美容室の開業に何が必要?オープンまでの全体像や注意点を解説

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美容室の開業に何が必要?オープンまでの全体像や注意点を解説

更新日更新日:2023.10.5

公開日投稿日:2022.8.24

髪を切る女性

開業・独立のハードルが低くなっていることにより、自身で美容室の開業を希望する人が増えています。

とはいえ、美容室の開業は簡単にできるものではありません。美容師としての業務は経験があり熟知しているものの、具体的な美容室の開業手順やオープンにあたって準備すべきことは詳しく知らない方もいるのではないでしょうか。

本記事では美容室の開業準備からオープンまでの全体像や必要な資金について、開業初心者にもわかりやすく解説します。

・美容室の開業準備からオープンまでの流れ
・開業に必要な資金一覧
・開業を失敗しないためにやるべきこと
・開業に必要な手続きと申請

美容室の開業を考えているけど、「何から手を付ければいいかわからない」「開業で失敗したくない」方は、ぜひ最後までご覧ください。

目次

美容室の開業準備からオープンするまでの全体像

美容室の開業準備からオープンするまでの全体像

美容室の開業準備では経営者視点を持った行動が必要です。

具体的には、「どの地域にお店を出せば利益が出るのか」「どうすればお客様を集められるのか」といった視点がなければ、開業はできてもお店の売上を生み出せません。

この点を考慮して、美容室の開業準備からオープンまでの流れを理解していきましょう。全体像は以下のとおりです。

  • オープンする日を決める
  • 事業計画書を作成をする
  • 融資を受ける
  • 物件の取得・設備を導入する
  • お店をオープン

それぞれの項目を詳しく解説します。

オープンする日を決める

本記事で解説する開業の準備や手続きにかかる日数を手かがりに、美容室のオープン日を仮で決めましょう。

たとえば、4月1日をオープン日と仮定します。事業計画書の作成に1ヶ月、融資の調達に3ヶ月、物件の取得・設備の導入に6ヶ月とすると、前年の7月から準備を始める必要があります。

仮オープン日を決めると、そこから逆算して具体的な計画を立てられます。

また資金調達や物件の工事など、開業までに予想以上の日数がかかってしまう場合があるので、余裕を持ったスケジュール調整をしてください。

オープン日を早く決めると新規開店や開店キャンペーンなどの告知ができます。仮で決めたオープン日とはいえ、大体の日程がわかっていれば、前もってチラシ作成の準備やチラシを配る場所を把握しやすくなります。

事業計画書を作成する

事業計画書は、これから開業する美容室が「どのような店舗で」「なぜ開業をするのか」「どんな経営で売上を確保して黒字化するのか」を示す計画書のことです。銀行から融資を受けるための判断材料にもなります。

そのため、融資を受けるには具体的かつ実現性のある事業計画書を作る必要があります。

とくに大切なのは次の2点です。

  • 美容室のコンセプト
  • 売上予測・損益分岐点の計算

美容室の独自性や他店との優位性をわかりやすく事業計画書に明記します。

たとえば、美容室のコンセプトは「枝毛や髪のダメージの髪質改善に特化した美容室」「三世帯で通える設備を整えた美容室」などの内容が挙げられます。

また、毎月の売上予測200万円に対して、人件費や家賃などの固定費が70万円、仕入原価や材料費などの変動費が30万円と合わせると、100万円の支出になり、粗利額は毎月100万円になると予測できます。

損益分岐点は、粗利額から販売費及び一般管理費を引いた金額利益が0円になる状態です。

上記のような内容を記述するには、市場分析や競合調査・サービスの価格設計を行う必要があります。具体的な方法は後ほど解説します。

関連記事:個人事業主が事業計画書を作成する6つのメリットと具体的な書き方

融資を受ける

店舗の外装・内装工事や備品の購入など、初期投資に必要な資金はいくら必要かを計算して、金融機関への融資を申し込みましょう。

日本政策金融公庫によると、内外装工事で476万円、設備購入で197万円、運転資金で150万円、テナント賃借費用で104万円、営業保証金で13万円の合計940万円をサロン開設費用の内訳としています。

