フランチャイズのメリット・デメリット│FC業界のプロが解説

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フランチャイズのメリット・デメリット│FC業界のプロが解説

更新日更新日:2023.10.2

公開日投稿日:2022.8.30

フランチャイズ(FC)のメリット10選・デメリット4選│業界のプロが解説

「フランチャイズは儲かるというが、ほかに加盟するメリットはあるのか」

「フランチャイズのメリットはよく聞くが、デメリットは何があるのか」

などの疑問をお持ちの方に、フランチャイズのメリット・デメリットをわかりやすく紹介します。

フランチャイズのメリットには「ビジネス未経験者でも開業しやすい」「本部のブランドや知名度を利用して集客できる」ことがあります。

開業前・開業後どちらの段階でも多くのメリットがあるため、これらを活かせば、簡単に成功できるとお考えの方がいるかもしれません。

しかし、メリットが多い反面、加盟金や対価を支払う義務があるなど、デメリットも把握しておくべきです。

フランチャイズはメリットを最大限活用し、デメリットに対して適切な対応をすることが成功の道です。

今回はフランチャイズの成功者やプロから、開業時に知っておきたかった、成功に欠かせないメリット・デメリットをご紹介します。

目次

フランチャイズの基礎知識

フランチャイズの基礎知識

フランチャイズとは、フランチャイズ本部のオーナー企業に加盟店が対価(ロイヤリティ)を払い、本部のブランドや経営ノウハウを借りて事業を行うビジネスモデルです。フランチャイズ本部はフランチャイザー、加盟店はフランチャイジーと呼ばれます。

皆さんが普段利用しているコンビニエンスストアや町中にある学習塾の多くは、フランチャイズとして事業を運営しています。

日本フランチャイズチェーン協会調べでは、2009年と2018年を比べると、フランチャイズ加盟店の店舗数は14%、売上高は26%上昇しています。

参照:フランチャイズチェーン統計調査(2009年度、2018年度)|一般社団法人日本フランチャイズチェーン協会

フランチャイズ市場全体を見れば、成長産業と言えますが、フランチャイズを始めた人すべてが成功できるわけではありません。

まずはフランチャイズのビジネスモデルを理解しておくことで、資金繰りなどの想定外のトラブルを避けられ、開業準備や経営もよりスムーズに進むでしょう。

フランチャイズの仕組み

フランチャイズの仕組みは、本部(フランチャイザー)と加盟店(フランチャイジー)の双方がいて成り立ちます。

フランチャイズ加盟店は本部に対して加盟金やロイヤリティを支払うと、本部が提供するブランドや商品・サービス、仕入れルートなどを利用できます。

これらを利用することで加盟店は、独自商品の開発、在庫を安価に仕入れるルートの確立を一からする必要はありません。

店舗運営における手間が省け、かつフランチャイズ本部の屋号を借りて円滑に店舗運営ができます。

また本部は上記のような利権を与える代わりに、加盟金やロイヤリティを受け取ることで、継続的な利益を得ています。

同時に店舗数も拡大できるので、ブランディングや認知度の向上など、本部にとっては大きなメリットを得られるでしょう。

このように双方に利益がある仕組みが「フランチャイズ」です。

直営店と加盟店の異なるポイント

フランチャイズ本部は、「直営店」と「加盟店」を運営しています。

  • 直営店:フランチャイズの本部が経営。店長や従業員すべてが本部と直接雇用の契約を結んでいる。
  • 加盟店:フランチャイズ本部と契約した加盟者自身がオーナーとして経営する。

上記のように、フランチャイズ本部と加盟店に雇用関係はありません。加盟店のオーナーは、フランチャイズ本部が運営するブランドに加盟しているものの、別事業主扱いです。

【関連記事】

フランチャイズのメリット5選(開業前)

フランチャイズのメリット5選(開業前)

ここからは、フランチャイズで開業する際のメリットを5つ紹介します。

  • ビジネス初心者でも始めやすい
  • 開業資金の融資を受けやすい
  • 開業の負担を減らせる
  • 経営ノウハウを提供してもらえる
  • 店舗運営の仕組みができている

