売れ筋商品の情報が入手できます。

デメリット

花屋をフランチャイズに加盟して開業するのは、メリットだけではありません。ここからは、フランチャイズに加盟して花屋を開業するデメリットについて紹介します。

ロイヤリティの負担が必要になる

フランチャイズに加盟すると、どのような業態でも基本的にロイヤリティを本部に支払う必要があります。

ロイヤリティの支払い額や割合などは契約内容によって異なるため、加盟を検討しているフランチャイズ企業のロイヤリティは契約前に確認しておきましょう。

加盟料として加盟時に一括で支払うケースもあれば、毎月の売上から一定金額を支払うケース、売上の数%程度を支払うケースなどさまざまです。

フランチャイズに加盟するとロイヤリティの負担が発生するため、オーナーの手元に残る収益が少なくなるデメリットがあります。

オリジナリティのある店舗が作れない

フランチャイズに加盟して花屋を開業すると、フランチャイズ本部の屋号や看板を使用できます。

しかし、統一されたデザインやロゴになることも多く、オリジナリティのある店舗が作れないのもフランチャイズに加盟するデメリットの1つです。

また、仕入れルートが確立されているとオーナーの裁量で仕入れる商品を選択できず、独自性を出せなくなります。

フランチャイズ企業によっては、独自のデザインや運営を推奨している場合もあるため、契約前に加盟する企業を比較検討する必要があります。

比較検討する際には、オーナーの意向はどこまで店舗に反映できるのか、仕入れルートのバリエーションなどもチェックしておきましょう。

関連記事:フランチャイズのメリット・デメリット│FC業界のプロが解説

花屋のフランチャイズ加盟ならマッチングサービスを利用しよう!

花屋のフランチャイズ加盟ならマッチングサービスを利用しよう!

花屋のフランチャイズ加盟を検討しているのであれば、フランチャイズ企業を探せるマッチングサービスの活用が便利です。

ここからは、マッチングサービスを活用して、フランチャイズ企業を探すメリットを紹介します。

フランチャイズ企業の情報収集がスピーディー

マッチングサービスを活用すれば、オーナーが理想とする花屋のコンセプトや理想の運営方法ができるフランチャイズ企業の情報収集がスピーディーになります。

1社ずつ契約内容や特色などをリサーチする必要がないため、開業に向けた準備にかかるタイムロスを軽減できるでしょう。

フランチャイズ企業を比較しやすい

マッチングサービスを活用すると、花屋のフランチャイズ加盟を募集している企業を比較しやすくなるのもメリットの1つです。

加盟料やロイヤリティの負担額、サポート体制、花の仕入れルートや企業独自の特色などを容易に比較できます。

「フランチャイズに加盟したいけどどの企業を選べば良いかわからない」という場合には、一度マッチングサービスの活用を検討してみてはいかがでしょうか?

まとめ

花屋は、日常的に飾る習慣がない人でも、節目のタイミングやイベントなどで購入する機会の多い身近な商材を扱う事業です。

花屋の事業者数自体は減少傾向にあるものの、ネットショップなどの新たな販路も活用でき、フランチャイズに加盟するなど事業展開の選択肢は豊富にあります。

まずは、どのような花屋を営みたいのかコンセプトやターゲットを明確にし、開業方法を検討してみると良いでしょう。

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DokTech編集部
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