参照:新たに美容業を始めるみなさまへ創業の手引+|日本政策金融公庫

主な融資の種類は下記のとおりです。

  • 銀行の直接融資、プロパー融資
  • 信用保証協会の保証つき融資
  • 日本政策金融公庫の創業者向け創業融資

融資を受けるためには、事業計画書を入念に作り込む必要があります。

「収入と支出の見込み金額や、返済の原資になる利益額に妥当性があるのか」を金融機関の担当者は厳しくチェックするからです。

「受ける融資をなるべく減らしたい」「信用力はないけど可能であれば融資を受けたい」方は、フランチャイズの事業形態で美容室の開業を検討してみるとよいでしょう。

フランチャイズとは、フランチャイズ本部と加盟店が契約を結び、店舗展開をするビジネスモデルです。加盟店は加盟金やロイヤリティを支払うことで、本部による開業・店舗運営サポートなどを受けられます。

本部のブランド名や独自の商品・サービスを利用できるので、融資を受ける際の信用力が増します。

またどの本部に加盟するかによって異なりますが、一部開業資金を負担してくれる制度があるので、受ける融資が少なくて済む場合もあります。

フランチャイズによっては、美容室の開業に必要な物件費用や備品の購入などの初期費用が必要のないケースもあるので、フランチャイズについて詳しく知っておくと良いでしょう。

フランチャイズのメリットは別の記事で詳しく解説しているので、よければそちらもご覧ください。

物件の取得・設備を導入する

融資の審査が通ったら、物件の取得を進めましょう。

あくまで目安ですが、物件の決定から取得まで約4ヶ月、設備を決定してから導入するまで2ヶ月かかると想定すると、合計約6ヶ月の期間を要します。

物件を取得する際の権利関係は、司法書士に依頼をする必要があるので時間がかかります。前もって司法書士に相談し、スムーズに進められるようスケジュールを調整しておくと良いでしょう。

また美容室の開業には、設備の導入が欠かせません。物件が決まったら同時に導入の手続きを進めておくと良いでしょう。

たとえば、以下の項目は、美容室を開業する上で欠かせない設備です。

  • カット用チェア・スツール
  • シャンプー台
  • パーマ用機器
  • 収納ワゴン
  • ドライヤー
  • ヘアアイロン
  • 待合室のデスクやチェア

物件の取得と同様に、設備の導入まで日数がかかるので余裕を持って行動すると良いでしょう。

お店をオープンする

物件を借りて、設備導入が完了し、備品などの各種準備を終えたら、いよいよオープンです。美容室をオープンしたら、経営者と美容師の両軸で店舗運営を行う必要があります。

たとえば、

  • スタッフの管理・教育
  • 店舗の経営
  • お客様の集客
  • 売り上げの収支計算

など、従業員のときとは異なり、お客様対応やヘアカット以外にやることはたくさんあるのです。

また美容室をオープンしたら、予測していた売上が30%不足したり、変動費の支出が想定以上に多くなっていたりなど、事業計画書で計画したとおりに進まない場合もあるでしょう。

そのようなリスクを回避するため、余剰資金を溜めておくことや、集客に力を入れる施策などが求められます。

このように美容室をオープンしたら、思わぬところにトラブルが待ち受けています。予想外の事態が発生しても、その都度修正と改善を繰り返して、より良い店舗運営をしていきましょう。

美容室の開業に必要な資金一覧

美容室を開業するためには、多額の初期費用が必要です。

具体的な項目は下記のとおりです。

美容室の開業に必要な資金一覧

美容室の開業に必要な資金について詳しく解説します。

物件

新築かテナント、出店する地域などの条件によって、物件取得に必要な資金は大きく異なります。

日本不動産研究所によると、2021年の全国の地域別テナント料は下記のような差があります。

単位:円/坪・月

出店地域全フロア1F1F以外
大通(北海道)13,10020,70012,300
表参道(東京)41,60051,50036,100
栄(愛知)17,50023,30016,300
心斎橋(大阪)21,70037,00016,700
天神(福岡)18,80022,80016,600