「フランチャイズに興味があるけど、なかなか踏み出せない」と悩んでいる方は、個人開業とフランチャイズ開業にかかるコストや労力を比較しながら読み進めてみてください。

ビジネス初心者でも始めやすい

フランチャイズに加盟すれば、本部から開業サポートを受けられます。そのため、ビジネスの経験のない初心者でも始めやすいメリットがあります。

起業経験ゼロから独立した場合、市場リサーチや人材採用、設備の準備など、さまざまな業務をすべて自分自身で行う必要があります。そのため開業までに多くの時間と労力がかかります。

フランチャイズなら、知識や経験がなくても比較的短期間で開業できる点が大きなメリットです。

開業資金の融資を受けやすい

フランチャイズは、個人で開業するよりも融資を受けやすいメリットもあります。

通常、何も実績のない状態から独立・開業する場合、信用も低く資金調達が困難です。しかしフランチャイズに加盟していれば、金融機関からの信用が得やすく、融資を受けやすいでしょう。

なぜなら、立地などの条件が近い他のフランチャイズ加盟店舗の実績をもとに、事業計画書を作成できるからです。個人でゼロから開業するよりも信頼性の高い計画を立てられます。

関連記事:個人事業主が事業計画書を作成する6つのメリットと具体的な書き方

もちろん、フランチャイズ本部の財政状況が悪かったり、融資希望額があまりに高額になったりする場合は融資が困難になる可能性が高くなります。

個人・フランチャイズどちらで開業するにしても、自己資金を十分に確保しておくことが重要なのは認識しておくべきでしょう。

その上で、具体的な数字で信頼性の高い事業計画を立てられることは、大きなメリットとなるのではないでしょうか。

開業の負担を減らせる

個人で開業する場合、物件や設備、広告費用など開業にかかるコストを考慮すべきです。業種によっても異なりますが、開業資金だけで1,000万円以上かかることもあります。

フランチャイズによっては、その一部を本部に負担してもらえる場合があります。

例えば、コンビニエンスストアのフランチャイズでは、店舗の取得や内装設備の負担、さらに転居費用まで負担してくれるプランを用意している本部もあります。

初期コストを抑えて独立・開業したい方にとって、開業の負担を最小限に抑えられることは大きな魅力と言えます。

経営ノウハウを提供してもらえる

フランチャイズ本部が長年蓄積してきた経営ノウハウを提供してもらえることも大きなメリットです。

個人で開業した場合、仕入れや集客、接客、採用・教育などのノウハウは、すべてゼロから自分で習得しなければいけません。それには労力もコストもかかります。

フランチャイズ本部の経営ノウハウには、本部や加盟店の過去の成功・失敗から得た内容が多く含まれています。

そのため、自分に経験がなくても「こうすれば成功(失敗)するから、自分の店舗ではこの方法を取り入れよう」などの判断が可能です。

これらを活用することで、ビジネス経験が浅い方や、業種未経験者でも、早期に収益化できるでしょう。

店舗運営の仕組みができている

開業するためには、商品の価格設計や陳列、レイアウト、売上・在庫管理システムの導入など、店舗運営に必要なさまざまな仕組みを構築しなければなりません。

開業の経験がないと、これらの整備も難しく感じ、挫折することもあるでしょう。

フランチャイズは、すでに店舗運営の仕組みが整っているため、あまり労力をかけずに始められることがメリットです。

フランチャイズのメリット5選(開業後)

フランチャイズのメリット5選(開業後)

続いて、開業後に受けられるフランチャイズのメリットを5つ紹介します。

  1. ブランドを利用できるので集客しやすい
  2. 人材が集まりやすい
  3. 店舗経営に集中できる
  4. コストを抑えて商品を仕入れられる
  5. 広告をかけてもらえる