参照:店舗賃料トレンド2022春|一般財団法人日本不動産研究所

仮に融資を受け資金調達ができたとしても、テナントの賃料支払いが毎月あるので運転資金を圧迫する要因にもなります。

そのため、「どの地域に出店すればどのくらいの来店が見込めるか」「取得予定の物件の前はどのくらいの人通りがあるか」などのリサーチを行い、物件は慎重に選ぶことが重要です。

ただ単に、立地が良いからと安易に物件を選ばず、事業計画書に書いたコンセプトや地域戦略、価格設定に基づき、慎重に物件選びを進めましょう。

内装・外装工事

お客様に選ばれる店舗にするためには、オシャレな内装・外装にこだわる必要があります。

内装・外装工事は初期投資の50%程度を占める大きな費用項目です。

内装工事は、壁紙やシャンプー台、チェアに沿った店舗内にかかわる工事を指します。

概算費用は25万円〜60万円ほどで、設備導入費用とは別で必要です。

一方で外装工事は、外壁の塗装や屋根、外構部分など店舗の外からの見た目に関わる工事です。

外装工事の概算費用は、施工項目で大きく変わるためケースバイケースですが、数十万円〜数百万円の費用がかかります。

工事を行う場合は、事前に消防署と保健所に、美容室の平面図など構造設備などがわかる図面を提出しましょう。

なぜなら、火災感知器を設置する箇所や、火事が起きた場合の避難経路を消防署にチェックしてもらう必要があるからです。

ガスを使う業種ではないといえ、一緒の建物に入っている飲食店や外的要因から火事が発生する場合があります。

火事が起きてから対策しても遅いので、事前に消防署にチェックしてもらい、お客様と従業員の安全を守りましょう。

手続きの内容は後述します。

設備・備品

美容室で必要な設備と備品は多くの種類があります。

シャンプー台やハサミ、ドライヤーなどの購入資金に加えて、設置費用もかかります。

設備購入と導入の総額で300万円以上が目安です。

下記で一例を紹介します。

項目金額
シャンプー台やチェアなどの什器約200万円
ワックスやカラー剤などの備品約30万円
電気工事約30万円
建具工事約40万円
その他設備工事・施工(光触媒コーティングなど)約100万円
総額約400万円

シャンプー台の水回り工事やドライヤーの電気工事も必要です。とくに美容室は配管や電気周りの工事が特殊であるため、費用は高額になる点を注意しましょう。

運転資金

美容室の運営にかかる家賃や保険代(賠償責任保険など)、人件費や光熱費の運転資金も必要です。

廃業の最も多い原因の1つには資金繰りの悪化が挙げられます。

運転資金が枯渇して閉店に追い込まれないよう、可能な限り、固定費と変動費を抑えて、手元に資金源を残しましょう。

その他(宣伝広告費など)

その他(宣伝広告費など)

そのほかにも、資金が必要となる場合はあります。

たとえば、美容室を宣伝するための広告宣伝費です。広告宣伝費には、Web広告の出稿やグルメサイトの掲載などが該当します。

宣伝広告費をかける余裕がなければ、無料で認知を拡大できるSNSを活用しましょう。

具体的なSNSの施策は

・メニュー・料金

・施術後のお客様のヘアー写真

・ハッシュタグの活用

・お客様による来店の感想・口コミ

などの投稿が、一般的な方法です。

広告宣伝費以外にも

  • 人材採用
  • 各種保険
  • 光熱費
  • ネット回線使用料

などの費用がかかるため、どの項目にどれぐらいの資金を必要とするか、この機会に確認しておきましょう。

関連記事:SNS集客7つのコツと成功事例!口コミを生み出すポイントも解説

美容室の開業を失敗しないためにやるべきこと

美容室の開業を失敗しないためにやるべきこと

美容室の店舗数は年々増加傾向にあり、競合が増えています。美容室が増えるほど、見込み客やリピーター様は他の美容室に流れる可能性があります。

これは美容室を開業できたとしても、集客獲得のために対策しなければ廃業に追い込まれることを意味します。美容室業界は、3年以内に90%の店舗が廃業すると言われています。

では、お客様に選ばれる美容室となり、競争が厳しい業界で生き残るには何をしたら良いのでしょうか。それは抜かりない市場分析と、競合となる美容室と差別化を図ったサービス展開です。

具体的にやるべきことを6つまとめました。

  • 市場・競合調査
  • ターゲットの明確化
  • サービスの価格設計
  • コンセプトの立案
  • 集客施策
  • 働きやすい環境づくり

各項目を詳しく解説します。

 市場・競合調査

市場調査とは、出店を予定している地域はどのような顧客層がいて、どういったニーズがあるのかを調査することです。

具体的には、顧客の年齢・年収・価値観・生活スタイル・ファッション・行動パターン・美容にかける予算などを、インターネットで検索したり、地域を歩き回って調査したりします。

競合分析は、競合となる美容室の来店数やクチコミ、顧客への対応まで調べる調査です。実際に競合店舗を訪れて利用する、街中でアンケートをするのも調査手段の一つです。

市場・競合調査が重要なのは、顧客ニーズに適したサービスを提供しないと、お客様に適したサービスができず、集客に苦戦する可能性が高くなるからです。

たとえば、高級住宅街に激安の1,000円カットのコンセプトで出店しても来店は見込めません。ニーズが一切ないわけではありませんが、市場に適したサービスとはいえないからです。

ターゲットの明確化

次にターゲットを決めます。

ターゲットの年齢層や性別、髪の悩みごと、大事にしているヘアスタイルやヘアカラー、ファッションに対する価値観まで分析を行います。

具体的な人物像を思い描き、ターゲットを明確にしましょう。

項目内容
年齢20代後半
性別女性
髪の悩みごと・髪のダメージが少し気になる
・大きな悩みはないが、髪質を健康に保ちたい
価値観・トレンドの髪型を取り入れつつもロングヘアーだけは崩したくない
・30代を手前にコンサバ寄りのファッションを好むようになってきた
美容室に掛ける予算15,000円〜20,000円

このような架空の人物像を描くことをペルソナ設定といいます。

年収や居住地、趣味、職業などさらに具体的な人物像に絞ることもできますが、こういったペルソナを明確にすることで、美容室の利用を訴求したい対象が定まり、ターゲット層に対して来店を促しやすくなります。また競合店との差もつけやすくなります。

ターゲット設定したら、ターゲットに合わせたサービスの価格設計を行いましょう。

サービスの価格設計

サービスの価格設計

美容室を経営するうえで欠かせないのが、サービスの価格設計です。価格設計の段階で悩む経営者は多く、「なんとなくこれぐらいかな?」とサービスの価格を決めてしまうと、廃業に追い込まれかねません。

美容室を開業した後でもサービスの価格は変更できますが、お客様によくない印象を与え、せっかく付いたリピーターが離れてしまうリスクがあります。

そのため、サービスの価格は開業の準備段階でしっかり時間をかけて考えておく必要があります。具体的には以下の観点からお客様に適したサービスの価格設計を行いましょう。

  • 競合店の価格帯
  • 自身の美容室のコンセプト
  • 売上目標

サービスの価格設計で一番メジャーな方法は、競合の美容室を参考にして決める方法です。

「A店:5,000円〜15,000円」「B店:7,000円〜17,000円」「C店:10,000円〜20,000円」であれば、おおよそ5,000円〜20,000円に達しない範囲でサービスの価格を決められます。

しかし、美容室にはそれぞれ特徴があり、こだわりのある技術や狙っているターゲット層は異なります。

自身の店舗は「ヘアカットの早さ」を売りにしているのに、「じっくり丁寧なカットを心がける」競合店舗の価格を真似しても、お客様から高い満足度は得られないでしょう。

また「男性/女性」「ヘアカットにこだわりがある人/ヘアカットにこだわりがない人」など、お客様の性別や価値観によって、美容室にかける予算はまったく異なります。

基本、競合の店舗と自身の美容室では狙うターゲット層は違うので、競合と同じ価格を設定してもターゲットの来店は見込めません。

そのため、競合となる美容室の価格はあくまで参考として捉えつつ、自身の美容室のコンセプトを軸にサービスの価格帯を決める必要があります。

それが差別化の要因となり、お客様から選ばれる理由となるでしょう。

具体的なコンセプトの立案方法は次の章で解説します。なお、売上目標からサービスの価格を決める方法もあります。

たとえば、月間の売上目標を「150万円」と定めたとしましょう。この目標を達成するためには、1日あたり「60,000円」の売上を立てる必要があります。(営業日を25日と設定した場合)