ブランド力を利用できるので集客しやすい

集客は店舗経営で重要な項目の1つです。

個人で経営する場合、開業初期はお店や商品・サービスの知名度が低いため、なかなか人が集まらず集客に苦労する可能性があります。

フランチャイズでは本部の持つ知名度やブランドを利用できるので、すでに認知や信用がある状態でスタートできるメリットがあります。

例えば、フランチャイズで学習塾を開業した場合、全国的な知名度や有名校や難関校の合格実績が多い塾の名前を利用できるため、保護者の信頼も得やすいでしょう。

本部のサービス名を聞くだけで、「この塾なら有名だから安心だ」と認識してもらえます。

少子化で子どもの数が減り顧客の争奪戦になっている場合でも、ブランド力や信頼力を利用し、店舗運営ができるのは大きなポイントです。

人材が集まりやすい

知名や実績のあるフランチャイズ加盟店であれば、集客だけでなくすでに商品やサービスが知られているため、従業員の確保もより比較的スムーズにできるでしょう。

求職者には「知っているお店だから安心して働ける」「人気のお店でアルバイトとして活躍できる」とメリットを感じてもらいやすくなります。

応募が集まりやすい分、良い人材を採用できる確率も高くなります。

人材不足で接客やサービスのスピードや質が低ければ、地域のお客様に選んでもらえず、安定した経営が難しくなるかもしれません。

そのため、どうやって人材を集めるのか、どのような人材を採用するのかは経営が成功するかどうかの重要な要素となります。人材獲得における課題を解決に導くのが、フランチャイズです。

また、フランチャイズ本部やエリア責任者などが、店舗の採用活動をサポートしてくれるケースもあります。

なかには、効果的な求人広告での募集内容や雇用条件、キャッチコピーなどの人材採用ノウハウを共有するフランチャイズもあります。

今まで採用活動をしたことがない経営者にとっては、具体的な採用アドバイスを受けられるので、個人で開業するよりもスムーズに人材を集められるでしょう。

店舗経営に集中できる

フランチャイズに加盟すると、オーナーは店舗経営に集中できます。

なぜなら新商品の開発や宣伝、スタッフの教育指導など、あらゆる業務でフランチャイズ本部のサポートを受けられるからです。

フランチャイズオーナーは本部が用意したルールに従い、店舗を運営するため、新たに商品やマニュアルを作成する必要はありません。

店舗経営に集中できれば、売上拡大のための施策に取り組めます。

店内のポップやBGMを工夫して来店するお客様が居心地良い店内を作る、従業員とのコミュニケーションを積極的に行い、いきいきと働けるような環境を整える、などの取り組みにより、地域住民に長く愛される店舗ができるでしょう。

売上の維持・拡大に専念できるので、効率的な経営ができることがメリットです。

コストを抑えて商品を仕入れられる

個人で独立した場合、ゼロから仕入れ先を探さなければなりません。

店舗経営を始めたばかりのころは、取引実績がないことで、信用力が低い上に大口の取引先を獲得するのも難しく、どうしても仕入れ原価が高くなるでしょう。

フランチャイズなら、本部が一括で全店舗の商品や備品を仕入れ、加盟店に供給していることが多く見受けられます。そのため仕入れ先を探す手間もかからず、コストも抑えられます。

広告をかけてもらえる

集客のためには広告が重要です。地域のお客様に認知してもらい、来店につなげるためのチラシやWeb広告などを出稿する必要があります。

しかし個人開業の場合、潤沢な資金がない限り、多額の費用を広告に投入することは難しいでしょう。

たとえば、個人でテレビCMを放送したいと思ったら、制作費で20万円程度、地方局の放送枠の確保で最低でも50万円はかかります。

Web広告の場合、Webサイトの広告枠に表示されるディスプレイ広告の運用の費用相場は月額50〜100万円です。

フランチャイズ本部によっては、テレビCMやWeb広告など、多額の費用をかけている場合があります。特に大手では頻繁にキャンペーンを開催しているため、自分でプロモーションせずとも集客できています。

もちろん、フランチャイズオーナーが広告費を支払う必要はありません。コストをかけず集客の恩恵を受けられる点は大きなメリットです。

関連記事:フランチャイズは儲かる?儲かる業種・仕組み、成功のヒントが満載!

フランチャイズのデメリット4選

フランチャイズのデメリット4選

フランチャイズには、開業のハードルが低い、ブランドイメージを使えるなど多くのメリットがありますが、デメリットも存在します。

ここでは、次の4つのデメリットを紹介します。

  1. 本部の経営方針に従うこと
  2. 加盟金やロイヤリティの支払い
  3. 他店舗の不祥事による悪影響
  4. 契約期間内の終了で違約金を支払う必要性

メリットだけではなくデメリットも把握して対策を立てておけば、後悔のない独立・開業ができるでしょう。

本部の経営方針に従うこと

本部によって差はありますが、フランチャイズ本部が決めたルールやマニュアルに従って経営しなければなりません。そのため、独自の経営方針で店舗経営を行うことは困難です。