続いて、「1日あたりの接客数」と「客単価」を決め、売上目標を達成できるサービスの価格を設計します。仮に1日の接客数を10人とした場合、客単価が6,000円であれば、日別売上は達成できることになります。

このように売上達成に必要な客単価からサービスの価格を決めてみるのも1つの手段です。

また客単価を上げるために、「デザイナー/トップデザイナー/トップディレクター」という、複数のメニューから選べる価格設計を行ってみるとよいでしょう。

お客様のニーズに合わせて柔軟に対応できるので、満足度が向上しリピーターになってくれる可能性も上がります。

サービスの価格設計は、オーナーの主観ではなく、来店して欲しいターゲットの予算感をもとに設計します。

ターゲットとなるお客様が心地良く支払える価格がもっとも理想です。安すぎても高すぎても満足感を与えられません。

たとえば、ターゲットの予算が上限20,000円であれば、通常のカットと髪質改善トリートメントなどのオプションをあわせて上限額が20,000円になるように設計しましょう。

コンセプトの立案

コンセプトとは、これから開業する美容室の概念や構想、雰囲気など一貫した考えのことを指します。コンセプトを立案するには、ターゲットから逆算して考えることが近道です。

先ほど20代後半・女性(予算15,000円〜20,000円)のターゲットを設定しましたが、このターゲットに適したコンセプトを導きます。

30歳を手前にして、トレンドばかりを追うのではなく、自分の価値観を軸にしたお洒落や美しさを追求したいと考えるターゲットに向けて、自分らしいヘアスタイルを提案したい場合、「トレンドを取り入れつつも、アラサー女子が自分らしい髪の美しさを表現できる美容室」というコンセプトを立案できます。

コンセプトを掲げることで

  • 提供するメニュー・サービス
  • 内装・外装のデザイン
  • 使用する什器やヘアケア商品
  • 接客の方向性
  • 集客方法

などを定めやすくなります。

一例を挙げると、SNSで流行っている話題の新生ブランドのシャンプーではなく、自然派の成分にこだわり確かな効果が感じられる老舗ブランドのシャンプーを取り入れるなど、コンセプトをもとにさまざまな工夫ができます。

ターゲットにお店の魅力や価値が伝わるコンセプトを設計しましょう。

集客施策

集客施策には、下記のような施策があります。

  • チラシ
  • 広告掲載サイト
  • 情報誌
  • Web広告
  • InstagramやX(旧Twitter)のSNS
  • 口コミ
  • ホームページ・ブログ
  • LINE
  • アプリ

ここでの注意点はターゲットに適した集客施策を考えることです。

具体的には、以下のとおりです。

  • 20代:SNSや広告掲載サイト、アプリ
  • 30代:SNSや広告掲載サイト、ホームページ、情報誌
  • 50代:チラシや口コミ、ブログ

上記は年齢を軸にした集客施策ですが、ターゲットの属性を基に考える方法もあります。

ターゲットが「日頃どのような媒体で美容室を探しているのか」「どのようなきっかけで美容室を決めているのか」を調査して、もっとも適した方法で集客します。

たとえば、「モデルのような髪型に憧れる10代女性」を集客したい場合、美容室のPRを10代女性に人気のモデルやインフルエンサーに依頼すると効果的でしょう。

このような手法は、インフルエンサーマーケティングと呼ばれ、費用はかかりますが、高いリターンを期待できます。

また、潜在顧客に対して、広告として嫌煙されることなく、情報を受け取ってもらえるメリットもあります。

ただし、インフルエンサーマーケティングが流行っているから、ほかのお店がLINEを活用しているから、という理由で各集客方法を導入しないように注意をしてください。

必ずお客様に適した集客施策を考え、売上アップにつなげましょう。

<SNS集客に役立つ記事>
インスタ集客の6つのコツ│メリットや企業の事例も紹介
X(旧Twitter)集客・7つのコツ!一瞬のバズより成約が継続する運用方法

リピート施策

店舗を長期間継続して運営するためには、新規顧客とリピーターの獲得がが重要です。

そのために、見込み顧客・顧客のリスト獲得を積極的に行い、LINE公式アカウントで定期的なアプローチを行いましょう。

具体的には、クーポンの配信や新メニューの先行告知などを配信します。興味・関心が高いフォロワーは、このような配信であらためて美容室を再認識させ、再度来店を促せるでしょう。

興味・関心の低いフォロワーであっても、定期的な配信を行うことで、美容室を探す際の候補に挙がるようになってきます。これを心理学やビジネスの用語でザイオンス効果といいます。

ただしリリピート施策に力を入れても、カットやカラー、ヘッドスパなどの施術内容や接客が顧客の満足を叶えられなければ、再来店してもらえる可能性は低いでしょう。

顧客にわざわざ来店して良かったと思ってもらえる、レベルの高いサービス提供がリピーター獲得には欠かせません。

働きやすい環境づくり

働きやすい環境づくり

美容室を開業する場合、従業員を雇用する機会があります。

せっかく優秀な従業員を雇用しても、早期に辞められてしまっては、教育にかけた時間や採用したコストが無駄になってしまいます。またお客様視点からみても、従業員が頻繁に変わるのは印象が良くないでしょう。

場合によっては「あの美容室は従業員が頻繁に変わるブラックなお店」と口コミが広がり、顧客離れの原因になるかもしれません。

そのため、従業員が働きやすい環境づくりが必要となります。

前提として美容師が辞めてしまう原因の多くは「労働条件」です。

「激務なうえに長時間労働で休みは少ない」「給料が安いだけでなく福利厚生も充実していない」などの理由から入社した美容室を辞めてしまい、最終的には美容師から離れて違う職に就く方もいます。

このような過酷な労働環境で働きたいと思う人は、年々少なくなっていると考えられるため、「求人がこない」「すぐに退職されてしまう」などのリスクを回避するためにも、しっかり働きやすい体制を整えましょう。

具体的にはパート勤務や業務委託の制度を取り入れ、自身のライフスタイルに合わせて働ける環境を設けたり、勉強や練習を強制するのではなく、従業員の自主性を尊重するスタイルを取り入れたりなどさまざまな対策を行う必要があります。

ほかにも、産休や育休制度を充実させ、男性・女性ともに育児しやすい職場にしてみるのもよいでしょう。その結果、自身の美容室で従業員の定着率が向上し、頻繁に採用募集をかけることもなくなるはずです。

美容室の開業の必要な手続きと申請

美容室の開業の必要な手続きと申請

美容室の開業に必要な手続きや申請について詳しく解説します。

  • 税務
  • 保健所
  • 消防

いずれも申請書類が非常に複雑かつ枚数が多いので、必要書類や必要な手続きを把握してから、漏れのないように準備しましょう。

税務関係の手続き

税務関係の手続きでメインとなるのが、開業届や青色申告書など税務署へ提出する書類です。

国税庁の「新たに事業を始めたときの届出など」によると、以下の申請が必要になります。

・個人事業の開廃業等の届出書

・所得税の青色申告承認申請書

・青色事業専従者給与に関する届出書

・所得税・消費税の納税地の変更に関する届出書

・所得税の棚卸資産の評価方法・減価償却資産の償却方法の届出書

参照:No.2090 新たに事業を始めたときの届出など | 国税庁

税務関係の手続きは多岐に渡り、初めて開業を行う方にとっては非常に複雑な作業です。

どうしても不明な点が出てきた場合は、お住まいの地域の税務署に問い合わせてみましょう。

また、法人と個人で提出する資料も異なります。

具体的には法人の場合、「法人設立届出書」が追加で提出を求められます。

保健所関係の手続き

保健所には、「美容所開設届」を提出し検査を受ける必要があります。

検査に合格をしないと、美容室としてオープンできないので、万が一の不備もないようにしましょう。

具体的な流れは、下記になります。

事前相談→美容所開設届の提出→検査

内装業者から図面を受領次第、図面を保健所に持ち込み、事前相談をしてください。

保健所が、建物構造や作業室の床面積、シャンプー台の数など、多数の項目をチェックします。工事の着工をしてから、構造的な問題があった場合は再工事をしなければなりません。