プロモーション方法やサービスの提供の仕方にも制限があるため、ルール違反をすると違約金を請求されたり、契約解除となったりする可能性もあります。

自分の好きなように経営したい方にとっては自由度が低く、経営方針の変更にも左右されやすいため、デメリットと感じる方も多いでしょう。

しかし、店舗経営のノウハウを提供してもらえるメリットも忘れてはいけません。あらかじめ制限があることを念頭に置き、経営方針に賛同できるようなフランチャイズを選ぶと良いでしょう。

加盟金やロイヤリティの支払い

フランチャイズに加盟すると、加盟金やロイヤリティを支払う義務があります。

これらは個人で開業した場合には払う必要のない費用です。特にロイヤリティは、どれだけ店舗が経営難になっても支払わなければなりません。

フランチャイズのロイヤリティの算出方法は、大きく分けて売上に対し決められた割合を支払う「定率方式」と、毎月決まった金額を支払う「定額方式」があります。

業種やサービスにより採用している算出方法は異なりますが、特に定額方式の場合、売上が低迷している時期にはロイヤリティは大きな負担となります。

フランチャイズで開業してからロイヤリティで疲弊しないために、事前に次の2点を確認しておきましょう。

  • ロイヤリティの金額と本部から得られるノウハウやサポート、ブランド力が見合っているかどうか
  • ロイヤリティが不当に高い金額でないか

「フランチャイズのブランドに加盟する対価」として、加盟金やロイヤリティの金額が妥当かどうか、しっかり吟味して選ぶことが重要です。

他店舗の不祥事による悪影響

ほかの店舗やフランチャイズ本部の不祥事により、自分が経営する店舗に悪影響が出る場合があります。

たとえば、フランチャイズ本部の代表取締役や役員が賭博行為や人身事故を起こした場合、ニュースやメディアで報道され、世の中に不祥事のイメージが広がる場合があるでしょう。

自分の経営する店舗はまったくトラブルを起こしていないものの、お客様からの信頼が下がるなど、集客面で悪影響が出るリスクがあります。

悪影響をできる限り抑えるためにも、お客様への丁寧な説明を心がけ、良質な商品とサービスの提供を継続していきましょう。

また自店舗で不祥事が発生しないためにも、日頃から従業員への教育を徹底しましょう。SNS投稿や損害賠償リスクなどを理解してもらい、危機意識を持ってもらうことが重要です。

一方、加盟店や本部のポジティブなニュースが広まり、ブランドイメージが向上すれば、そのイメージは自分の店舗にも影響します。

良くも悪くも、ブランドイメージが店舗経営に大きく影響を与えることは知っておくべきでしょう。

契約期間内の終了で違約金を支払う必要性

フランチャイズ本部は加盟店に契約期間を設けています。契約期間内に店舗運営を終了した場合、中途解約の理由にかかわらず、違約金を支払わなければなりません。

また、加盟店に契約違反や法律違反など重大な過失があった場合にも、フランチャイズ本部は契約を解除できます。

このケースでは中途解約の違約金だけではなく、本部の利益やブランドイメージを毀損したとして、損害賠償を請求される恐れもあります。

こうした中途解約や契約解除を避けるためにも、事前に契約内容を把握することが重要です。

とくに、次の4点は必ず確認しておきましょう。

  • 解約の事前申告期間
  • 解除禁止期間
  • 違約金の支払い条件
  • 契約終了後の競合企業への就職・設立禁止期間(競業避止義務の期間)

上記を確認し、事業計画をしっかり立てて開業すれば、契約期間内で終了する事態は回避できるでしょう。

関連記事:フランチャイズでよくあるトラブル事例|問題点を回避する方法

まとめ

フランチャイズには開業するときからその後の経営まで、多くのメリットがあります。そのためビジネス初心者でも挑戦しやすく、独立・開業に興味がある方はぜひ検討してみることをおすすめします。

フランチャイズを始める際は、メリットだけではなくデメリットも理解し、十分な対策をして臨みましょう。

当サイトでは、ほかにもフランチャイズを始める際のお役立ち情報を紹介しています。情報収集をしたい方はこちらもご覧ください。

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著者情報

DokTech編集部
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