必ず、着工前に事前相談をしましょう。

事前相談の結果、構造に問題ないと判断されたら、美容室開設届の提出をしてください。美容室開設届は都道府県のホームページより入手できます。

提出後に、検査手数料の支払いと検査日程の調整をします。

工事が完了したら、保健所の職員の方に立会い検査をしてもらいましょう。

3日程度で検査結果の通知を受け取れます。

消防関係の手続き

消防署への提出書類も税務署や保健所同様に複雑なので、漏れのないように手続きを進めていきましょう。

ただし以下のように、改装や修繕の有無によって、手続きが異なります。

  • テナントで改装や修繕を行う場合は、「防火対象物工事等計画届出書」を工事着工の1週間前までに提出
  • テナントで改装や修繕を行わない場合は、「防火対象物使用開始届出書」をテナント使用開始の1週間前までに提出

また店舗の規模や条件により提出書類も変わるので、早い段階であらかじめ相談をしておくと内装業者との打ち合わせや書類の受領もスムーズです。

美容室を開業する上での注意点

美容室を開業する上での注意点

美容室を開業する上での注意点を解説します。

  • 従業員を雇う場合の免許取得
  • 開業自体を目的にしない
  • 十分な資金を残す

開業の準備や必要な申請・手続きでやることは多数ありますが、次の章から紹介する細かいポイントにも注意を払いましょう。

従業員を2名以上雇う場合は管理美容師の免許が必要

従業員を2名以上雇用する場合は、管理美容師の免許が必要です。

理容師美容師試験研修センターによると、従業員の数が常時2名以上である理容所の開設者は資格取得が必要になります。

また、受講要件として、美容師の免許を受けた後3年以上理容の業務、美容の業務に従事し、指定した講習会の課程を修了した者であることと規定しています。

参照:管理理容師・管理美容師の概要|理容師美容師試験研修センター

従業員を雇う場合は、必ず資格取得を済ませておきましょう。

開業することを目的にしない

美容室の開業は、スタートラインに立つまでがあまりにも大変なので、開業の過程で満足してしまう方もいるでしょう。

しかしながら、開業はあくまでスタートラインに過ぎず、店舗を経営する過程でさらに大変なことが待っています。

そのためオープンしたことに満足せず、顧客満足度を高めるために力を入れたり、経営の勉強をして新しい知識を取り入れたりして、自己研鑽するようにしましょう。

資金はなるべく残しておく

資金は無駄遣いせずに、なるべく残しておくことをオススメします。

近隣に新規の美容院ができてお客様が流れたり、水道設備の故障で1か月間の休業を余儀なくされたりなど、いつ想定外のトラブルが発生しても対応できるように資金を残しておきましょう。

適正な投資や支出は必要ですが、過度な使い込みは経営を圧迫するだけです。

利益の計算方法からもわかるように、売り上げが仮に月間1億円ある場合でも、それ以上の経費が掛かっていれば赤字経営です。

利益が残りづらい場合は、売り上げアップの施策とともに、固定費を削減できる方法がないかも検討しましょう。

固定費を月10万円減らせば、売り上げが月に10万円増えたことと同じ効果です。

まとめ

美容室の開業をするためには、多くのステップを踏んでいく必要があります。とくに独立で失敗しないためには、店舗運営にかかわる資金管理や集客施策でも多大な労力を割かなければいけません。

美容師の腕に自信はあるけど、店舗運営や仕入れ先の開拓など経営の面で不安がある場合は、フランチャイズ形式での開業も検討しましょう。

初期費用を抑えられるだけでなく、本部の経営ノウハウを活かして店舗経営ができます。

美容室の90%が開業から3年以内に廃業しています。

これから美容室の開業を目指す人は、本記事にあるように入念な準備をしてから開業に臨んでください。

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